JBCレディスクラシックの前哨戦
2011年のJBCレディスクラシック創設とともにTCKディスタフから改名しJRA交流(13年からJpnII)となった。それ以降、地方馬の勝利はなく、JRAが力を見せる形となっている。当レースを使ってJBCレディスクラシック(13年からJpnI)で頂点に立った馬は延べ9頭(ミラクルレジェンドは11・12年、ホワイトフーガは15・16年にそれぞれ連覇)にも及ぶ。女王候補を探す意味でも注目の一戦。ここでは14~23年の過去10回の結果から傾向を探っていく。
JRA交流になった2011年まで遡っても地方馬の勝利はなく、16年トーコーヴィーナス(兵庫)、18年ブランシェクール(大井)の2着が最高着順となっている。JRAの成績を見てみると、連対率、3着内率は栗東と美浦に極端な差はないが、勝利数では栗東8勝と優位。14、19、21、23年は栗東が馬券圏内を独占しており、19年以降は5年連続で勝利を収めている。特に栗東の橋口慎介厩舎は過去3回で2勝と近年は存在感を見せている。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA栗東 | 8 | 4 | 6 | 16 | 23.5% | 35.3% | 52.9% |
JRA美浦 | 2 | 5 | 2 | 7 | 12.5% | 43.8% | 56.3% |
南関東 | 0 | 1 | 0 | 52 | 0.0% | 1.9% | 1.9% |
地方他地区 | 0 | 1 | 1 | 23 | 0.0% | 4.0% | 8.0% |
注記:※16年は2着同着
上位3番人気までで8勝をマークしており、4番人気の3着内率も50.0%と基本的には上位人気馬による堅めの決着が多い。JRAが馬券圏内を占めた8回のうち6回は4番人気以内で決まっている。その反面で地方馬の3着以内への台頭は9、6、13番人気での激走で、地方馬2頭が馬券に絡んだ2018年は3連単143万円超のビッグ配当が飛び出した。ちなみに地方馬で連対した2頭、大井のブランシェクールにはダートグレードでの連対歴があり、兵庫のトーコーヴィーナスにはグランダム・ジャパン古馬シーズンの重賞を2連勝中の勢いがあった。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 3 | 4 | 1 | 2 | 30.0% | 70.0% | 80.0% |
2番人気 | 3 | 2 | 1 | 4 | 30.0% | 50.0% | 60.0% |
3番人気 | 2 | 2 | 1 | 5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 3 | 5 | 10.0% | 20.0% | 50.0% |
5番人気 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 1 | 2 | 1 | 74 | 1.3% | 3.8% | 5.1% |
注記:※16年は2着同着
JRA所属馬の前走を調べたのが[表3]。5勝を挙げるブリーダーズゴールドカップJpnIIIとの関連性が強いことが分かる。その5頭の勝ち馬の前走着順は、1着1頭、2着4頭。2着からの巻き返しが多くなっている。それに対してブリーダーズゴールドカップJpnIII・1着馬の当レースでの成績は【1-1-1-3】で、2019年のアンデスクイーン以外は勝てていない。また、前走スパーキングレディーカップJpnIII組が2着止まりで勝利できていない点も特徴として表れている。JRA3勝クラス、2勝クラスからの参戦であれば、前走Vが当レースを勝つための条件となっている。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
前走ブリーダーズゴールドカップ | 5 | 3 | 2 | 8 | 27.8% | 44.4% | 55.6% |
前走スパーキングレディーカップ | 0 | 6 | 3 | 5 | 0.0% | 42.9% | 64.3% |
前走JRAオープン特別戦 | 2 | 0 | 0 | 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
前走JRA3勝クラス | 1 | 0 | 0 | 3 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
前走JRA2勝クラス | 1 | 0 | 0 | 0 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
前走上記以外 | 1 | 0 | 3 | 5 | 11.1% | 11.1% | 44.4% |
最高斤量馬(最高タイも含む)は【3-2-3-7】と半数以上が馬券圏内で、該当馬が馬券に絡めなかったのは2018年と23年の2回のみ。出走メンバーの中で重い斤量を背負っていたとしても好走する可能性は高いと判断できる。また、リピーターにも注意が必要で、サンビスタは14年が2着で15年には勝利。ホワイトフーガは15~17年に3年連続で3着以内に好走。18年Vのプリンシアコメータは19年こそ10着に敗れたが、20年には3着と巻き返しに成功した。過去に舞台適性を示している場合には押さえが必要。
5連勝中のJRA栗東に勢いがある。また1~3番人気で8勝を挙げているように上位人気馬が中心。ブリーダーズゴールドカップJpnIII・2着馬の巻き返しが多く、前走がJRA3勝クラス、2勝クラスだった馬は勝っての参戦でなければ、勝利することは難しい。最高斤量馬も好走する可能性が高く、リピーターは3年ほどは注意しておきたい。
(文・スポーツ報知・浅子祐貴)
1着
2着
3着
【注記】ダートグレード競走に格付けされた2013年からのデータとなります。2016年は2着同着。
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。