レースの見どころ
昨年より船橋・マリーンカップが3歳牝馬限定戦になったこともありJBCレディスクラシックへのステップは3歳・古馬が分散されるかたちとなったが、その昨年はマリーンカップをステップに本番で上位に好走したアンモシエラとテンカジョウの2頭は、今年はここを秋の始動戦として迎えることとなった。この2頭と同世代のタクシンイメル・バスタードサフランはダートG初挑戦でどのような走りをみせるか。芝路線から転向のビヨンドザヴァレー、南関東からは7月にスパーキングレディーカップを制したフェブランシェも参戦。来月の大舞台に向けて見逃せない一戦になりそうだ。
今年の上半期は兵庫女王盃・エンプレス杯と牝馬ダートGを2勝。特にエンプレス杯は早めのスパートから直線オーサムリザルトの追撃を封じ切り、同馬の無敗記録を止める強い勝ちっぷりを披露した。前走のスパーキングレディーカップは3着と敗れたが、初の1600m戦で斤量も58キロの厳しい条件でいつもどおりのスタート後手ではさすがに挽回がきかなかった印象で、この一戦で大きく評価を下げる必要はないだろう。今回は大井コースは初めてだが、脚質的にもゆったり構えられる外回り1800mは条件ベストに近いイメージも沸くし、斤量面も今回は56キロに緩和。ここはきっちり巻き返して本番へ向かう。
スパーキングレディーカップでテンカジョウ以下のJRA所属馬を負かしたのが同馬。確かに斤量差はあったがハイペースで飛ばしたニシノカシミヤが失速して早い段階で単独先頭に立つかたちになりながらも最後まで集中力を切らさずに走り切ったレース内容には着順通りの高評価を与えていいものだろう。前々走・しらさぎ賞の勝ちっぷりも含めてスピード能力は抜群だけに、やはり今回は3走前のクイーン賞の直線の走りからも微妙に長いと感じられた1800mの距離をどう克服するかがカギだが、名手・吉原寛人騎手なら今回そのあたりの対策は講じてくるはず。ダートG連勝の可能性は十分。
昨年は佐賀のJBCレディスクラシックを制したが、その後の4戦は2・16・3・5着。フェブラリーステークスの殿り負けは度外視できるが、対テンカジョウでも1勝2敗と分の悪さは否めないところだし、今回も唯一のGⅠ格ホースとして57キロを背負う点にも微妙さ。とはいえ、昨年の牡馬ダート三冠路線を含めて地方のダートGではすべて入着以上と大崩れがない点も事実だし、同馬もテンカジョウと同じく距離は1600mよりは長めのほうが持ち味が出るタイプ。ここも上位争いを演じるだろう。
バスタードサフランは父がマジェスティックウォリアーで母の父がゴールドアリュールと、いかにも地方ダートが合うという血統背景の持ち主。JRA3勝クラスを勝ち上がったばかりではある、人気でみれば最も妙味が出そうなのは今回か。ビヨンドザヴァレーは重賞未勝利でも昨年のターコイズSで2着など芝の重賞での好走歴は光るが、反面ディープインパクト産駒の半兄ヴァンキッシュランを筆頭に兄姉は芝志向。父がイスラボニータに変わって砂適性を秘めているかが焦点。タクシンイメルもオープン昇格の前走は大敗を喫したが、牝馬同士で道中マイペースで運べれば残り目も十分。
提供 日刊競馬 鎌田 智也
注記
当ページの情報は、10月6日(月)17時現在のものです。
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