データ分析 Data Analysis

秋に行われる3歳ダート王決定戦

1999年にジャパンダートダービーGIとして創設され、7月初旬に実施されていた3歳ダート王決定戦が、昨年からジャパンダートクラシックJpnIとして10月初旬に日程変更。その“初代王者”に輝いたのはフォーエバーヤング。サウジアラビアとUAEでダービーを制し、ケンタッキーダービーG1での僅差3着から臨んできた。今年の期待馬といえば、羽田盃JpnIと東京ダービーJpnIを完勝したナチュラルライズ。夏を越しての成長度にも注目したい一戦といえる。その大一番の傾向を、ジャパンダートダービーだった時期を含めた過去10回(2015~24年)を対象にみていく。

人気薄の台頭にも要注意

単勝1番人気は4勝で、成績としてはいまひとつ。勝った4頭の単勝オッズは2.2倍以下だった。2番人気は1~3着各1回。3番人気は未勝利でも2着と3着が各3回ある点は、覚えておきたい。ちなみに、5番人気以下が挙げた3勝は、2017年ヒガシウィルウィン(船橋・5番人気)、20年ダノンファラオ(JRA・6番人気)、21年キャッスルトップ(船橋・12番人気)だ。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 1 2 3 40.0% 50.0% 70.0%
2番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
3番人気 0 3 3 4 0% 30.0% 60.0%
4番人気 2 4 1 3 20.0% 60.0% 70.0%
5番人気 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
6・7番人気 1 1 1 17 5.0% 10.0% 15.0%
8番人気以下 1 0 1 61 1.6% 1.6% 3.2%

JRA関西馬が優勢

前項で単勝5番人気と12番人気で勝利した船橋所属馬の名を出したが、基本的にはJRA馬が優勢。そして関東所属よりも関西所属のほうが好成績を残している。また、2着はすべてJRA馬となっている。[表2]

[表2]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 5 7 6 24 11.9% 28.6% 42.9%
JRA関東 2 3 2 19 7.7% 19.2% 26.9%
船橋 2 0 1 14 11.8% 11.8% 17.6%
大井 1 0 0 23 4.2% 4.2% 4.2%
浦和 0 0 1 3 0.0% 0.0% 25.0%
川崎 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%
上記以外 0 0 0 18 0% 0.0% 0.0%

前走の馬体重別成績に偏りあり

前走の馬体重別に成績をまとめてみると、好成績を残しているのが『441~460㎏』と『481~500㎏』のエリア。間にはさまれた『461~480㎏』はいまひとつの数字になっている。501㎏以上は10㎏刻みにしたが、そのなかで注目できるのは『501~510㎏』の苦戦傾向。逆に511㎏以上は上々の成績を残している。[表3]

[表3]前走の馬体重別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
440kg以下 0 0 0 5 0.0% 0.0% 0.0%
441~460㎏ 3 2 1 9 20.0% 33.3% 40.0%
461~480㎏ 1 1 3 25 3.3% 6.7% 16.7%
481~500㎏ 2 5 2 27 5.6% 19.4% 25.0%
501~510㎏ 0 0 1 10 0.0% 0.0% 9.1%
511~520㎏ 2 0 1 11 14.3% 14.3% 21.4%
521㎏以上 2 2 2 16 9.1% 18.2% 27.3%

注:前走が海外の場合は国内での前走体重

馬番別の成績をチェック

大井2000mで実施されている一戦。砂が入れ替えられるなどの変化もあるが、過去10回を通しての傾向を調べた。その結果、2勝を挙げている馬番は1、9、12。1番で勝利を挙げた2頭は、2018年ルヴァンスレーヴと昨年のフォーエバーヤングでともに単勝1番人気。それを考えると、内枠よりは外枠のほうが優勢と考えていいだろう。実際、過去10回で1、2着馬がともに内枠(1~5番)だったことはない。[表4]

[表4]馬番別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1~5番(内枠) 3 1 3 42 6.1% 8.2% 14.3%
6~10番(中枠) 4 4 5 37 8.0% 16.0% 26.0%
11~15番(外枠) 3 5 2 24 8.8% 23.5% 29.4%

勝つのはこういう馬!

単勝3番人気を除く上位人気馬で、優勢なのはJRAの関西所属。前走時の馬体重が511㎏以上であれば、なお頼もしい。馬番はなるべく大きいほうが望ましい。今年羽田盃JpnIと東京ダービーJpnIを制したナチュラルライズはJRA関東所属で前走(東京ダービー)時の馬体重が499㎏。データとしてのマイナス材料はあまりない。

(文・浅野 靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。