データ分析 Data Analysis

競馬場移転で今年は距離延長

“土古(どんこ)”の愛称で親しまれた旧・名古屋競馬場から弥富市に移転して初めて行われる名古屋大賞典。2022年は旧・競馬場での最後の重賞として閉幕前日に行われ、調教助手時代にキョウトシチーで同レースを制したJRA・宮本博調教師が手掛けるクリンチャーが連覇を果たした。今年より1900mから2000mに距離延長となる一戦を、ここでは13~22年の過去10回から傾向を見ていく。

JRA関西優勢も、愛知・兵庫勢も健闘

過去10年でJRA関西馬が全勝と圧倒的な強さを見せる。対してJRA関東馬は2着2回、3着3回で、優勝こそないものの3着内率は45.5%と高い確率を誇る。また、地方馬は地元・愛知のカツゲキキトキトと、立地的にも近い兵庫のジンギがそれぞれ3着。ともにその地区を代表する馬で、地元無敗クラスが参戦してきた際は一目を置いた方がいいだろう。[表1]

[表1]所属別成績(過去10年)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 10 8 5 13 27.8% 50.0% 63.9%
JRA関東 0 2 3 6 0.0% 18.2% 45.5%
愛知 0 0 1 42 0.0% 0.0% 2.3%
兵庫 0 0 1 4 0.0% 0.0% 20.0%
その他地方 0 0 0 19 0.0% 0.0% 0.0%

人気には素直に従うべし

単勝1番人気が過去10年で6勝。3着以内を見ても延べ30頭のうち26頭が4番人気以内で、基本的には人気に逆らわない方が良さそうだ。それは3連単の平均配当が3470円ということにも表れている。なお、最も高額配当となったのは2017年でケイティブレイブ(3番人気)→ピオネロ(4番人気)→カツゲキキトキト(6番人気)で1万4760円だった。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10年)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 6 2 1 1 60.0% 80.0% 90.0%
2番人気 0 5 2 3 0.0% 50.0% 70.0%
3番人気 3 0 1 6 30.0% 30.0% 40.0%
4番人気 1 3 2 4 10.0% 40.0% 60.0%
5番人気以下 0 0 4 70 0.0% 0.0% 5.4%

若い力が台頭し超ベテランは苦戦

4歳馬が最多の4勝と、若い力が台頭するのが当レースの特徴。その4頭はホッコータルマエ、ケイティブレイブ、サンライズソア、グリムで、いずれもダートグレード競走で3着以内の実績があった。ダートでは古豪も活躍するイメージだが、当レースでは9歳以上は過去10年で一度も3着以内に入ったことはない。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10年)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
4歳 4 3 5 8 20.0% 35.0% 60.0%
5歳 1 1 2 19 4.3% 8.7% 17.4%
6歳 2 3 1 16 9.1% 22.7% 27.3%
7歳 1 2 0 19 4.5% 13.6% 13.6%
8歳 2 1 2 11 12.5% 18.8% 31.3%
9歳以上 0 0 0 11 0.0% 0.0% 0.0%

距離短縮で名古屋グランプリの注目度アップ

前走別では2月に2000mで行われる佐賀記念組が優勢。過去10年で14頭が参戦し、3勝、2着4回、3着2回と好成績を誇る。なお、2021年まで旧名古屋2500m戦だった名古屋グランプリを使われた馬は、JRA所属では9頭が参戦し2勝、2着3回、3着1回。勝ち馬2頭は名古屋グランプリからぶっつけか、前走フェブラリーステークスを経て臨んでいた。ただ、競馬場移転により名古屋グランプリが22年から2100mに距離短縮されており、佐賀記念以上に関連が強くなる可能性はあるだろう。

勝つのはこういう馬!

当レースと同じ小回り、かつ同じ距離カテゴリーの佐賀記念を経験したJRA関西馬から狙いたい。差し・追い込み馬は未勝利とあって、競馬場が移転し直線が長くなった今年でも序盤からある程度の位置を取れる馬が好ましい。また、新競馬場は日によって内ラチ沿いを使えるか否か傾向が異なること、さらに3~4コーナーはスパイラルカーブが採用されて直線入口で馬群が広がりやすいことから、新競馬場で騎乗経験がある騎手が望ましいだろう。地方馬を狙うとすれば、所属地を代表する活躍を見せている馬から。

(大恵 陽子)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。