データ分析 Data Analysis

ダートマイル王決定戦は東京から船橋へ

2月にJRA東京競馬場で実施される同じダート1600mのフェブラリーステークスGIから臨む馬も多く、地方馬でも2006年アジュディミツオー、11年フリオーソ(ともに船橋)などが巻き返して勝利している。JRAの勝ち馬もエスポワールシチーやコパノリッキーといった名馬がズラリと並び、ハイレベルな争いが繰り広げられてきたことが分かる。ここでは13年~22年の過去10回の結果から傾向を分析する。

JRAの壁はかなり高い

2021年はカジノフォンテンが、11年フリオーソ(ともに船橋)以来となる地方馬による勝利を収めたが、9勝を含む18連対とJRAが圧倒的に優勢。過去10年のうち7回はJRAによる馬券圏独占だった。地方馬が3着以内に好走したのは前記カジノフォンテンを入れて3頭のみ。15年3着ハッピースプリント(大井)は全日本2歳優駿を制したJpnI馬。16年2着のソルテ(大井)は南関東重賞6連勝中、カジノフォンテンは2走前に川崎記念JpnIを勝っていたように特に充実していた。地方馬がJRAの牙城を崩すには地方を代表するような実力が必要になる。【表1】

【表1】所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 9 9 9 29 16.1% 32.1% 48.2%
船橋 1 0 0 16 5.9% 5.9% 5.9%
大井 0 1 1 10 0.0% 8.3% 16.7%
川崎 0 0 0 3 0.0% 0.0% 0.0%
浦和 0 0 0 1 0.0% 0.0% 0.0%
地方他地区 0 0 0 18 0.0% 0.0% 0.0%

1番人気は過信禁物、2番人気を信頼

1番人気が勝てていないことが最大のポイントで、2013年ローマンレジェンド、16年モーニン、19年インティ、21年カフェファラオといった前走でビッグタイトルを手にした馬でさえも人気に応えることはできなかった。対象的にしっかり勝ち切っているのが7勝を挙げる2番人気で、信頼度の高さを見せている。またJRAの中で最も人気がなかった馬も侮れない存在。20年の覇者ワイドファラオもこれに該当し、16、18、19年にしてもJRAの中で最低人気馬が馬券内に好走している。【表2】

【表2】単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 0 2 4 4 0.0% 20.0% 60.0%
2番人気 7 0 0 3 70.0% 70.0% 70.0%
3番人気 1 1 2 6 10.0% 20.0% 40.0%
4番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
5番人気 0 3 2 5 0.0% 30.0% 50.0%
6番人気以下 1 3 1 52 1.8% 7.0% 8.8%

フェブラリーSが主要ローテだが

【表3】を見てみると、前走フェブラリーステークスGI組が群を抜いて多く、ここを主要ローテと考えていいだろう。もう少し掘り下げてかしわ記念好走馬のフェブラリーステークスGIでの着順を調べたのが【表4】。1着馬と3着馬は、二桁着順から巻き返すケースがあるのに対し、2着馬は上位争いをしていた馬が目立っている。またその年のフェブラリーステークスGI・1着馬が出てきた場合の成績は【1-1-0-4】で、現在5連敗中と不振傾向。好内容だったとしても、当レースに直結するとは限らないと考えた方がよさそうだ。
※22年2着ソリストサンダーはフェブラリーステークスGI・4着→ゴドルフィンマイルGII・4着からの参戦

【表3】3着内馬の前走成績(過去10回)

1着 2着 3着
フェブラリーS 7 5 8
京成盃Gマイラーズ 1 0 0
アンタレスS 1 0 0
マリーンC 1 0 0
上記以外 0 5 2

【表4】3着内馬の同年フェブラリーS成績(過去10回)

かしわ記念着順 フェブラリーS着順
1着 1、2、2、7、9、12、14
2着 1、2、2、3、8
3着 2、3、3、4、6、6、11、12

V候補は大舞台V歴か重賞連勝中の馬

コパノリッキーが勝った2014、16、17年、ゴールドドリームが勝った18、19年を含む7回はGI/JpnIを勝っていた馬が勝利。残り3回の勝ち馬は、いずれも重賞2勝以上の実績(芝重賞も含む)があり、20年ワイドファラオを除く2頭は重賞連勝中と勢いに乗っていた。勝ち馬だけではなく2、3着にもリピーターの好走が多数。過去に舞台適性を示していれば、押さえておきたい。

勝つのはこういう馬!

JRA所属馬で2番人気なら信頼度は高い。さらに過去のかしわ記念での好走歴や、GI/JpnIを勝っているような実力がありながらもフェブラリーステークスGIで負けた馬は人気に関係なく狙い目。JRAの中での最低人気馬や地方を代表するような馬にも注意が必要

(文・前田 恒)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。