レースの見どころ
平成18年(2006年)からハンデキャップ戦として行われている牝馬限定の指定交流競走。今年は最大で6.5キロの斤量差があり、軽量馬の台頭もあり得る一戦。また、本馬場の改修工事が終了し、今開催からクッション砂が今までの宮城県産山砂からオーストラリア産陸砂へ変更されている(砂厚は変更なしで12cmのまま)。馬場傾向の変動にも注意を払いたい。2019年から地方競馬所属馬が3年連続で当競走を制しているが、かしわ記念で強力牡馬たちを蹴散らしたショウナンナデシコやJBCレディスクラシック2着馬グランブリッジを中心に今年の中央勢はなかなか強力な布陣と言える。地方勢は斤量差を生かし、上位に食い込みたい。
前走のJBCレディスクラシックではスタート直後に躓いてしまったが、すぐに立て直して好位外めを追走。向正面で早めに動いたテリオスベルを先に行かせて3コーナー過ぎから徐々に前へ進出。勝ったヴァレーデラルナにはクビ差及ばなかったが、休み明けとすれば上々の内容だった。この時の勝ち馬は不在で3着のショウナンナデシコとの斤量差が2キロから3.5キロに広がる点もプラス。タフな船橋コースにさえ対応できれば3度目の重賞制覇の可能性は大だろう。
今春は重賞初制覇となったエンプレス杯を皮切りに重賞4連勝。特にかしわ記念では強力牡馬たちを撃破してビッグタイトルを獲得した。秋も当然ながらその走りに注目が集まったが、2走前のレディスプレリュード、前走のJBCレディスクラシックでともに1番人気に応えられず、3着まで。春の走りからすれば物足りなさが残る内容。ただ、今回の調整過程を見ると坂路で2週連続800メートル52秒台をマークするなど攻め内容は前回以上。2戦無敗の船橋コースで巻き返しがあっても驚けない。
前走のJBCレディスクラシックも出脚がつかずに後方から。向正面で外から早めに動いて4コーナーでは先頭へ。最後は粘りを欠いて6着に終わったが、見せ場は十分。この時に先着を許したグランブリッジ、ショウナンナデシコは斤量増となるが、自身は同斤量になるため、差を詰められるはず。また、スパイラルカーブの船橋コースがまくる戦法を取るこの馬に合っている可能性を秘めており、侮れない存在だ。
ホウオウピースフルは初ダートとなるが、オルフェーヴル産駒のダート成績は上々。他の中央勢も強敵揃いだが、一発があるとすればこの馬か。最終追いで時計のかかる浦和・野田トレーニングセンターにしては破格の好タイムをマークしたリネンファッション。中央時代の実績や53キロの斤量面からも魅力は十分。51キロ勢では3走前の盛岡遠征で一昨年の覇者サルサディオーネの2着に好走したコーラルツッキー、川崎よりは直線の長い船橋の方が合っていそうなコスモポポラリタに注意を払いたい。
提供 競馬ブック 髙橋 佑典
注記
当ページの情報は、11月29日(火)17時現在のものです。
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。