データ分析 Data Analysis

帝王賞を見据えた一戦に

これまでは12月下旬の、東京大賞典GIを補完するような日程で実施されていたが、今年は5月の大型連休の最終日。ここをステップに帝王賞JpnIを目指せる立ち位置に変わった。そうなると出走馬の顔ぶれも以前と変わることになるのかも。そのあたりを考慮すると過去のデータはアテにならないかもしれないが、名古屋競馬場の長距離という観点から2014~23年の過去10回の傾向をみていくことにしたい。

上位人気馬優勢だが

1番人気は3着内率100%。2番人気も同80.0%の好成績となっているが、3番人気は2着が1回だけと不振。集計期間外の2012・13年の勝ち馬は3番人気だったが、少々気になるデータといえる。また、01年の第1回まで遡っても4番人気以下から勝ち馬は出ていない。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 3 3 0 40.0% 70.0% 100.0%
2番人気 4 2 2 2 40.0% 60.0% 80.0%
3番人気 0 1 0 9 0.0% 10.0% 10.0%
4番人気 0 2 2 6 0.0% 20.0% 40.0%
5番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
6番人気以下 1 0 2 61 1.6% 1.6% 4.7%

JRA所属馬が圧倒

2001年の第1回こそ笠松のミツアキサイレンスが勝利を挙げたが、その後の優勝馬はJRA所属。過去10回ではJRAの関西馬が8勝、2着10回と好成績。ただし、関東馬が9回の出走で3着以内が6回となっている点は覚えておくべきだろう。なお、愛知の3着2回は、ともにカツゲキキトキト(16・17年)によるものだ。[表2]

[表2]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 8 10 4 19 19.5% 43.9% 53.7%
JRA関東 2 0 4 3 22.2% 22.2% 66.7%
南関東 0 0 0 11 0.0% 0.0% 0.0%
愛知 0 0 2 32 0.0% 0.0% 5.9%
上記以外 0 0 0 19 0.0% 0.0% 0.0%

大型馬が優勢

旧・名古屋競馬場の2500m(2021年まで)と新・名古屋競馬場の2100mと舞台は違うが、好成績を残しているのは『前走時の馬体重が480㎏以上』だった馬。なかでも勝ち馬のうち8頭が『前走の馬体重が490~519㎏』だったことは注目できる。ちなみに距離が2100mになった過去2回の3着内馬の前走体重は、22年が496→524→518㎏、23年が515→444→455㎏。23年は2着がグランブリッジ、3着がテリオスベルで、ともに牝馬だった。[表3]

[表3]前走の馬体重別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
前走469㎏以下 0 2 3 16 0.0% 9.5% 23.8%
前走470~479㎏ 1 1 0 9 9.1% 18.2% 18.2%
前走480~489㎏ 1 2 2 10 6.7% 20.0% 33.3%
前走490~499㎏ 4 1 0 9 28.6% 35.7% 35.7%
前走500~509㎏ 2 1 1 10 14.3% 21.4% 28.6%
前走510~519㎏ 2 0 2 15 10.5% 10.5% 21.1%
前走520㎏以上 0 3 2 15 0.0% 15.0% 25.0%

2000mでの成績と連動?

2015年以降、9年連続で『4走前までに2000mのダートグレードで3着以内』の実績がある馬が1頭以上連対している。コースと距離が変わった過去2回は該当馬が勝利。今年もこのデータが継続するのかどうか、興味深い。[表4]

[表4]4走前までに2000mのダートグレードで3着以内の馬一覧

年度 着順 馬名 レース名と着順
15年 1着 アムールブリエ 3走前 ブリーダーズゴールドカップ・1着
16年 1着 アムールブリエ 3走前 ブリーダーズゴールドカップ・1着
16年 2着 ケイティブレイブ 前走 浦和記念・1着
17年 1着 メイショウスミトモ 2走前 シリウスステークス・1着
18年 2着 ミツバ 4走前 マーキュリーカップ・1着
19年 1着 デルマルーヴル 4走前 ジャパンダートダービー・2着
19年 2着 アングライフェン 2走前 シリウスステークス・2着
20年 1着 マスターフェンサー 2走前 マーキュリーカップ・1着
21年 1着 ヴェルテックス 前走 浦和記念・3着
22年 1着 ペイシャエス 前走 JBCクラシック(盛岡)・3着
23年 1着 ディクテオン 前走 浦和記念・1着

勝つのはこういう馬!

上位人気に推されたJRA所属の関西馬。ただし、3番人気と4番人気を頭にするのは避けたほうがいいだろう。前走時の馬体重が490㎏以上であればさらに有力。以前は8歳以上のベテランが勝つこともあったが、2015年以降の勝ち馬はすべて6歳以下となっている。

(文・浅野靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】2005年は競走取り止め。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。