平和賞
 

2008年10月22日(水) 船橋競馬場 1600m

 

ホッカイドウ勢のワンツー、ゴールドヘイロー産駒が連勝

 
 未来優駿の第3弾は、南関東・船橋の平和賞。シーズン終盤のホッカイドウ競馬は未来優駿に組み込まれるレースがなかったが、この平和賞には5頭が遠征してきた。
 重賞タイトルのある馬が、前走サンライズカップを制したチョットゴメンナのみというメンバー構成。ただ、この馬とてホッカイドウ競馬では抜けた存在というわけではなく、それゆえに地元南関東勢に人気が集まった。
 しかし結果は、今年の2歳馬もホッカイドウ勢がレベルの高さをアピールするものとなった。
 マルハチゲティがスタートでフライング。“カンパイ”となり、波乱ムードが漂った。さらに仕切り直しのスタートではテイケイドラゴンの騎手が落馬。ますます波乱の様相となった。
 イケノナインが大外からハナを主張し、チョットゴメンナが併走するように2番手、差なくサプライズゲストが続き、ホッカイドウ勢がレースを引っぱる展開。前2頭の競り合いは直線まで続き、終始わずかの差で追う位置にいたチョットゴメンナがゴール前でクビ差で抜け出し勝利。外から地元船橋のシュバレスクが豪快な追い込みを見せたものの、イケノナインが粘って2着。北海道から遠征組のワンツーフィニッシュとなった。
 この時期の2歳馬が北海道から長距離輸送をしてきて結果を残すのだから、力の差は着差以上にあったということだろう。
 「まさか乗せてもらえるとは思ってなかったのですが、勝ててよかったです」と、ホッとした表情だったのは、主戦の宮崎光行騎手が病気のため急遽乗替りとなった今野忠成騎手。
 堂山芳則調教師は「過去に何度かこのレースに挑戦して、ようやく結果を出すことができてうれしい」と喜びの表情。全日本2歳優駿JpnIの優先出走権を獲得したが、「一旦北海道に戻して、全日本2歳優駿は今のところ考えていません」と。南関東への長距離輸送は、やはりそれだけ馬に負担がかかるのだろう。次走は水沢の南部駒賞になるようだ。
 チョットゴメンナの父ゴールドヘイローにとっては、荒尾・九州ジュニアグランプリのギオンゴールドに続いての未来優駿連勝。今シーズンのホッカイドウ競馬2歳戦線で多くの勝ち馬を出している注目の種牡馬だが、その勢いは全国に波及しているようだ。

取材・文:斎藤修
写真:いちかんぽ

 
今野忠成騎手
 2回目(のスタート)が不安だったんですが、うまく出てくれました。遊ぶところがある馬とのことで、気を緩めないように乗りました。馬込みでも我慢できるようになれば、さらに強くなると思います。 
 
堂山芳則調教師
 重賞を2連勝できるとは思ってなかったです。飼い食いも落ちることなく、輸送もうまくいきました。しぶといところがあるので、4コーナーを回ったときは、だいたいいけるかなと思いました。距離は気性的にも長いほうがいいでしょう。