牡6 JRA 田中博康厩舎 通算16戦11勝
父:Lemon Drop Kid
母:Unreachable
母の父:Giant's Causeway
6月のさきたま杯(JpnI)を勝利して以来の出走となるのが2023年度のJRA賞最優秀ダート馬に選定されたのがレモンポップ。その後は北海道のダーレーキャッスルパークに放牧。「夏の暑い時期を北海道で過ごしたので、帰厩後は順調そのものです」と田中博康調教師は語る。ドバイのドバイゴールデンシャヒーン(GI)とサウジアラビアのサウジC(GI)でこそいずれも二桁着順に終わったが、国内に限ればフェブラリーS(GI)やチャンピオンズC(GI)勝ちを含む14戦して11勝、2着3回のパーフェクト連対。昨年の当レースでも2着イグナイターに2秒差をつける大勝劇を演じている。休み明けでもディフェンディングチャンピオンとして中心的存在になるのは間違いないだろう。
(平松 さとし)
牡6 JRA 武英智厩舎 通算21戦8勝
父:キングカメハメハ
母:クイーンオリーブ
母の父:マンハッタンカフェ
ダートに替わって良さを出せるようになり、7戦で4勝してオープン入り。ブリンカーを着けるようになってから集中力が増し、そこからオープン特別を3勝した。重賞ではワンパンチ足りないレースが続いていたが、初めてのGI挑戦だった今年のフェブラリーSで初重賞制覇。シビアな流れを正攻法のレースで押し切り、これまでにない強さを見せた。かしわ記念は力のいる馬場が堪えたのか、甘くなって3着。以前は長めの距離にも対応していたが、最近は行きっぷりが良くなっているので恐らくマイルが最適。スピードの持続力が武器で、高速決着になるケースが多い盛岡の馬場は合いそう。9月中旬から入念に乗り込まれて仕上がりも良好。いきなりから勝ち負けできそう。
(競馬ブック・牟田雅直)
牡7 JRA 西園正都厩舎 通算36戦7勝
父:ヘニーヒューズ
母:スペシャルディナー
母の父:スペシャルウィーク
前走のさきたま杯は4着。スタートが遅いのはいつもとはいえ、小回り浦和の1400mで最後方からになっては厳しかったが、終盤長く脚を使って2着からは少差。とにかく堅実で崩れがない。今度は舞台が盛岡へ。ワンターンのマイル戦は中央でも走り慣れた条件で、昨年の南部杯も勝ち時計が速過ぎただけで、この馬らしい末脚で追い上げて2着から0秒2差の4着。力を出せる条件と言える。調整面で昨年と大きく違うのは、昨年は南部杯前に調教再審査を挟んでいて、普段とは違う調整を踏まざるを得なかった点。今年は順調で、思い通りにびしびしと攻めを積んでこられた。攻め駆けしないので動き自体は地味だが、昨年以上の状態を見込んでいいだろう。
(競馬ブック・坂井直樹)
牡5 大井 坂井英光厩舎 通算15戦12勝
父:ダノンレジェンド
母:オムスビ
母の父:オレハマッテルゼ
勝島王冠、ブリリアントC、大井記念と重賞3勝を含む7連勝で挑んだ前走の帝王賞は5着だった。馬群の5、6番手を追走したことに西啓太騎手は「もう少し流れてくれた方が、追いかけていける馬だし持ち味は生かせたのかなと。もっとやれたという気持ちもあるので不完全燃焼です」と悔しそう。この夏は茨城県のケイワンステーブルで過ごし、9月上旬に帰厩した。坂井英光調教師は「もともと追い切りで動かなかった馬がブリリアントCのときから動くようになって、今回はさらにいい走りをしています。帝王賞で強いメンバーと戦ったことでレベルも上がり、前向きになってきました。精神的にタフな馬なので、初物でもこなしてくれると思います。今後に向けて、どういう走りをするか見てみたいですね」と話していた。
(高橋 華代子)
牡6 JRA 森秀行厩舎 通算34戦5勝
父:マジェスティックウォリアー
母:ダイシンキャンディ
母の父:アグネスタキオン
2歳時から坂路で49秒台を計時したことがあるように脚力は優れていたが、当初、中央では大敗も多く、川崎そして船橋と地方交流戦で2勝。中央の2勝クラス卒業までに20戦近くを費やした。その足かせになったのが、不安定なスタートに加え、キックバック等を嫌がる揉まれ弱さ。今もその不安が解消されたわけではないが、スタートが安定したことで揉まれるケースが減り、5歳秋には肉体面でもパワーアップ。それらがうまく噛み合って軌道に乗ったよう。多少は強引になっても、自身の競馬を貫けば容易に止まらない。同じ1600mの東京では、芝の部分で出脚が鈍い時があっただけにオールダートは歓迎。脚抜きが良くなり、自身の競馬ができれば侮れない。
(競馬ブック・橋本篤史)
牡4 大井 渡邉和雄厩舎 通算10戦7勝
父:シニスターミニスター
母:マリアージュ
母の父:ブライアンズタイム
昨年の南関東無敗の三冠馬。ダービーグランプリで勝ち星を伸ばしたあとは、東京大賞典、フェブラリーS、かしわ記念と王道路線に挑戦してきた。この夏は滋賀県のチャンピオンヒルズでトレーニングを積み、9月下旬に帰厩。5か月ぶりの実戦に渡邉和雄調教師は「トモに肉がついたことで推進力も増して、スピード以外に迫力も出てきました。古馬のミックになってきましたね」と手応え。悩まされてきた裂蹄の心配がなくなり順調に乗り込めるようになったことも、心身ともに充実してきた要因のひとつだという。「(蹄裂の心配があった)フェブラリーSでもあれだけの走り(勝ち馬から0秒8差の7着)をしてくれたので、今回の期待は大きいです。1600mから1800m向きのいい体の張りになっているし、真っ向勝負でどれだけやれるか楽しみです」と力を込めた。
(高橋 華代子)
セン7 兵庫 新子雅司厩舎 通算20戦8勝
父:ハーツクライ
母:シークレットアセット
母の父:Awesome Again
台風の影響により順延での開催となった前走の佐賀・サマーチャンピオン(JpnIII)。それに伴い、短期間で2度の輸送を強いられることになってしまったが、そんな不利な状況を見事に撥ね退け、グレード初制覇を成し遂げた。「現地に滞在していたJRA所属馬たちが軒並み当日プラス馬体となっていたのを見ると、調整が難しかったのだと思います。こちらも輸送で多少のダメージはありましたが、思い通りの馬体重で当日を迎えられましたし、その差は大きかったと思います」とは同馬を管理される新子雅司調教師。兵庫転入後から中距離戦を主戦場としていたが、前回は1400mでのV。距離短縮の選択もうまくハマったようにも映った。「いつもなら道中の折り合い面に難しさを見せていましたが、距離を短くしたことで、その点がカバーできていました。現状は1400~1600m辺りがベストに感じます」と師も同馬の適性を見出せた様子のコメント。今回のレースに向けても引き続き期待は大きい。「調整は至って順調です。JRA在籍時の成績で比較しても、大きな差はないと思っています」と談。グレード戦で再び飛躍を見せるか、注目だ。
(中司 匡洋)
注記
当ページは、10月9日現在の選定馬情報に基づき作成しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性があります。また、当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。