九州ジュニアグランプリ
 

2008年10月20日(月) 荒尾競馬場 1500m

 

2番手から抜け出し5連勝、コースレコードで九州制圧

 
 未来優駿の第2弾として行われた荒尾の九州ジュニアグランプリ。昨年より賞金が大幅にアップしたこともあってか、佐賀から有力3頭が遠征してきた。
 その佐賀勢の1頭、ミライキングがスタートでつまづいた。馬の鼻面が地面についたかというほどバランスを崩して後方からの苦しい展開。しかしやはりと言おうか、レースの主導権を握ったのは、あとの佐賀勢2頭だった。果敢にハナに立ったのはアビンニャーで、断然人気のギオンゴールドは2番手を追走。ギオンゴールドが3コーナーで前のアビンニャーをとらえるにかかると、この2頭と後続との差は一気に広がった。佐賀勢2頭による馬体を併せての叩き合いは直線まで続いたが、最後はギオンゴールドが2馬身半突き放し、コースレコードでの圧勝。
 中団から直線ラチ沿いを伸びてきたリバーインバウンドが3着に入り、地元荒尾の意地を見せた。しかし、2着のアビンニャーからは8馬身もの差をつけられていた。
 
 ここまで圧倒的な強さで勝ち進んできたギオンゴールドは、これでデビューから負けなしの5連勝。スタートで後手を踏んだミライキングにとっては残念なレースとなったが、ギオンゴールドはひとまず九州地区の2歳チャンピオンとして名乗りを挙げた。あらためて地元佐賀に戻り、11月23日の九州ジュニアチャンピオンでさらなるタイトル奪取を目指すことになる。
 ところで九日俊光調教師が強調していたのは、レースのことよりも「馬の顔、見てよ。北海道にハートの馬がいるけど、これも同じゴールドヘイローの産駒で、扇のマークなんだ。きれいでしょ」と。
 なるほど、扇の要のところにちゃんと紐までついている。そしてその扇の下には1本のきれいな流星。調べてみると、ハートのマサノウイズキッドも、扇のギオンゴールドも、なんと、同じ日高町の道見牧場の生産馬。
 北のマサノウイズキッドも中央の芝では惜敗したものの、地方では3戦負けなし。南のギオンゴールドも5戦全勝。
 注目を集める2歳馬の未来が楽しみになった。

取材・文:斎藤修
写真:いちかんぽ

 
倉富隆一郎騎手
 理想どおりの展開でした。アビンニャーに並びかけたときは、いつでも交わせる状態で、大丈夫だろうという感じでした。あとは、ササる癖があるのでそれだけ注意しました。いい馬に乗せてもらって感謝しています。 
 
九日俊光調教師
 佐賀の3頭が前に行くとは思っていましたが、2番手は理想的な位置取りでした。競り合いになったときはがんばってくれるだろうと思って見ていました。馬の様子を見て、今年は佐賀の九州ジュニアチャンピオン一本で行く予定です。