ダートの上半期チャンピオン決定戦
ダート馬にとっては上半期の最大目標となり、フェブラリーステークスGIやかしわ記念JpnIからのマイラーや、海外遠征帰りの実力馬、国内重賞で力を蓄えていた馬など、ここまで様々なかたちで過ごしてきた馬が大井2000mで激突する。そうそうたる強者たちが歴代の勝ち馬として名を連ねているようにハイレベルな争いは必至。ここでは2014~23年の過去10回の結果から傾向を探っていく。
所属別成績を見てみるとJRA栗東の成績が突出しており、JRA美浦にも付け入る隙を与えずに全勝を収めている。18連対、馬券圏内24回も優秀で、栗東が3着以内を独占したのは5回、ワンツー決着は8回を数える。ちなみに美浦で3回の馬券圏内のうち2回はサウンドトゥルー。残りの1回はノンコノユメとなっており、同馬は大井の荒山勝徳厩舎に移籍してからも2019年3着、21年2着と好走した。JRAでの実績があれば、地方移籍後であっても食い込む余地はある。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA栗東 | 10 | 8 | 6 | 36 | 16.7% | 30.0% | 40.0% |
JRA美浦 | 0 | 1 | 2 | 3 | 0.0% | 16.7% | 50.0% |
大井 | 0 | 1 | 2 | 24 | 0.0% | 3.7% | 11.1% |
大井以外の南関東3場 | 0 | 0 | 0 | 21 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
上記以外 | 0 | 0 | 0 | 14 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1~5番人気に焦点を当ててみると、該当馬で9勝を収めており、3着以内独占は7回。また1~3番人気に絞り込んでも該当馬が連対できなかったのは、2017年と21年の2回のみと上位人気から組み立てるのがセオリー。ただし、1番人気の勝利は15年ホッコータルマエだけで、GI/JpnIを連勝中だった14年コパノリッキーや大井を得意としていた20年オメガパフューム、チャンピオンズカップGIを圧勝したテーオーケインズでさえも22・23年と2年連続で1番人気に応えることはできなかった。大波乱となった21年(馬連複10万4960円、馬連単14万8250円)を除く9回の馬連複の平均配当は1211円、馬連単は同2890円で、万馬券も飛び出していることを加味すると、馬単に妙味がありそうだ。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 1 | 4 | 2 | 3 | 10.0% | 50.0% | 70.0% |
2番人気 | 3 | 1 | 2 | 4 | 30.0% | 40.0% | 60.0% |
3番人気 | 2 | 1 | 1 | 6 | 20.0% | 30.0% | 40.0% |
4番人気 | 1 | 2 | 1 | 6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
5番人気 | 2 | 1 | 2 | 5 | 20.0% | 30.0% | 50.0% |
6番人気以下 | 1 | 1 | 2 | 74 | 1.3% | 2.6% | 5.1% |
勝ち馬は4~6歳から出ると考えるのが自然。2014年に8歳馬のワンダーアキュートが優勝したものの、7歳以上は基本的に相手までに押さえておくのが無難といえる。特に4歳馬が存在感を示しており、馬券に絡まなかったのは18、22年の2回しかない(22年は出走なし)。当レースで3着以内に入った4歳馬の大半は、ジャパンダートダービーJpnIもしくは古馬混合GI/JpnIで連対しており、これに該当しない戦歴だった19年2着チュウワウィザードと21年2着テーオーケインズは、重賞Vからここに臨んでいた。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
4歳 | 4 | 4 | 1 | 12 | 19.0% | 38.1% | 42.9% |
5歳 | 2 | 3 | 1 | 20 | 7.7% | 19.2% | 23.1% |
6歳 | 3 | 0 | 2 | 25 | 10.0% | 10.0% | 16.7% |
7歳 | 0 | 2 | 5 | 20 | 0.0% | 7.4% | 25.9% |
8歳以上 | 1 | 1 | 1 | 21 | 4.2% | 8.3% | 12.5% |
前走に注目した[表4]を見てみると、過去10回で勝ち馬が出ているのは記載した3パターンで、2018年までの[表4-1]と、19年以降の[表4-2]では大きく傾向が変わっている。前半5回はかしわ記念JpnI組の天下と言っても過言ではないほどで、JRAダートGIIIと海外はパッとした成績を残せていない。ところが後半5回になるとかしわ記念JpnI組は、23年こそメイショウハリオが勝利を手にしたが、それ以外の馬は馬券圏外に沈んでいる。それに対してJRAダートGIIIは3勝を挙げ、海外は3着内率71.4%と、飛躍的に数字を伸ばした。この2パターンが近年のトレンドになっている。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
かしわ記念JpnI | 4 | 3 | 2 | 9 | 22.2% | 38.9% | 50.0% |
JRAダートGⅢ | 4 | 3 | 1 | 16 | 16.7% | 29.2% | 33.3% |
海外 | 2 | 2 | 3 | 6 | 15.4% | 30.8% | 53.8% |
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
かしわ記念JpnI | 3 | 3 | 2 | 2 | 30.0% | 60.0% | 80.0% |
JRAダートGⅢ | 1 | 1 | 0 | 7 | 11.1% | 22.2% | 22.2% |
海外 | 1 | 0 | 1 | 4 | 16.7% | 16.7% | 33.3% |
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
かしわ記念JpnI | 1 | 0 | 0 | 7 | 12.5% | 12.5% | 12.5% |
JRAダートGⅢ | 3 | 2 | 1 | 9 | 20.0% | 33.3% | 40.0% |
海外 | 1 | 2 | 2 | 2 | 14.3% | 42.9% | 71.4% |
10勝を挙げるJRA栗東所属が中心であることは揺るぎないが、1勝のみの1番人気は、再考してもいいかもしれない。他にはジャパンダートダービーJpnIや古馬混合GI/JpnIで連対歴がある4歳馬、[表4]の3パターンからの参戦馬であればプラス材料と捉えていいだろう。
(文・スポーツ報知・浅子祐貴)
1着
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3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。