データ分析 Data Analysis

JRAか2歳戦に強い北海道か

2歳重賞で約半月前に行われるJBC2歳優駿JpnIIIが1800mなのに対し、こちらは1400mかつ小回りコースでスピードが求められる。JRAですでに2勝を挙げた馬、北海道や南関東の重賞で上位争いを繰り広げた馬など、2歳のスピード自慢が揃う一戦だ。ここでは2014年~23年の過去10回のデータを元に分析する。

栗東と伊藤圭三厩舎が好成績

半数の5回でJRA栗東所属馬が勝利。輸送としてはJRA阪神競馬場へ行くのとほぼ変わらない点はキャリアの浅い2歳馬にとっては好材料だろう。JRA美浦所属馬は3着内率で栗東を上回り、特に伊藤圭三厩舎は3頭出走して2勝、2着1回で連対率100%。通算成績で芝の4倍以上の勝ち星をダートで挙げる厩舎とあって、出走してくれば見逃せない。また、地方馬も健闘しており、2勝、2着2回、3着4回。その中でもやはり2歳戦に強い北海道所属馬の成績が良い。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 5 5 3 17 16.7% 33.3% 43.3%
JRA美浦 3 3 3 9 16.7% 33.3% 50.0%
北海道 1 2 3 10 6.3% 18.8% 37.5%
浦和 1 0 0 5 16.7% 16.7% 16.7%
大井 0 0 1 2 0.0% 0.0% 33.3%
上記以外 0 0 0 45 0.0% 0.0% 0.0%

地方馬の勝利で万馬券が期待できる

基本的には堅く収まりやすい一戦で、過去10回中7回で3連単は4000円未満の配当だった。対して3連単が万馬券となったのはいずれも1番人気が4着以下だった年。うち2回(2014、16年)は地方馬が勝っており、残り1回は1番人気馬が競走中止した22年だった。1番人気馬に信頼を置くか、地方馬の勝利を期待するかによって3連単配当の想定が変わると言えるだろう。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 1 1 3 50.0% 60.0% 70.0%
2番人気 2 3 3 2 20.0% 50.0% 80.0%
3番人気 1 2 2 5 10.0% 30.0% 50.0%
4番人気 0 2 0 8 0.0% 20.0% 20.0%
5番人気 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
6番人気以下 2 1 2 63 2.9% 4.4% 7.4%

理想は2~3番手外からスムーズなレース

園田競馬場は1周1051mの小回りコースだが、勝利数は逃げよりも先行の方が多く、6勝を挙げる。最内枠だった2014年ジャジャウマナラシ(浦和)を除く5頭はいずれも2~3番手の外から運んでおり、揉まれず砂を被らずレースを進めていた。[表3]

[表3]脚質別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
逃げ 2 2 0 6 20.0% 40.0% 40.0%
先行 6 7 5 21 15.4% 33.3% 46.2%
差し 2 1 4 33 5.0% 7.5% 17.5%
追込 0 0 1 28 0.0% 0.0% 3.4%

キャリア別の特徴は?

どんな戦歴を歩んだ馬が好走するのか。最も親和性が高いと思われるのはダート1400m以下で2勝を挙げたJRA馬。18頭が該当し、5勝、2着5回、3着2回と、まず注目すべきはこのカテゴリーに属する馬だろう。頭数は少ないが、ダート1500m以上でも勝ったことのあるJRAの2勝馬は3勝をマーク。対して、芝のみで2勝を挙げたJRA馬は未勝利。[表4]
地方馬で狙うなら、門別や南関東の重賞で3番手以内に先行しかつ5着以内に粘り込めた馬。そのスピードは小回りの園田コースで生きると思われ、地方馬で3着以内に入った8頭のうち6頭がこれに該当。【2-2-2-8】で3着内率42.9%と高い。

[表4]JRA馬のキャリア別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA馬でダート1400m以下で2勝 5 5 2 4 31.3% 62.5% 75.0%
JRA馬でダート1500m以上を含み2勝 3 0 0 1 75.0% 75.0% 75.0%
JRA馬で芝2勝 0 1 3 7 0.0% 9.1% 36.4%

勝つのはこういう馬!

JRA所属の2勝馬がいれば、それが最有力候補。ダート1400m以下で2勝を挙げ、2~3番手外から運べそうなら、さらに期待は高まる。例年必ず該当馬がいるわけではないが、ダート1500m以上で勝利経験のある馬や、美浦の伊藤圭三厩舎から出走があれば、押さえておきたいところ。地方馬は北海道か南関東所属で、重賞で3番手以内に先行して掲示板に載っていれば、人気にかかわらず狙ってみると高配当にありつけるかもしれない。

(文・大恵陽子)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】2010年は3着同着。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。