データ分析 Data Analysis

東京大賞典にもつながる重賞

浦和記念JpnIIは1996年からJRAとの交流競走として実施され、2002年からは日程が11月下旬から12月初めまでに固定。ここから年末の東京大賞典GIに向かうことも可能だ。また、名古屋大賞典JpnIIIや年明けの佐賀記念JpnIIIなどにもつながっていく。今後に向けて重要な位置づけにある重賞の傾向を、15~24年の過去10回の結果から見ていくことにする。

上位人気が中心でも特徴あり

勝ち馬はすべて単勝5番人気以内。ただ、1番人気馬の3着内率は60.0%で、2番人気馬も同50.0%という数字はいまひとつ。逆に3番人気馬は1勝だけだが、2着が5回もある。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 2 2 4 20.0% 40.0% 60.0%
2番人気 3 1 1 5 30.0% 40.0% 50.0%
3番人気 1 5 1 3 10.0% 60.0% 70.0%
4番人気 2 1 3 4 20.0% 30.0% 60.0%
5番人気 2 0 1 7 20.0% 20.0% 30.0%
6番人気以下 0 1 2 56 0.0% 1.7% 5.1%

注:失格(18年・6番人気)は4着以下に含む。ほか競走中止2頭

JRA関西馬が好成績

優勝馬のうち8頭は、JRAの関西所属。関東所属の勝利は2017年のマイネルバサラが最後で、地方馬は15年のハッピースプリント(大井)以降、勝利を挙げられていないが、2着には昨年のライトウォーリア(川崎)など4頭が入っている。[表2]

[表2]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 8 4 8 15 22.9% 34.3% 57.1%
JRA関東 1 2 1 5 11.1% 33.3% 44.4%
大井 1 0 1 7 11.1% 11.1% 22.2%
船橋 0 2 0 10 0.0% 16.7% 16.7%
浦和 0 1 0 22 0.0% 4.3% 4.3%
川崎 0 1 0 3 0.0% 25.0% 25.0%
上記以外 0 0 0 17 0.0% 0.0% 0.0%

注:失格(18年・浦和)は4着以下に含む。ほか競走中止2頭

基本的には若い世代が優勢

3歳馬が2勝、2着3回。4歳馬は5勝、2着2回で、3着内率はそれぞれ50.0%となっている。それより上の年代では、5歳馬がいまひとつという点が気になるところだ(唯一の勝利は、2023年のディクテオン)。また、7歳以上は2、3着はあるものの、勝ち星はゼロ。ただし11~13年に、7歳馬が3連勝したことを書き添えておく。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 2 3 0 5 20.0% 50.0% 50.0%
4歳 5 2 2 9 27.8% 38.9% 50.0%
5歳 1 1 4 13 5.3% 10.5% 31.6%
6歳 2 1 1 14 11.1% 16.7% 22.2%
7歳 0 2 0 20 0.0% 9.1% 9.1%
8歳 0 1 3 8 0.0% 8.3% 33.3%
9歳以上 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%

注:失格(18年・7歳)は4着以下に含む。ほか競走中止2頭

前走地方のDG組が優勢

前走別に成績をまとめると、前走がJBC競走(JRA京都開催だった2018年を含む)だった馬が好成績。JBCを除く地方競馬のダートグレードから臨んで3着以内に入った10頭の内訳は、白山大賞典JpnIIIが1~3着各2回で、日本テレビ盃JpnIIが2着2回。川崎記念JpnIの1勝は19年ケイティブレイブで、ドバイワールドカップGIを出走取消明け。残る1頭は17年2着のヒガシウィルウィン(船橋)で、前走がジャパンダートダービーJpnI(現ジャパンダートクラシックJpnI)だった。
なお、その他から臨んで3着以内に入ったのは、昨年2着のライトウォーリア(川崎)で、前走が海外のレースだった。[表4]

[表4]前走別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JBC競走 4 2 3 10 21.1% 31.6% 47.4%
地方のDG(JBC除く) 3 5 2 12 13.6% 36.4% 45.5%
地方限定のダート重賞 0 1 1 25 0.0% 3.7% 7.4%
JRAのダート 3 1 4 12 15.0% 20.0% 40.0%
その他 0 1 0 20 0.0% 4.8% 4.8%

注:失格(18年・地方限定のダート重賞)は4着以下に含む。ほか競走中止2頭

勝つのはこういう馬!

JRA関西所属で単勝5番人気以内。ただし、3番人気馬は過去10年で1勝(2020年のカフェファラオ)という点は割引材料として考えられる。年齢は3歳と4歳が中心。JBC出走馬が中2週で参戦するようなら、勝負気配があると考えてもいいのかもしれない。

(文・浅野 靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。