JpnIに格上げで注目の一戦
1997年9月にGIIIとして創設され、2005年から春に移動。11年からはJpnIIに格上げされ、今年からはJpnIに。1着賞金は昨年の倍(8000万円)になった。今年からのさきたま杯は春のダート短距離のチャンピオン決定戦。翌週の帝王賞JpnIはダート中長距離の頂上決戦と、トップホースたちに明確な目標ができることになった。まずは、さきたま杯JpnIの傾向を、14~23年の過去10回の結果からみていくことにしたい。
昨年は兵庫のイグナイター、2022年は大井のサルサディオーネと、地方馬が連勝中。なお16年には大井のソルテが勝利している。また、南関東が2着に5頭、3着には4頭入り健闘を見せている。一方のJRAは関東所属馬が出走数は7頭と少ないものの3頭が連対。関西所属馬も3着内率が45.5%と上々の成績を残している。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA関西 | 5 | 4 | 6 | 18 | 15.2% | 27.3% | 45.5% |
JRA関東 | 2 | 1 | 0 | 4 | 28.6% | 42.9% | 42.9% |
大井 | 2 | 0 | 0 | 11 | 15.4% | 15.4% | 15.4% |
浦和 | 0 | 2 | 3 | 19 | 0.0% | 8.3% | 20.8% |
船橋 | 0 | 2 | 1 | 5 | 0.0% | 25.0% | 37.5% |
川崎 | 0 | 1 | 0 | 6 | 0.0% | 14.3% | 14.3% |
上記以外 | 1 | 0 | 0 | 22 | 4.3% | 4.3% | 4.3% |
単勝1番人気の3着内率は70.0%、2番人気は1勝だけだが同80.0%と上々。しかし3~5番人気の信頼度はいまひとつという傾向だ。一方、6番人気以下で勝利を挙げた2頭はいずれも7番人気(2020年ノボバカラと23年イグナイター)。1、2番人気を軸に、6番人気以下も馬券対象として検討の余地はある。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 4 | 2 | 1 | 3 | 40.0% | 60.0% | 70.0% |
2番人気 | 1 | 3 | 4 | 2 | 10.0% | 40.0% | 80.0% |
3番人気 | 1 | 1 | 2 | 6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気 | 1 | 2 | 1 | 6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
6番人気以下 | 2 | 1 | 2 | 60 | 3.1% | 4.6% | 7.7% |
もっとも好成績を挙げているのは、3着内率が55.6%の5歳で、続いて連対率・3着内率が31.8%の6歳となっている。4歳と7歳は3着以内が2頭ずつといまひとつ。一方で、8歳が出走26頭で3着以内が7頭、3着内率26.9%というのは注目できるデータといえる。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
4歳 | 1 | 0 | 1 | 8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
5歳 | 2 | 4 | 4 | 8 | 11.1% | 33.3% | 55.6% |
6歳 | 4 | 3 | 0 | 15 | 18.2% | 31.8% | 31.8% |
7歳 | 1 | 0 | 1 | 17 | 5.3% | 5.3% | 10.5% |
8歳 | 2 | 3 | 2 | 19 | 7.7% | 19.2% | 26.9% |
9歳以上 | 0 | 0 | 2 | 18 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
馬番を内から2頭ずつ区切って成績をまとめてみると、1~6番が良好。7・8番は未勝利となっているが、9・10番は計3勝を挙げている。しかしその外の11・12番からは3着以内がゼロとなっている。[表4]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1・2番 | 2 | 3 | 3 | 12 | 10.0% | 25.0% | 40.0% |
3・4番 | 3 | 2 | 3 | 12 | 15.0% | 25.0% | 40.0% |
5・6番 | 2 | 3 | 1 | 14 | 10.0% | 25.0% | 30.0% |
7・8番 | 0 | 1 | 2 | 17 | 0.0% | 5.0% | 15.0% |
9・10番 | 3 | 1 | 1 | 14 | 15.8% | 21.1% | 26.3% |
11・12番 | 0 | 0 | 0 | 16 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
過去10回中8回で、『同年のダートGI/JpnIに出走していた馬が1頭以上連対』している(対象馬は34頭、2015年は出走なし)。その一覧をさらにチェックすると17年を除き『同年のダートGI/JpnIで3着以下に敗れていた馬([表5]の☆)が1頭だけ連対』という傾向となる。しかしながら今年はJpnIで、出走馬の顔ぶれが今までより豪華になりそう。それでもこの傾向が続くのか、注目してみる手はあるだろう。
年 | 着順 | 馬名 | 該当GI/JpnIと着順 |
14年 | 1着 | ☆ノーザンリバ― | フェブラリーS・4着 |
16年 | 1着 | ソルテ | かしわ記念・2着 |
16年 | 2着 | ☆ベストウォーリア | かしわ記念・3着 |
17年 | 1着 | ☆ホワイトフーガ | フェブラリーS・9着 |
17年 | 2着 | ☆モーニン | かしわ記念・3着 |
19年 | 2着 | ☆サクセスエナジー | フェブラリーS・8着 |
20年 | 2着 | ☆ブルドッグボス | フェブラリーS・13着 |
21年 | 1着 | ☆アルクトス | フェブラリーS・9着 |
21年 | 2着 | エアスピネル | フェブラリーS・2着 |
22年 | 1着 | ☆サルサディオーネ | 川崎記念・9着 |
23年 | 1着 | ☆イグナイター | かしわ記念・7着 |
注記:該当のGI/JpnIが複数ある場合は直近のレースを記載
過去8回の連対馬16頭のうち15頭は、当日の馬体重が500㎏以上(2021年の2着馬だけ479㎏)。浦和競馬場はいわゆる“小回りコース”だが、最近は大型馬が優勢という傾向が顕著になっている点は覚えておきたい。
基本的にはJRAが優勢で5歳または6歳馬に注目したい。馬番別のデータにも注意しておく必要があるだろう。なお、過去に浦和1400mで行われたJpnIは2019年のJBCスプリントが唯一。6番人気のブルドッグボス(浦和)が勝ち、2着に2番人気のコパノキッキング(JRA関西)、3着に11番人気ながらトロヴァオ(大井)が入ったことで、3連単は149万7730円。馬番は5→10→7だった。
(文・浅野靖典)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。