昨年は兵庫最優秀３歳馬、そして最優秀牝馬の称号を獲得して県内での女王の地位を確かなモノとした。デビューから12戦10勝２着2回とほぼ完璧。負けたのは休養明けで仕上がりひと息に感じた菊水賞と、逃げ馬に有利な馬場で押し切られた兵庫クイーンカップのみ。ただ、今回は交流重賞で勝ち負けを繰り広げている馬たちが相手だし、前述の実績では見劣りすることは確か。しかし、まだ底を見せていないことも確かだし、この度は放牧先から戻ってきた時点で、成長した馬体や仕上がりの良さが目についた。中間の乗り込みは実に順調だし追い切りも抜群の動き、これまでで最高の仕上がりと判断できる。地の利を最大限に生かし切れれば十分通用、勝利まで期待していいだろう。

４走前にダート路線へ転向してから圧巻の３連勝と適性の高さを見せつけており、初のオープン戦だった前走でも好位差しから勝ち馬と０秒１の僅差２着。先行力を出せていることや力の要る中山ダートだったことも、今回の小回り園田コースに対応できそうなのが好印象。明け４歳と若くてまだまだ伸びしろを秘めていそうだし、坂路での力強い脚取りからも休養明けを叩いた上積みを見込める。今後この路線の中心的な存在になってくるだろう素質あり、初の重賞でも何らヒケを取らない走りを披露する公算は高い。

デビュー以来、最も長い1870メートル戦となるので、距離を克服できるかが好走へのカギとなりそう。ただ、このメンバー構成なら発馬を決めればハナはこの馬、先行力を生かせる展開に持ち込めると見る。加えて前日から当日の朝までかなりの降雨が予報されており、砂の補充などがなければ逃げ有利の馬場となるだろう。前走・神奈川記念で負かしたキャリックアリードは次走クイーン賞で３着に健闘、このことから地力も通用すると判断。比較的小回りな小倉や福島での好走歴も強みになりそうだし、初馬場勢が立ち回りに苦労するようなら粘り込みを十分期待できそう。

アーテルアストレアのセールスポイントは何といっても力強い末脚、終いの決め手は他馬をリードしていると見る。気になるのは少し器用さに欠ける面、小回り園田コースに対応できるかどうかが好走へのカギとなりそう。デビュー以来まだ馬券対象を外していないキャリックアリード、底を見せておらず伸びしろも十分。好位差しで構えていければ十分やれそう。やや発馬の不安定さはあるものの牝馬重賞で常に上位争いのライオットガール、印以上の好走を見せても何ら驚けない。連下の評価とはいえ牝馬重賞で実績確かな３頭、立ち回りひとつで勝ち負けに持ち込めると見る。