レースの見どころ
レース体系の改革により、牝馬路線は2月にクイーン賞が行われ、4月に兵庫女王盃が新設され、そして例年3月に行われていたエンプレス杯が5月に行われるようになった。4月に行われていたマリーンカップが1800mになって9月に移動したことで、昨年までのローテーションとは変わり、バリエーションが増えた。基本的にはクイーン賞、兵庫女王盃、エンプレス杯を戦ってきたアーテルアストレア、ライオットガール、キャリックアリードが中心になるが、エンプレス杯の1、2着馬は不在。それなら中央の芝に挑戦して結果を残せなかった昨年の2着はスピーディキック、昨年の神奈川記念を牡馬相手に制したヴィブラフォン、ミラクルレジェンドの仔ミラクルティアラ、転入初戦になるドライゼあたりにも十分チャンスがある。流れ、斤量差、コース適性を考えるとかなり混戦模様だ。
デビューが3歳の6月で、そこからも間隔をあけながら使ってダート戦で4勝を挙げている。昨年12月に初めて重賞に挑戦、神奈川記念でヴィブラフォンに敗れはしたが2着を確保し、人気を集めたユティタムには先着。その後大井の外厩に移籍したが、クイーン賞、兵庫女王盃、エンプレス杯でも上位争いに加わっており、エンプレス杯では今回の出走馬の中では最先着の3着。あの時はアーテルアストレアとライオットガールも同じ55キロだったが、今回は両馬より2キロ軽い。神奈川記念で2着に好走した川崎1600mというのもプラス材料となり、ここは重賞初制覇のチャンスだ。
初めて重賞に挑戦した昨年のエンプレス杯では4着までだったが、夏を越して本格化し、レディスプレリュードを制し、JBCレディスクラシックでは強敵相手に3着に善戦、さすがにチャンピオンズCでは通用しなかったが年明けのクイーン賞を制して重賞2勝目。兵庫女王盃はライオットガールに敗れたが、あれは展開のアヤ。エンプレス杯6着は物足りないが、2100mが微妙に長かった印象。今回は逃げ、先行争いが激しくなりそうなので、この馬の差し脚が生きるはず。
3歳の8月に牡馬相手にレパードSを制し、その後は牝馬路線を歩んで昨年11月のクイーン賞、今年4月の兵庫女王盃を制して重賞は3勝。アーテルアストレアとの比較ではほぼ互角の力を持っていると思われる。素軽い先行力があり、兵庫女王盃の走りから小回り向きは明らか。しかし今回は好枠を引いたボヌールバローズ、軽量3歳馬ミチノアンジュ、枠順には恵まれなかったがヴィブラフォンなど快足馬が揃って流れが厳しくなる可能性があり、その点で割り引いたが、差す脚もあるので崩れはない。
昨年の2着馬スピーディキックは、前走中央の芝に挑戦したが力を出し切れず11着に惨敗。その反動があったため休ませたが、その疲れも癒えて仕上げは進んでいる。差し一手の割に川崎コースは得意にしているし、前が遣り合ってくれそうなので流れも向く。逆に流れが厳しくなるのがヴィブラフォン。神奈川記念と同じ舞台ということで期待できるが、大外枠ということで先手は取れそうにない。外から被される心配がなく、力を発揮できる可能性はあるがやはり連下までか。ミラクルティアラは、名牝ミラクルレジェンドの仔ということで血統的な魅力があるし、4歳馬ということで更なる成長が期待できる。重賞は初挑戦になるが、勢いがあるだけに一気に重賞制覇も。ドライゼはデビューから2連勝して挑んだ関東オークスではグランブリッジの5着。その後徐々に力をつけて前々走で3勝クラスを卒業し、前走オープンで9着後大井に移籍。血統的な魅力があり、実力的にも見劣りはしない。仕上げも進んでおりその走りに注目したい。
提供 勝馬 山形宗久
注記
当ページの情報は、7月2日(火)17時現在のものです。
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