データ分析 Data Analysis

下半期短距離戦線の皮切り

8月中旬に行われる盛岡ダート1200m戦。今年から上半期の短距離戦線の総決算として6月の浦和・さきたま杯(1400m)がJpnIに格上げされ、JBCスプリントを頂点とする下半期の短距離戦線の皮切りとしての当レースの位置づけが、より明確になった。

近年はJRA勢が圧倒!

JRA所属馬が3着内30頭中23頭。一見地方所属馬も健闘しているように見えるが、岩手の4回は全てラブバレット(2015~18年)1頭によるもので、これは強い馬による特異なケース。特に、近3年はJRA所属馬が1~3着を占めており、まずJRA所属馬を予想の中心と考えるべきだろう。
但し、南関東の3着内2回は、JRA所属時に当レース2着(16年)があったブルドッグボス(17年4番人気1着、20年4番人気3着)であり、北海道の1回は、前年のJRA所属時に同じ盛岡のマイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)2着の実績があるポアゾンブラック(15年3番人気2着)。地方所属馬でも、JRA所属時に高戦歴がある馬には、注意を払いたい。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 9 8 6 24 19.1% 36.2% 48.9%
岩手 0 1 3 44 0.0% 2.1% 8.3%
南関東 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
北海道 0 1 0 12 0.0% 7.7% 7.7%
その他 0 0 0 20 0.0% 0.0% 0.0%

概ね4番人気以上

4番人気までで3着内30頭中27頭を占めており、人気から見るボーダーラインはここ。JRA所属馬で5番人気以下だった馬は12頭いるが、そのうち3着内の活躍をしたのは2021年のサイクロトロン(2着)だけ。JRA勢でも上位人気にならないような馬の活躍は望み薄と言える。但し、1~4番人気の中では大きな差はなく、この範囲内ならチャンスありとみていい。
過去10年で3連単の万馬券は発生しておらず、平均配当は5,223円。穴を狙うよりも、人気馬の組み合わせを慎重に選びたいレースと言える。[表2]

[表2]人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 1 2 3 40.0% 50.0% 70.0%
2番人気 2 3 2 3 20.0% 50.0% 70.0%
3番人気 2 4 2 2 20.0% 60.0% 80.0%
4番人気 2 1 2 5 20.0% 30.0% 50.0%
5番人気 0 1 1 8 0.0% 10.0% 20.0%
6番人気以下 0 0 1 87 0.0% 0.0% 1.1%

4~6歳馬が活躍

まず、3歳馬は苦戦。昨年、兵庫ジュニアグランプリ(JpnII)で2着の成績がある北海道のスペシャルエックスが参戦したものの、7番人気7着。3歳馬ではこれが最高の成績だ。
4歳以上馬では、概ね6歳までが活躍レンジ。7歳以上は2・3着こそあれ1着はなく、3着内率からも7歳以上は割り引いて考えたい。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 0 0 4 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 2 4 3 11 10.0% 30.0% 45.0%
5歳 5 2 1 18 19.2% 26.9% 30.8%
6歳 3 2 2 14 14.3% 23.8% 33.3%
7歳 0 2 1 20 0.0% 8.7% 13.0%
8歳以上 0 0 3 41 0.0% 0.0% 6.8%

重賞好走歴に注目

3着内実績の多くを占めるJRA所属馬について、過去の重賞実績を調べたところ、優勝馬9頭のうち7頭に重賞の勝利経験があった。逆に重賞出走経験がない馬は、サンプル数が少ないとはいえ、例えばその後重賞を3連勝するサンライズホークも重賞初挑戦の昨年、当レースでは9着に敗退しており、重賞経験は当レース活躍のひとつの要件と見ていいだろう。[表4]

[表4]JRA所属馬の重賞実績別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
重賞勝ちあり 7 3 5 13 25.0% 35.7% 53.6%
重賞2・3着あり 1 3 0 2 16.7% 66.7% 66.7%
重賞出走も3着内なし 1 2 0 6 11.1% 33.3% 33.3%
重賞出走なし 0 0 1 3 0.0% 0.0% 25.0%

勝つのはこういう馬!

JRA所属か、JRA時代に高戦歴のある4番人気までの馬。年齢は4~6歳が望ましく、重賞優勝経験があればなお良い。

(文・坂田 博昭)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。