データ分析 Data Analysis

JBCスプリントの最重要ステップ

1カ月後に行われるJBCスプリントJpnIを目指すトップスプリンターが集結。過去10年のJBCスプリントJpnIの勝ち馬のうち8頭は当レースを使って挑んでおり、地方馬で勝利した2019年ブルドッグボス(浦和)、20年サブノジュニア(大井)も同様の臨戦過程だった。大一番への最重要ステップとなる東京盃JpnIIの傾向を14~23年の結果から探る。

JRA栗東が中心

8勝をマークするJRA栗東が勝率でもトップだが、2着は3回と少なく、JRA美浦や南関東も連争いには加わっている。とはいえ、栗東が2着以内を外したのは南関東のワンツーだった2017年のみで、馬券を組み立てる上で中心に据えるべき存在なのは確か。ちなみに21年からの直近3回は栗東→美浦の順でワンツーとなっている。南関東も健闘しているように見受けられるが、17、18年の2勝はキタサンミカヅキ(船橋)。ブルドッグボス(浦和)が17、19、20年に2着3回と、2頭が数字を押し上げている。このことを踏まえると健闘していると判断するのは危険か。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 8 3 7 23 19.5% 26.8% 43.9%
JRA美浦 0 4 1 4 0.0% 44.4% 55.6%
南関東 2 3 2 64 2.8% 7.0% 9.9%
地方他地区 0 0 0 13 0.0% 0.0% 0.0%

1番人気が5年連続連対、穴の刺客は7番人気

1番人気は6勝を含む馬券圏内8回と安定しており、特に2019年以降は【4-1-0-0】と、信頼度がさらに増している。1番人気の成績がいい反面、馬連複の配当が1000円以下は3回のみ。3連単は16~21年に6年連続で万馬券と、相手選びではひと工夫が必要。21年1着サクセスエナジー(7番人気)などJRA馬の中で最も人気がなかった馬が3頭馬券圏内に入っている。また、当レースは7番人気の好走が多い点が面白いところ。【2-2-1-5】と半数が上位争いに食い込んでおり、サクセスエナジーを除く4頭は地方馬だった。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 6 1 1 2 60.0% 70.0% 80.0%
2番人気 1 2 3 4 10.0% 30.0% 60.0%
3番人気 0 3 1 6 0.0% 30.0% 40.0%
4番人気 1 1 2 6 10.0% 20.0% 40.0%
5番人気 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%
6番人気以下 2 3 3 76 2.4% 6.0% 9.5%

年齢による差はなく高齢馬の奮闘に注目

4~8歳がいずれも20頭台の出走。必ずしも若い馬が有利ということはなく、高齢馬の奮闘が目立っている。2016年のドリームバレンチノ(9歳)、21年のサクセスエナジー(7歳)は3回目の挑戦で当レースを初制覇。22年のレッドルゼルも前年3着から着順をアップさせ、6歳で勝利を掴んだ。年齢を重ねて最上位の成績を収める馬も多く、高齢という理由で評価を下げる必要はない珍しい傾向となっている。地方馬もベテラン勢の活躍が顕著。馬券圏内馬延べ7頭の年齢は5歳と6歳が各1頭。7歳が3頭、8歳が2頭の内訳になっている。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 0 0 6 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 3 0 1 19 13.0% 13.0% 17.4%
5歳 1 3 4 12 5.0% 20.0% 40.0%
6歳 2 1 2 23 7.1% 10.7% 17.9%
7歳 2 3 1 18 8.3% 20.8% 25.0%
8歳 1 3 2 15 4.8% 19.0% 28.6%
9歳以上 1 0 0 11 8.3% 8.3% 8.3%

同年の東京スプリント1着馬はここもV候補

大井1200mで春に行われる東京スプリントJpnIIIとの結びつきが強く、同じ年の勝ち馬がここに出走してきた場合は【3-3-1-0】と高確率で連対圏を確保。該当馬は争覇圏内の1頭として扱いたい。また、5走以内に国内ダートグレードを勝っていた馬が【6-7-8-13】。延べ34頭のうち21頭が3着以内に入っており(3着内率61.8%)、2019年以降の5回では【4-3-4-4】(同73.3%)とさらに好相性となっている。

勝つのはこういう馬!

2017年以外で連対を確保するJRA栗東所属で、1番人気馬がいれば最有力。また、高齢馬の活躍も多く、過去に東京盃JpnIIで馬券に絡んでいた馬がいれば年齢を重ね最も高いパフォーマンスを見せてくる可能性も頭に入れておきたい。春の東京スプリントJpnIIIを含め5走以内にダートグレードを勝っている馬もV候補として扱うのが無難。

(文・スポーツ報知・浅子祐貴)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。