3歳馬も活躍する長距離重賞
9月末~10月上旬の開催で、JRAでは3歳限定のダート重賞が終了。3歳馬は重賞での古馬との戦いが本格化する頃で、当レースも3歳馬と歴戦の古馬が相まみえる。グリムが若さを武器に3、4歳時の2018、19年に、13、14年には古豪エーシンモアオバーが7、8歳でそれぞれ連覇したこともあり、様々な年代の馬が活躍を見せる。ここでは14~23年の過去10回から傾向を見ていく。
2014年以降だけでなく、JRAとの交流として行われた全ての年でJRA馬が勝っている。過去10回で地方馬最先着は2着で2014年サミットストーン(船橋)、17年カツゲキキトキト(愛知)、21年ミューチャリー(船橋)の3頭。いずれも地方を代表する馬だが、当レースでは2着までという点は頭に入れておきたい。JRA馬を詳しく見ると、立地的にも近い栗東所属馬の方が勝率は倍近いが、連対率と3着内率は美浦所属馬と差がない。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA栗東 | 9 | 5 | 7 | 19 | 22.5% | 35.0% | 52.5% |
JRA美浦 | 1 | 2 | 2 | 4 | 11.1% | 33.3% | 55.6% |
船橋 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
愛知 | 0 | 1 | 1 | 9 | 0.0% | 9.1% | 18.2% |
金沢 | 0 | 0 | 0 | 28 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
上記以外 | 0 | 0 | 0 | 22 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1番人気は勝つか4着以下に敗れるか、という極端な結果が続いており、1番人気単体での信頼度は高くはない。しかし、3番人気以内に範囲を広げると7勝、2着7回、3着5回と信頼度はやや高まる。最も人気薄での勝利は2021年メイショウカズサの5番人気で、不良馬場を味方に逃げ切った。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 5 | 0 | 0 | 5 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
2番人気 | 2 | 5 | 1 | 2 | 20.0% | 70.0% | 80.0% |
3番人気 | 0 | 2 | 4 | 4 | 0.0% | 20.0% | 60.0% |
4番人気 | 2 | 2 | 2 | 4 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
5番人気 | 1 | 1 | 3 | 5 | 10.0% | 20.0% | 50.0% |
6番人気以下 | 0 | 0 | 0 | 62 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
年齢別では4歳が4勝と最も勝利を挙げる。次点は2勝の3歳と6歳で、このうち勝率18.2%と好成績を残す3歳馬についてさらに詳しく見てみよう。JRAの3歳馬は過去10回で9頭が出走し5頭が3着以内に入った。そのうち4頭がレパードステークスGIII・2着以内。例外の1頭は2019年3着ノーヴァレンダで全日本2歳優駿JpnI勝ちの実績があった。このように、3歳馬を狙うならまずはレパードステークスGIIIで2着以内、次いで重賞勝ちなど実績のある馬だろう。
古馬であればマーキュリーカップJpnIII・3着以内からの参戦馬。過去10回で11頭が該当し、3勝、2着1回、3着3回で、勝率27.3%、連対率36.4%、3着内率63.6%と好成績を収める。前年に続いて出走してくる馬も少なくないが、18・19年と連覇を果たしたグリムと、14年4着、15年3着のソリタリーキング、16年6着、17年2着のカツゲキキトキト(愛知)を除いてはみな前年より着順を落としている点は留意したい。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
3歳 | 2 | 1 | 2 | 6 | 18.2% | 27.3% | 45.5% |
4歳 | 4 | 2 | 1 | 10 | 23.5% | 35.3% | 41.2% |
5歳 | 0 | 4 | 3 | 21 | 0.0% | 14.3% | 25.0% |
6歳 | 2 | 2 | 2 | 17 | 8.7% | 17.4% | 26.1% |
7歳 | 1 | 0 | 1 | 14 | 6.3% | 6.3% | 12.5% |
8歳 | 1 | 0 | 1 | 7 | 11.1% | 11.1% | 22.2% |
9歳以上 | 0 | 1 | 0 | 7 | 0.0% | 12.5% | 12.5% |
騎手では、川田将雅騎手が過去10回で3回騎乗し3勝と、勝率100%。この中には5番人気で勝利した2021年メイショウカズサも含まれており、人気にかかわらず注目したい存在だ。また、岩田康誠騎手も3回騎乗して2勝、2着1回で、2勝のうち14年エーシンモアオバーは4番人気だった。他に濱中俊騎手も3回騎乗して1~3着が各1回と3着内率は100%で、これらの騎手の参戦があれば一目置きたい。地方なら、地元の吉原寛人騎手が8回騎乗して2着3回と好成績を収める。
3歳ならレパードステークスGIII・2着以内の馬の出走があれば、まずは狙いたい。古馬であれば同年のマーキュリーカップJpnIII・1着馬。過去5回では4頭が出走し、3勝(4着1回)で勝率は75.0%。騎手なら川田将雅騎手、岩田康誠騎手、濱中俊騎手に注目で、人気はあまり気にしなくていいだろう。
(文・大恵陽子)
1着
2着
3着
【注記】馬インフルエンザ流行の影響により、金沢所属馬限定の地方重賞となった2007年を除いたデータとなります。
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。