データ分析 Data Analysis

イグナイターの名を高めた出世レース

第1回を地元のリバーセキトバが勝つなど25回の歴史で3頭の地方馬が優勝。小回り1400メートルという地方競馬でレース施行数の多い条件を味方に、3着以内にも地方馬は過去10回で7頭入っている。2022年優勝のイグナイター(兵庫)はこの後、かきつばた記念JpnIIIを連勝し、翌年にはJBCスプリントJpnIを制覇するなど2年連続でNARグランプリ年度代表馬に輝いた。ここでは14年~23年の過去10回のデータを元に分析する。

地方馬も健闘

JRA馬が8勝を挙げるが、地方馬も2勝と活躍している。その2勝はともに兵庫・新子雅司厩舎で2018年エイシンヴァラーと22年イグナイターだった。3着以内に範囲を広げると地方馬は3着5回。15年タガノジンガロ(兵庫)、18年ブルドッグボス(浦和)、21年モジアナアフレイバー(大井)、22年ダノングッド(高知)、23年イグナイターで、ここ3年連続で地方馬が3着以内に入っている。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 7 10 5 24 15.2% 37.0% 47.8%
JRA美浦 1 0 0 1 50.0% 50.0% 50.0%
兵庫 2 0 2 11 13.3% 13.3% 26.7%
高知 0 0 1 32 0.0% 0.0% 3.0%
南関東 0 0 2 3 0.0% 0.0% 40.0%
上記以外 0 0 0 16 0.0% 0.0% 0.0%

1番人気は先行・差しで信頼度アップ

3番人気以内が8勝を挙げる一方、人気薄での勝利もあり、2018年はエイシンヴァラー(兵庫)が9番人気で勝ち、2着・1番人気、3着・2番人気でも3連単は29万640円という波乱の結果だった。なお、1番人気キングズガードは差し脚を伸ばすもクビ差2着。そこで、1番人気馬の過去10回の成績を脚質別に見ると、逃げ(2頭)と追い込み(1頭)はいずれも馬券外。先行は4頭いて3勝、差し3頭はすべて2着だった。小回りコースだが、1番人気でも逃げは不振で、先行・差しの連対率は85.7%と高い。ただ差しは先述の18年のように2着までという傾向がある。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 3 0 4 30.0% 60.0% 60.0%
2番人気 4 3 2 1 40.0% 70.0% 90.0%
3番人気 1 3 1 5 10.0% 40.0% 50.0%
4番人気 0 1 4 5 0.0% 10.0% 50.0%
5番人気 1 0 2 7 10.0% 10.0% 30.0%
6番人気以下 1 0 1 65 1.5% 1.5% 3.0%

近年4・5歳が活躍

年齢別で見ると、4歳と5歳が合わせて7勝とボリュームゾーン。最も高齢で勝ったのは2014年セイクリムズンの8歳だが、6歳時からの3連覇だった。以前はダート界は息の長い活躍を見せる馬が多くいたが、近年は芝同様、若い馬が台頭する潮流にある。当レースも例外ではなく、5年連続で4・5歳馬が勝利を挙げている。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
4歳 3 1 0 9 23.1% 30.8% 30.8%
5歳 4 3 1 7 26.7% 46.7% 53.3%
6歳 1 2 3 18 4.2% 12.5% 25.0%
7歳 1 3 1 20 4.0% 16.0% 20.0%
8歳 1 1 3 11 6.3% 12.5% 31.3%
9歳以上 0 0 2 22 0.0% 0.0% 8.3%

馬場傾向で枠の有利不利が変わる

毎年11~12頭立てで争われている。馬番別では10番のみ馬券に絡んでいないが、それ以外の馬番からは満遍なく上位馬が出ていると言えるだろう。高知は内の砂が深く、かつては「内枠は不利」と言われた時代もあったが、近年は内の砂は深いものの極端な内枠不利は見られない。むしろ、日によっては内枠が有利な日もあり、イグナイター(兵庫)が勝った2022年がまさにそう。3番から勝利を手にし、3着ダノングッド(高知)も1番だった。一方で、外目の枠ばかりで決着する年もあり、21年の1~3着は7番より外だった。黒船賞JpnIII自体としては枠の有利不利は少ないが、当日の馬場傾向によって左右されそうだ。[表4]

[表4]馬番別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
2番 0 1 1 8 0.0% 10.0% 20.0%
3番 2 1 1 6 20.0% 30.0% 40.0%
4番 3 0 0 7 30.0% 30.0% 30.0%
5番 1 0 3 6 10.0% 10.0% 40.0%
6番 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
7番 0 2 0 8 0.0% 20.0% 20.0%
8番 0 1 1 8 0.0% 10.0% 20.0%
9番 0 1 2 6 0.0% 11.1% 33.3%
10番 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%
11番 1 2 0 7 10.0% 30.0% 30.0%
12番 1 1 0 6 12.5% 25.0% 25.0%

勝つのはこういう馬!

4・5歳のJRA馬、特に栗東所属馬が圧倒的。この条件では、勝率41.7%、連対率75.0%でかなり候補を絞れる。また、勝ち馬はすべて450kg以上の馬体重で、中でも7頭が500kg以上。高知の深くてタフな馬場をこなすには馬格がある方が望ましい。 地方馬を狙うなら、ダートグレード3着以内か選考競走の黒潮スプリンターズカップなどで高知の馬場を経験していることが絶対条件だ。

(文・大恵陽子)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】2008年は施行なし、11年は競走取り止め。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。