ダービーウイーク タイトル
 本年11月24日および25日にJRA東京競馬場で実施される第26回ワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)には、地方競馬から代表騎手1名が参加しますが、この出場権を地方競馬トップジョッキーが競う「ワールドスーパージョッキーズシリーズ地方競馬代表騎手選定競走」の呼称です。下記に示しました、SJT本戦(第1ステージ、第2ステージ)の4レースにおける着順に応じた得点の合計により、WSJSの(※)地方競馬代表騎手(第2位の者が補欠騎手)が選ばれます。
 また、本年からSJT本戦に先がけて、各地方競馬場リーディング2位(南関東地区は5位)の騎手等による、本戦への出場を懸けた『SJTワイルドカード』が実施されます。
 ※ 地方競馬代表騎手については、10月25日(木)までに地方競馬全国協会から代表騎手1名、補欠騎手1名を日本中央競馬会に推薦し、同会が決定します。
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普段どおり冷静な騎乗が光る
WSJSへ1/14の可能性を掴む

 世界の名手たちの腕比べ、ワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)で地方騎手に与えられる出場枠はたった1つ。その1人の枠を争うスーパージョッキーズトライアル(SJT)には、各地の勝利数リーディング1位の騎手(8月31日現在、南関東は上位4名)計14名が出場騎手として選ばれる。しかし残念ながら昨年限りで荒尾競馬が廃止となり、その空いた1枠を決めるレースとして、今年からSJTワイルドカードが新設された。
 高知競馬場で行われることになったSJTワイルドカードは、各地の勝利数2位(8月31日現在、南関東は5位)の10名に加え、委員会より推薦された選定騎手2名を加えた12名が出場。2レースのポイント制で、SJT出場をかけて争われた。
 ワイルドカードとはいえ、01年のWSJSに出場して優勝経験のある鮫島克也騎手(佐賀)、そして昨年総合2位となった吉原寛人騎手(金沢)がいるという豪華メンバー。また兵庫の田中学騎手にとっては、父の田中道夫元騎手(現調教師・89、91年にWSJS出場)と父子でのWSJS出場という可能性もある。
 高知・夜さ恋ナイターで行われたワイルドカード第1戦ブロンズサドル賞は、4頭ほどが競り合ってハイペースとなった。同じ高知で行われる全日本新人王争覇戦などは、まだ経験の浅い騎手同士なだけにオーバーペースになることはよくあるが、トップジョッキー同士のレースでも、先の先にWSJSの地方代表という目標があるだけに、激しいレースとなったのかもしれない。しかしその4頭の中でも好判断だったのが、2番人気のシーチャパラルに騎乗した岡田祥嗣騎手(福山)だ。1コーナー手前でスッと控えて4番手。4コーナーを回るところで逃げていた吉原騎手のニシノアンブレをとらえると、直線では独走となった。7馬身離れた2着には中団よりうしろを追走していた齋藤雄一騎手(岩手)のインヴァネス、3着にはやや離れた5番手を追走した柿原翔騎手(愛知)のリュウノクラウンが入るという、やはり前崩れの流れだった。
 第2戦ブロンズホイップ賞は、逃げた永森大智騎手(高知)のキュートアイに、2番手を追走した藤田弘治騎手(金沢)のマイニングゴールドが3コーナーで並びかけ、3番手以下を離して2頭の一騎打ち。直線半ばから藤田騎手がじわじわと前に出て、永森騎手は1馬身半差の2着。3着には坂井英光騎手(大井)のボーマタンが入り、第1戦を制していた岡田騎手のミリッシュは積極的に3番手を追走したが、向正面から追い通しでなんとか4着を確保した。
 この結果、SJTへの出場権を獲得したのは、1着、4着で31ポイントの岡田騎手。惜しかったのはメンバー中最年少の永森騎手で、第2戦は単勝1番人気に支持されていただけに、そこを勝つか、または岡田騎手が7着以下であれば逆転優勝だった。「(第2戦は)逃げることが持ち味で、あの馬のペースで行けたんで、やれたかなと思ったんですけど、最後は脚が上がってしまって……」と、永森騎手は悔しい思いを語った。
 優勝した岡田騎手は、「(第1戦は)好位につければいいレースをしてくれると聞いていたので、そのとおりのレースができました。馬にも恵まれましたが、普段どおりです。それ以上のものは出せないし、持ち合わせてもいないので」という冷静な騎乗で、WSJSに向けた1/14の可能性を掴んだ。
 10月5日に大井競馬場で行われるSJT第1ステージで14名のジョッキーが12名に絞られ、そして19日に佐賀競馬場で行われるSJT第2ステージで、WSJS地方代表騎手の座を争うことになる。
ワイルドカード
優勝

岡田祥嗣騎手
(第2戦は)とにかく1つでも前でゴールすればチャンスがあると思って乗っていました。福山リーディングの三村(展久)君と(SJTに)参戦できるので、どちらかが本戦(WSJS)に出て、福山競馬をアピールできればと思います。高知ではたくさん騎乗機会をいただいて乗り慣れていたので、それもよかったです。
ワイルドカード
2位
永森大智騎手
優勝したかったですけど、すごい騎手の方々とレースができたのは、いい経験になりました。乗り慣れている競馬場で、自分の馬だけでなく、ほかの馬のこともわかってるんで、その点は有利でした。来年は、できれば直接(SJTに)出たいんですけど、上がひとり(赤岡修次騎手)いるので……。またせめて2位でここに出たいです。
ワイルドカード
3位
藤田弘治騎手
(エキストラレースでも勝利してこの日3戦2勝は)いい馬に乗せてもらえたので、ありがたく思っています。高知は初めてで、ナイターは気になりませんでしたが、コースの内はどのあたりまで走っていいのか、それを考えて乗っていました。もうちょっと金沢をアピールできたらよかったんですけど、またがんばります。