
レースの見どころ
浦和記念はここ9年連続で中央馬が優勝しているが、10年前はハッピースプリント、サミットストーンと南関東馬の1、2着で決着している。2着なら2017年のヒガシウィルウィン、2021年のタービランス、昨年のライトウォーリアなど地方馬の活躍が見られる。3歳馬は2016年のケイティブレイブ、2020年のダノンファラオが優勝しており、2着は前述した2017年のヒガシウィルウィン、2018年のグリム、2023年のミトノオーと活躍している。古くはヴァーミリアンや、スマートファルコンも3歳でこのレースを制している。中央馬が優勢なのは確かだが、地方馬にもチャンスが十分あり、3歳馬でも勝負になるレース。ここをステップに東京大賞典や川崎記念、またはサウジカップやドバイワールドカップに挑戦など夢が繋がるレースともいえる。実績的にはクラウンプライド、デルマソトガケ。勢いがあるのはロードクロンヌ、ホウオウルーレット、マルカンラニ、スレイマン。そこに3歳馬ナイトオブファイアも加わり面白いレースになりそうだ。

3歳の2月デビューで、芝で5戦して結果を残せなかったが、ダート戦に切り替えて未勝利を脱したのは8月。そこから4戦勝してオープン入りし、マーチS3着、平安S2着、エルムS2着、みやこS3着と勝ち切れないが安定した成績を残している。浦和コースは初めてになるが、前々で流れに乗れるタイプでコースは向くと思われる。外枠を引いたので内の先行馬の動向を見ながら競馬ができるし、ここ一連の走りから重賞で通用するのは証明済み。別定戦で斤量面の不利はないし、ここは重賞制覇のチャンスだ。

ここまで国内の重賞は2024年のマーキュリーカップのみだが、2022年の盛岡JBCクラシック、チャンピオンズカップ、2023年の帝王賞で2着がある実力馬。3歳時にはUAEダービーを制し、2023、24年とコリアカップを連覇と海外で重賞3勝。今年は未勝利だが、2走前のマーキュリーカップは結果的には差されてしまったが、早め先頭から渋太い競馬ができていた。前走のマイルチャンピオンシップ南部杯は距離不足で流れが合わなかったと見れば、浦和2000mで巻き返してくる可能性は高い。

血統的には半姉にジェンティルドンナやドナウブルーがいて、従兄にロジャーバローズと芝向きなのだが、本馬はダートの中距離戦を中心に使って6勝を挙げている。オープン特別で1勝したのみだが、昨年アンタレスS、プロキオンS、テレ玉杯オーバルスプリントで2着があった。転入前の成績はもうひとつだったが、転入初戦の埼玉新聞栄冠賞を快勝し、復活をアピール。前走を叩いたことで状態面の上積みがあるし、浦和2000mで厳しい流れを克服して勝ったことが今回に繋がるはず。相手強化は明らかだが、ここで勝負になる。

マルカンラニは、新馬戦こそ6着に敗れたが、その後11勝。大事に使われて東京記念を制するまでに成長した。その東京記念は強い勝ちっぷりで、まだ底を見せていないだけに面白い。初コース、初めての輸送競馬と初物尽くしだがそれを克服してここで勝ち負けできる器だ。ホウオウルーレットは、6歳にして前走のシリウスSが重賞初制覇。オメガパフュームの半弟だが、こちらは大器晩成タイプ。追い込み一手だけに小回りコース克服が鍵を握るが、流れが向くようならまとめて差し切れる末脚がある。3歳馬ナイトオブファイアは、ちょっとムラな面はあるが、京浜盃3着、羽田盃2着は伊達ではない。別定戦で54キロとアドバンテージがあるし、戸塚記念の勝ちっぷりから左回りに不安はない。斤量差を生かして上位争いは可能。デルマソトガケは不振続きだが、2023年のBCクラシック2着があった実力馬。まだ5歳で年齢的な衰えはないはず。目覚めればここで勝ち負けできるはずだ。
提供 勝馬 山形 宗久
注記
当ページの情報は、11月25日(火)17時現在のものです。
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