データ分析 Data Analysis

JBCクラシックを目指す実力馬が始動

1着馬にJBCクラシックJpnIへの優先出走権が与えられるだけに、その大一番を目指す実力馬がここから始動することも多い。2010年フリオーソ(船橋)を最後に地方馬は勝利から遠ざかったが、21年にサルサディオーネ(大井)が逃げ切りを決めると、22年にはフィールドセンス(船橋)が豪快な差し切りを決めた。近年は地方馬の活躍も目立つ。ここでは過去10回の傾向を分析していく。

近年は元JRAの地方馬も健闘

2014~18年の5回はJRAが馬券圏を占めたが、19年はその年に大井へ転入したノンコノユメが3着に食い込んだ。同年を境に毎年、JRAから移籍してきた地方馬が3着以内に入っている。地方馬として馬券圏内に好走した延べ6頭のうち5頭は、転入後に南関重賞を勝利した実績を持っていた(例外は23年3着スワーヴアラミス)。ちなみにJRA美浦の3着以内6回のうち4回はサウンドトゥルーによるもので、同馬を管理していた高木登調教師は23年にもウシュバテソーロで勝利。20年2着のデルマルーヴル以外は、全て同厩舎の所属となっている。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 6 8 4 10 21.4% 50.0% 64.3%
JRA美浦 2 2 2 5 18.2% 36.4% 54.5%
大井 1 0 4 6 9.1% 9.1% 45.5%
船橋・川崎・浦和 1 0 0 28 3.4% 3.4% 3.4%
地方他地区 0 0 0 36 0.0% 0.0% 0.0%

19年まではゲキ堅もその後は波乱傾向

3着以内が4番人気以内の馬で占められた2014~19年の平均配当は、馬連複が448円(最高は17年の780円)、3連単も1720円(最高は15年の3110円)と堅い決着が続いていた。しかし、20年からは1番人気が3連敗(各5、6、4着)を喫するなど潮目が変わり、22年には馬連複9790円、3連単は12万8040円の高配当。20年以降の3連単は、10万円オーバー2回を含む全てが万馬券決着となっている。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 0 2 3 50.0% 50.0% 70.0%
2番人気 1 2 3 4 10.0% 30.0% 60.0%
3番人気 1 6 1 2 10.0% 70.0% 80.0%
4番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
5番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
6番人気以下 1 0 2 62 1.5% 1.5% 4.6%

58kgが好成績、57・56kgは好走条件に注意

勝率25.0%以上は55kgと58kgのみだが、対象4頭の55kgに対して58kgは延べ11頭と多いものの、3着内率は81.8%と驚異的な数字を残しており、過去1年以内にGI/JpnIを制していた馬は実績通りに期待できる。58kgに次いで連対率が高い57kgは、2000mでGI/JpnIを勝った実績がある馬の【1-3-1-4】(3着内率55.6%)に対して、ない馬は【0-1-0-5】(3着内率16.7%)と大きな差が表れている。延べ67頭と最多の出走数を誇る56kgは、JRAに限定すると【3-3-2-5】(3着内率61.5%)と信頼度はグッと上がる。ちなみにJRA・56kgで馬券圏外の5頭は、過去4走以内にオープンもしくは重賞で勝ち馬から1秒0以上の差をつけられての敗戦があった。[表3]

[表3]負担重量別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
53kg以下 0 0 0 4 0.0% 0.0% 0.0%
54kg 1 1 0 12 7.1% 14.3% 14.3%
55kg 1 0 1 2 25.0% 25.0% 50.0%
56kg 4 3 4 56 6.0% 10.4% 16.4%
57kg 1 4 1 9 6.7% 33.3% 40.0%
58kg 3 2 4 2 27.3% 45.5% 81.8%

JRAは4~6歳も、地方馬は7歳以上

年齢別の[表4-1]からは3~8歳まで幅広い世代で活躍馬が出ているように見えるが、これをJRAに限定した[表4-2]では、5歳が好成績で次位に4、6歳という構図が浮かび上がってくる。ちなみにJRAの7、8歳の馬券圏内3回のうち2回は、2015年5歳時に1着、16年6歳時に3着があったサウンドトゥルー。4年連続で上位争いを繰り広げ抜群のコース適性を示していただけに、特殊なケースと考えてよさそうだ。その反面で地方馬は7、8歳が3頭ずつ3着以内と活躍。JRAは4~6歳、地方は高齢馬が狙い目。

[表4-1]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 1 1 0 7 11.1% 22.2% 22.2%
4歳 2 3 2 10 11.8% 29.4% 41.2%
5歳 3 2 1 8 21.4% 35.7% 42.9%
6歳 2 2 2 19 8.0% 16.0% 24.0%
7歳 1 1 2 16 5.0% 10.0% 20.0%
8歳 1 1 3 11 6.3% 12.5% 31.3%
9歳以上 0 0 0 14 0.0% 0.0% 0.0%

[表4-2]JRA馬の年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 1 1 0 4 16.7% 33.3% 33.3%
4歳 2 3 2 3 20.0% 50.0% 70.0%
5歳 3 2 1 2 37.5% 62.5% 75.0%
6歳 2 2 2 3 22.2% 44.4% 66.7%
7歳 0 1 0 3 0.0% 25.0% 25.0%
8歳 0 1 1 0 0.0% 50.0% 100.0%

勝つのはこういう馬!

JRAの4~6歳が優勢も近年はJRAから地方に転入した7歳以上が好成績。2020年以降は1番人気の信頼度は高くない。実績上位の負担重量58kgは期待度が高く、2000mでGI/JpnI勝ちがある57kgも信頼できる。

(文・スポーツ報知・浅子祐貴)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】馬インフルエンザ流行の影響により、南関東限定重賞となった2007年を除いたデータとなります。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。