データ分析 Data Analysis

昨年の勝ち馬テイエムサウスダンは翌年も大活躍

JBCスプリント後の短距離路線を締め括るレースとして、12月下旬に園田競馬で施行される当レース。2007年にハンデキャップ競走に変更となり、力量馬には厳しい一戦となったが、JRA勢が第一回以降、全勝している。昨年の勝ち馬テイエムサウスダンは、この後に根岸Sを制し、フェブラリーSでも2着。今年も、当レースをステップに大舞台へと羽ばたいていく馬が出てくることだろう。ここでは、過去10年の結果から傾向を探っていく。

内外互角だが、極端な内枠はややマイナスか

過去10年の3着内延べ30頭の馬番を比較すると、1〜6番が15頭、7番〜12番が15頭と全くの五分。地方競馬は外枠有利が色濃く出るケースもあるのだが、このレースについては内外の有利不利はほとんどないと考えてよい。ただし、21年ワイドファラオ(馬番2番・4番人気4着)、20年サロルン(馬番1番・3番人気5着)、19年ラブバレット(馬番1番・5番人気11着)など、あまり内過ぎると走りが窮屈になるのか、人気ほど走れていない馬が目立っている。[表1]

[表1]3着以内の馬番(過去10年)

12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年
頭数 12頭 11頭 12頭 11頭 12頭 9頭 10頭 11頭 12頭 11頭
1着 6 10 8 3 11 12 6 3 3 5
2着 7 1 1 12 9 4 1 7 5 11
3着 10 6 3 9 12 10 3 9 12 6

注記:15年は7番、17年は2番、7番、11番、18年は2番、9番、21年は1番が取消または除外となっている。

勝ち馬は上位人気から出るが、3連系は波乱の余地アリ

昨年は1番人気→2番人気→3番人気で決着。勝ち馬10頭中9頭が3番人気以内で、残る1頭も4番人気。これだけ聞くと波乱を見込めないレースに思えるが、直近10年で5回、3連単は万馬券になっている。2019年はイルティモーネ、サクラレグナムと2頭の地方馬が絡み、3連単は9万馬券。2018年は1.3倍と圧倒的な人気を背負ったマテラスカイが5着に沈み、3連単39,300円。地方の重い砂質が波乱をもたらしている印象だ。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10年)

単勝人気 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 0 3 3 40.0% 40.0% 70.0%
2番人気 3 3 0 4 30.0% 60.0% 60.0%
3番人気 2 2 1 5 20.0% 40.0% 50.0%
4番人気 1 3 1 5 10.0% 40.0% 50.0%
5番人気 0 0 3 7 0.0% 0.0% 30.0%
6番人気以下 0 2 2 57 0.0% 3.3% 6.6%

9歳以上が5回馬券絡み。高齢馬を侮るなかれ

年齢別の成績をみてみると、年齢別の好走率に大きな差はないが、3歳馬はやや苦戦傾向か。21年3着のイグナイター、19年1着のデュープロセスが馬券に絡んでいるが、20年サロルン(3番人気5着)、19年ランスオブプラーナ(4番人気10着)、13年エーシントップ(1番人気5着)など人気に応えられていないケースが目立っている。逆に9歳以上馬が延べ16頭出走し、5回、3着以内に入っている。その人気は9、3、6、5、4。高齢ゆえに人気の盲点となっていた。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10年)

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 1 0 1 6 12.5% 12.5% 25.0%
4歳 1 1 4 12 5.6% 11.1% 33.3%
5歳 3 1 0 12 18.8% 25.0% 25.0%
6歳 3 2 2 16 13.0% 21.7% 30.4%
7歳 2 1 0 19 9.1% 13.6% 13.6%
8歳 0 2 1 6 0.0% 22.2% 33.3%
9歳以上 0 3 2 10 0.0% 20.0% 33.3%

地方勢の2着、3着好走は多数。特注は高知所属馬

冒頭でも記した通り、JRA勢が第1回から21連勝中。ただし、地方所属馬も2着5回、3着6回と健闘しており、そろそろ1着まで届いてもおかしくないはずだ。注目は延べ7頭出走し3回馬券になっている高知勢(13年エプソムアーロン、14年サクラシャイニー、19年サクラレグナム)。地元兵庫は19年2着のイルティモーネが最高で、昨年はイグナイターが勝ち馬から0.4秒差の3着だった。[表4]

[表4]所属別成績(過去10年)

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 10 5 4 20 25.6% 38.5% 48.7%
兵庫 0 1 3 38 0.0% 2.4% 9.5%
高知 0 1 2 4 0.0% 14.3% 42.9%
岩手 0 1 0 3 0.0% 25.0% 25.0%
浦和 0 1 0 2 0.0% 33.3% 33.3%
川崎 0 1 0 1 0.0% 50.0% 50.0%
北海道 0 0 1 5 0.0% 0.0% 16.7%
船橋 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%
大井 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%
愛知 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%
笠松 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%

5年連続で前走6着以下の馬が勝利。前走着順は問わない

過去10年の3着以内馬で、前走JBCスプリントに出走していたのは8頭。そのうちJBCスプリントで馬券に絡んでいたのは2013年のドリームバレンチノのみで、残る7頭は全て4着以下だった。また、別路線に目を転じてみても、直近5年の勝ち馬はいずれも前走掲示板外からの巻き返し。

勝つのはこういう馬!

過去の傾向を紐解くと、勝ち馬の条件は「JRA所属馬」かつ「当日3番人気以内」となりそう。また、高齢馬の活躍が目立つレースとはいえ、勝ち馬は3〜7歳馬から出ている。また、2014年のメイショウコロンボを除き、勝ち馬は前走でJBCスプリント、カペラS、武蔵野Sのいずれかに出走していた。これらの条件を満たした馬が出走してきたら、前走の着順は問わず、注目すべきだろう。

(松山 崇)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。