データ分析 Data Analysis

タフなコースで砂の女王決定戦

JBC創設11年目の2011年に創設。牝馬のダートグレード競走では唯一のJpnIで、大井開催の17年にララベル(大井)が地方馬として初制覇を成し遂げている。盛岡では14年に続き2度目の実施。そのときサンビスタがマークした1分49秒3(重)が、8年を経た現在でも盛岡ダート1800mのコースレコードである。ここでは中央開催だった18年を除く11年~21年の過去10回の結果から傾向を探っていく。

JRA関西が7勝も、2・3着ではJRA関東も健闘

JRA関西が強いが、JRA関東が2勝、2着4回、3着1回とクラシック、スプリントと比べ健闘している点に注目。これは古馬牝馬のダートグレード競走(競馬場持ち回りのJBCを除く)7レースすべてが東日本の競馬場で行われていることが影響しているのかもしれない。なお、地方馬の馬券絡みも古馬牝馬のダートグレード競走が行われている南関東と北海道所属となっている。[表1]

[表1]所属別成績(地方開催時の過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 7 5 6 21 17.9% 30.8% 46.2%
JRA関東 2 4 1 11 11.1% 33.3% 38.9%
南関東 1 1 2 44 2.1% 4.2% 8.3%
北海道 0 0 1 1 0.0% 0.0% 50.0%
その他 0 0 0 28 0.0% 0.0% 0.0%

1番人気が堅実で荒れにくい

1番人気は4勝、2着2回、3着3回。4勝は心もとないが、3着内率90.0%ならひとまず信頼できる。2017年ララベル(大井)が5番人気で勝ったが、JRAの1着は1~4番人気。6番人気以下が2~3着に5頭入っており、うち3頭は地方馬だった。人気3頭で決まったのは前回14年の盛岡を含む3回だけだが、1番人気が堅調なため、地方馬が1着と3着に入り5→4→8番人気での決着だった17年(134万540円)を除けば、3連単では16年の1万7100円が最高。波乱は起きづらい。[表2]

[表2]単勝人気別成績(地方開催時の過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 2 3 1 40.0% 60.0% 90.0%
2番人気 3 2 0 5 30.0% 50.0% 50.0%
3番人気 1 2 2 5 10.0% 30.0% 50.0%
4番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
5番人気 1 1 0 8 10.0% 20.0% 20.0%
6番人気以下 0 1 4 80 0.0% 1.2% 5.9%

5歳が6勝と好成績

6勝、2着2回、3着5回の5歳が勝率、連対率、3着内率ともトップ。地方所属として唯一の勝ち馬ララベル(大井)も5歳だった。2着と3着の合計では4歳が上回っており、4歳、5歳で3着以内馬30頭中23頭を占めている。繁殖入りが待っている牝馬だけに、高齢馬の出走は少なく、7歳はJRA馬でも4着2回が最高と成績はよくない。[表3]

[表3]年齢別成績(地方開催時の過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 1 0 1 17 5.3% 5.3% 10.5%
4歳 2 6 2 32 4.8% 19.0% 23.8%
5歳 6 2 5 25 15.8% 21.1% 34.2%
6歳 1 2 2 21 3.8% 11.5% 19.2%
7歳 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%

レディスプレリュード連対馬が6勝と活躍

JBC直近に実施される牝馬のダートグレード競走・レディスプレリュードJpnIIが有力ステップ。3着以内馬30頭中19頭が同レース組で、1着、2着からの臨戦が抜けて好成績となっている。4着以下から馬券絡みした4頭中3頭が地方馬。他路線では、ブリーダーズゴールドカップJpnIIIなどの牝馬限定戦だけでなく、その年に牡馬相手のダートグレード競走で馬券絡みしていれば有力。かつては前走が芝やJRAの条件クラスだった馬の好走もあったが、19年以降はない。[表4]

[表4]同年のレディスプレリュード着順別成績(地方開催時の過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
レディスP1着 3 1 2 2 37.5% 50.0% 75.0%
レディスP2着 3 3 2 1 33.3% 66.7% 88.9%
レディスP3着 1 0 0 3 25.0% 25.0% 25.0%
レディスP4着以下 1 1 2 34 2.6% 5.3% 10.5%

勝つのはこういう馬!

盛岡1800mは直線の坂の登り始めに発走地点があり序盤のペースは上がりにくい。ただ逃げたい馬がスタートで脚を使うと、最後の直線では再度の坂に失速するケースは見られる。前回2014年の盛岡JBCレディスクラシック1着馬の各コーナーでの位置取りは(4-6-5-4)。好位で運んで好走実績がある馬が狙い。それが同年のレディスプレリュードJpnIIで連対している5歳馬であれば申し分ない。

(栗田 勇人)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。