レースの見どころ
今年度はダート体系の見直しがあり、昨年まで同時期に行われていた名古屋グランプリがゴールデンウィークに移り、かきつばた記念が2月へ。そして名古屋大賞典が12月に施行されることとなった。東京大賞典との兼ね合いもあるので、例年は一枚落ちの顔ぶれになるのだが、今回は異例?の好メンバー。5戦無敗のヤマニンウルス、3歳馬でジャパンダートクラシック2着のミッキーファイト、一昨年のジャパンダートダービーを制し、今年の名古屋グランプリ勝ちの実績馬ノットゥルノなどのJRA勢に加えて、道営最強馬ベルピット、高知のエース・シンメデージーそして、地元からはトライアルの東海菊花賞で一躍スターダムにのし上がったラジカルバローズなどが出走。ハンデ戦で52キロ~60キロの斤量差があり、地方馬による優勝も夢ではなさそう。
本来は東京大賞典に向かいたかったのだろうが、賞金不足でこちらへ。ただ、ここで獲得賞金を加算して、2月のフェブラリーステークスには何が何でもの気持ちだろう。5戦5勝という戦歴ももちろん魅力。体質が弱くて使い込めないが、すでにGⅠ級の能力の持ち主であることは証明済みで、この一番に懸ける思いは強い。掛かる馬ではないので、初の2000mは問題ないが、58.5キロの斤量と季節的に馬体が絞り切れるかどうかが課題。ただ、それを考慮しても主役に相応しい存在だろう。手綱をとるのはもちろんレジェンド・武豊。
おそらく高知デビューの3歳馬では史上最強かもしれない。東京ダービー、ジャパンダートクラシックではJRA勢相手に真っ向勝負を挑んで、ともに見せ場たっぷりの入着。まだ3歳という若さも魅力である。過去の名古屋グランプリ(これまでの名古屋大賞典は3月だったので3歳馬は出走できない)を参考にすると、23回中で3歳馬の優勝は5頭。そこに加わっても不思議ないか。斤量は54キロと適度だし、鞍上は必殺仕事請負人の吉原寛人。
兄にハピがいて、デビュー当初から注目を集めていたが、4歳になり本格化。前走の浦和記念勝ちで遂に重賞勝ち馬の仲間入りを果たした。この秋はこれで4走目となり、JRA勢の中では使い込まれているほうだが、半面で順調とも言える。斤量は58.5キロで、鞍上はC・デムーロ。
ミッキーファイトはレパードステークスを勝って、ジャパンダートクラシックで2着。キャリアは5戦と少ないが、底知れぬ魅力を持つ3歳馬。57.5キロで鞍上は戸崎圭太。ノットゥルノは60キロのハンデ頭と見込まれたが、実績的には仕方ない面もあるか。今回のJRA勢の中では唯一、当コースの経験(今年5月の名古屋グランプリ優勝)の強味を生かしたい。今回の手綱は鮫島克駿がとる。そして地元の期待ラジカルバローズはこれまで(6711)と堅実に走り、前走ではB級の身ながら東海菊花賞(地方全国交流)を制した。ミッキーファイトやシンメデージーとの同世代対決も見もの。52キロと最軽量も魅力だ。鞍上は今回は主戦である加藤聡一。
提供 競馬エース 井本 秀一
注記
当ページの情報は、12月18日(水)17時現在のものです。
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