牝馬ダートグレード競走唯一のハンデ戦
ハンデ戦らしく、配当妙味のある波乱傾向が強い。とはいえトップクラスの牝馬が参戦することも多く、2013年アクティビューティや14年トロワボヌール、17年プリンシアコメータはJBCレディスクラシック2着後にこのレースを勝利。昨年は川崎所属のダイアナブライトが勝利を収めて地方馬は3連勝中と、近年はJRA勢と互角以上の争いを繰り広げている。ここでは12~21年の過去10年の結果から傾向を探る。
数字のうえでは7勝、2着7回のJRA馬が有利だが、地方馬の好走が多い点も大きな特徴。過去10年でJRA勢による上位独占は2014年の1回のみで、19~21年に関しては地方馬が連続V。近年は地方馬の躍進が目立っているだけに、安易にJRA馬を中心に考えるのは危険と言えるだろう。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA | 7 | 7 | 4 | 22 | 17.5% | 35.0% | 45.0% |
大井 | 2 | 2 | 1 | 12 | 11.8% | 23.5% | 29.4% |
川崎 | 1 | 0 | 1 | 2 | 25.0% | 25.0% | 50.0% |
船橋 | 0 | 1 | 2 | 22 | 0.0% | 4.0% | 12.0% |
浦和 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
その他地方 | 0 | 0 | 2 | 37 | 0.0% | 0.0% | 5.1% |
8連対の1番人気が信頼できる存在であることを除けば、人気における大きな差はない。JRA勢が上位を独占した2014年と、9頭立ての少頭数に収まった17年以外の8年は、全て3連単が万馬券の決着。牝馬ダートグレード競走唯一のハンデ戦だけに、一筋縄ではいかない波乱の結果が多く見られる。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 4 | 4 | 0 | 2 | 40.0% | 80.0% | 80.0% |
2番人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
3番人気 | 1 | 2 | 2 | 5 | 10.0% | 30.0% | 50.0% |
4番人気 | 2 | 1 | 1 | 6 | 20.0% | 30.0% | 40.0% |
5番人気 | 0 | 1 | 2 | 7 | 0.0% | 10.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 2 | 1 | 4 | 72 | 2.5% | 3.8% | 8.9% |
ハンデ別の成績を調べてみると、52~56kgまで幅広く勝ち馬は出ているが、55~56.5kgを背負った馬の好走率がひと際目立つ。中でも顕著な傾向が出ているのが出走8頭で4勝、着外4回の55kg。勝った4頭全ての前走がJBCレディスクラシックで、うち3頭は2着に好走していた。例外はJBCレディスクラシックで7着に敗れていた2020年のサルサディオーネだけで、この馬自身は典型的な左回り巧者。同年のJBCは右回りの大井競馬場が舞台だっただけに、参考外の一戦と考えられる。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
51kg | 0 | 0 | 3 | 60 | 0.0% | 0.0% | 4.8% |
52kg | 1 | 1 | 2 | 13 | 5.9% | 11.8% | 23.5% |
53kg | 3 | 0 | 1 | 10 | 21.4% | 21.4% | 28.6% |
54kg | 1 | 4 | 4 | 9 | 5.6% | 27.8% | 50.0% |
55kg | 4 | 0 | 0 | 4 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
56kg | 1 | 3 | 0 | 2 | 16.7% | 66.7% | 66.7% |
56.5kg | 0 | 2 | 0 | 0 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
57.5kg | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
前項でも少し触れたが、JBCレディスクラシックからの参戦馬が活躍するケースが目立ち、延べ33頭が出走して3着以内が16回。実に約半数の馬が馬券圏内に好走している。さらに詳しく見てみると、前走で同5着以内だった馬は延べ12頭で、4勝、2着4回、3着2回と高確率で3着以内に食い込んでいた。JBCレディスクラシック組は前走着順がポイントになりそうだ。[表4]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
前走JBCレディスC | 6 | 7 | 3 | 17 | 18.2% | 39.4% | 48.5% |
うち5着以内 | 4 | 4 | 2 | 2 | 33.3% | 66.7% | 83.3% |
1番人気の信頼度が高く、ハンデ55~56.5kgを背負う実績馬が中心。中でも前走のJBCレディスクラシックで連対した馬が出てくるようなら大幅なプラス材料と捉えてよく、5着以内に好走していた馬までは期待できる。3年連続Vと地方馬の活躍が多いことも頭に入れておきたい。
(前田 恒)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。