データ分析 Data Analysis

今年からハンデ戦のJpnIIIに

名古屋競馬場で実施される3つのダートグレードは、春先の名古屋大賞典JpnIIIが年末に、年末の名古屋グランプリJpnIIが大型連休中に、そして大型連休中のかきつばた記念JpnIIIが春先と、いわば“三角トレード”のような形で実施時期が変更された。そして名古屋大賞典JpnIIIは別定戦からハンデ戦となった。実績的に劣勢でもチャレンジを試みる陣営が増える可能性は十分だ。今回のデータ分析は、実施時期を重視してJpnIIとして実施されてきた名古屋グランプリ(2021年までは旧競馬場の2500m、移転した22年以降は2100m)を対象に、14~23年の10回分のデータをチェックしていく。

上位人気馬が優勢

1番人気の3着内率が100%で、2番人気が同80.0%。6番人気以下での馬券絡みは、2014年エーシンモアオバー(6番人気)が1着、あとは16年カツゲキキトキト(愛知・7番人気)、20年ダイシンインディー(6番人気)が3着に入っただけとなっている。ハンデ戦になったことで出走馬のラインナップに変化が出そうだが、基本的には上位人気馬が優勢となっている。[表1]

[表1]単勝人気別成績(14~23年の過去10回の名古屋グランプリ)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 3 3 0 40.0% 70.0% 100.0%
2番人気 4 2 2 2 40.0% 60.0% 80.0%
3番人気 0 1 0 9 0.0% 10.0% 10.0%
4番人気 0 2 2 6 0.0% 20.0% 40.0%
5番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
6番人気以下 1 0 2 61 1.6% 1.6% 4.7%

JRAの関西馬が断然

名古屋競馬場はJRA栗東トレーニングセンターから車で2時間程度で到着可能。地理的要素の影響か、JRA関西馬が8勝、2着10回と圧倒的な成績を残している。ただし、JRA関東馬も2頭が勝ち、3着内率は66.7%と“少数精鋭”の感がある。なお、愛知の3着2回は、いずれもカツゲキキトキト(16・17年)によるものだ。[表2]

[表2]所属別成績(14~23年の過去10回の名古屋グランプリ)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 8 10 4 19 19.5% 43.9% 53.7%
JRA関東 2 0 4 3 22.2% 22.2% 66.7%
愛知 0 0 2 32 0.0% 0.0% 5.9%
上記以外 0 0 0 30 0.0% 0.0% 0.0%

若い世代が優勢

2014年に8歳馬エーシンモアオバーが勝利を挙げたが、それ以降の勝ち馬は6歳以下。そして近年は5歳以下、とくに3歳と4歳の活躍が目立っている。ちなみに現在の名古屋競馬場で実施された過去2回の連対馬は、22年が3歳→4歳、23年が5歳→4歳となっている。[表3]

[表3]年齢別成績(14~23年の過去10回の名古屋グランプリ)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 3 1 2 6 25.0% 33.3% 50.0%
4歳 3 2 4 10 15.8% 26.3% 47.4%
5歳 2 3 1 17 8.7% 21.7% 26.1%
6歳 1 1 1 15 5.6% 11.1% 16.7%
7歳 0 2 1 14 0.0% 11.8% 17.6%
8歳 1 1 0 12 7.1% 14.3% 14.3%
9歳以上 0 0 1 10 0.0% 0.0% 9.1%

浦和記念とJRAのDG組に注目

ハンデ戦になることで各馬の臨戦過程が変わる可能性はあるが、2014~23年の名古屋グランプリJpnIIを対象に前走別成績を見てみると、浦和記念JpnIIとJRAのダートグレードから臨んだ馬の3着以内が多い。前走JBCレディスクラシックJpnIの2勝はともにアムールブリエ(2015・16年)によるものだ。JRAのダートグレードから臨んで3着以内に入った9頭のうち6頭は、前走で6着以下に敗れていた。[表4]

[表4]前走別成績(14~23年の過去10回の名古屋グランプリ)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JBCクラシック 1 0 0 4 20.0% 20.0% 20.0%
JBCレディスクラシック 2 1 0 0 66.7% 100.0% 100.0%
浦和記念 4 1 4 12 19.0% 23.8% 42.9%
JRAのDG 1 6 2 6 6.7% 46.7% 60.0%
上記以外のDG 1 0 1 1 33.3% 33.3% 66.7%
JRAのDG以外 1 2 1 5 11.1% 33.3% 44.4%
上記以外 0 0 2 56 0.0% 0.0% 3.4%

当日の体重490kg以上が9勝

2014~23年の名古屋グランプリJpnIIの勝ち馬10頭のうち9頭は、当日の体重が490㎏以上。第1回までさかのぼっても、489kg以下で勝利を挙げたのは18年チュウワウィザード(477㎏)をはじめ4頭だけだ。

勝つのはこういう馬!

1番人気または2番人気に支持された5歳以下のJRA馬が有力。そのなかで、浦和記念JpnIIから臨んだ馬がいれば最有力だが、前走がダートグレードなら勝機はあると考えたい。

(文・浅野 靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。