“不来方(こずかた)”は、いにしえの盛岡を差す地名で、かつて岩手競馬の“ダービー”としての位置づけだった時期もある。2019年以降は岩手クラシックの三冠目だったが、24年からJRA交流のJpnIIにリニューアルされた。地方・JRAの所属を問わず当レースの1着馬には、新設の3歳ダート三冠の最終戦・ジャパンダートクラシックJpnIへの優先出走権が与えられる。(栗田 勇人)
1969年に創設された、岩手競馬ではもっとも歴史ある重賞のひとつで、岩手3歳クラシックの一戦として歴史を重ねてきた。他地区との交流だった時代もあるが、2019年以降は地方全国交流重賞・ダービーグランプリ(23年で休止)の地元トライアルも担い、20年にはフレッチャビアンカが両レースとも制している。24年にJRA交流のJpnIIに格上げされた。なお93年以降、水沢開催だった年も含め距離は2000mで固定されている。(栗田 勇人)
不来方賞が行われる盛岡競馬場(左回り)のダート2000mは、4コーナーの奥からスタート。出走可能頭数は14頭で、ゴール前に備わる登り坂を2回越える設定だ。1周1600mのコースは広々として、ダートコースの内側に芝コースが備わる日本で唯一の形態。ダートコースの高低差が4.4mというのも日本の競馬場では有数の起伏で、3コーナーからの下り坂も勝負ポイントのひとつに数えられる。(浅野 靖典)