
レースの見どころ
米国のブリーダーズカップを模範として創設されたJBC競走だが、今年で25回目を迎え、第10回以来の船橋競馬場での開催となった。前回船橋で行われた時のJBCクラシック優勝馬がスマートファルコンで、2着馬が地元船橋のフリオーソ。スマートファルコンは父としてJBCクラシックにシャマルを送り出し、フリオーソはJBCスプリントにクロジシジョーを送り出して競走馬としてだけではなく、種牡馬としても活躍(フリオーソは種牡馬引退)している。今年の注目はレベルの高い4歳世代ではないか。その筆頭がミッキーファイト。他にもサントノーレ、サンライズジパングと素質馬が揃っている。昨年の佐賀JBCクラシックの覇者ウィルソンテソーロは連覇を狙ってマイルチャンピオンシップ南部杯を制しての参戦。一昨年大井JBCクラシックの覇者キングズソード、JBCクラシックの優勝はないが帝王賞など数々の優勝があるメイショウハリオも参戦とハイレベルの戦いが予想される。

ここまで9戦6勝2着1回3着2回の成績で、6勝中4勝が重賞。初めての地方ダート挑戦となった昨年のジャパンダートクラシックは、抜け出したフォーエバーヤングに直線迫ってコンマ2秒差の2着。名古屋大賞典ではノットゥルノを降し、フェブラリーSでは伸び切れず3着に終わったが、アンタレスSは完勝の内容。前走の帝王賞ではヒーローコールが作った速い流れの中、2番手から早め先頭に立って押し切り、着差以上に強い内容でJpnⅠを制覇。それ以来の競馬となるが、乗り込みは十分でまだ4歳なので夏を越して更なる成長も期待できる。血統的には母系を辿ればエアグルーヴに辿り着き、半兄はチャンピオンズCを制したジュンライトボルト。ブリーダーズカップクラシックを制したフォーエバーヤングが不在なら負けられないところ。

未勝利を脱したのが3歳の8月ではあるが、そこから力をつけて翌年はかきつばた記念、マーキュリーカップ、白山大賞典と3連勝するまでに成長。その後は昨年の佐賀JBCクラシックと前走のマイルチャンピオンシップ南部杯を勝ったのみだが、東京大賞典で2回、チャンピオンズCで2回、帝王賞で1回2着がある。勝ち味に遅いが走りは堅実で、コリアカップで2着など海外遠征でも力を発揮し、環境の変化に動じないタイプ。であるから初コースを気にすることはないし、昨年に続いてのJBCクラシック連覇の可能性はある。

2歳時に門別から遠征して鎌倉記念を制し、全日本2歳優駿では離されはしたがフォーエバーヤングの3着。大井転入初戦の雲取賞はブルーサン、アマンテビアンコには敗れたが3着を確保。そこから挑んだ京浜盃ではアンモシエラに7馬身差をつけて圧勝したが、故障により離脱。復帰戦の戸塚記念を快勝したがジャパンダートクラシックでは7着に敗れた。その後休養し、初戦のかきつばた記念こそ結果を残せなかったが、短夜賞(オープン特別)、フリオーソレジェンドカップと連勝して勢いがある。単純に比較はできないが、フォーエバーヤングが勝った日本テレビ盃の勝ち時計が1分52秒2で、サントノーレのフリオーソレジェンドカップの勝ち時計が1分51秒1。馬場の差はあるにせよ優秀なタイムだ。

サンライズジパングは、2歳時にJBC2歳優駿でフォーエバーヤングの2着はあるが、芝でもホープフルS3着、若駒S優勝など結果を残していて日本ダービーまでは芝のクラシック路線を歩んだ。ダート路線に戻った初戦の不来方賞を制し、挑んだジャパンダートクラシックが3着。その後はみやこSと名古屋グランプリを制しているが、川崎記念3着、マイルチャンピオンシップ南部杯4着とJpnⅠ優勝には届かず。フェブラリーSではミッキーファイトに先着の実績があり、ここで勝負になる器。キングズソードは長期休養明けの日本テレビ盃では4着までだったが、その反動は見られない。一昨年の大井JBCクラシック、昨年の帝王賞を制している実力馬、一変に期待する手も。シャマルはこの距離がどうかだが、かしわ記念を連覇しているようにコース適性は抜群。馬場が渋るようなら面白い。メイショウハリオは帝王賞3度目の優勝を狙った前走が競走除外に。休み明けの分当日の気配次第だが、鉄砲実績はあるだけに注意したい。
提供 勝馬 山形 宗久
注記
当ページの情報は、11月2日(日)17時現在のものです。
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