暮れから年明けの大一番を見据え中距離馬が激突
約1カ月後に迫る東京大賞典のステップレースとしての位置づけに加えて、年明け最初のJpnI・川崎記念を目指す馬も参戦。過去の勝ち馬にはヴァーミリアン、スマートファルコン、ケイティブレイブといったダートの一時代を築いた実力馬の馬名が並ぶ。今後のダート路線を見極めるうえでも見逃せない一戦。ここでは2012～21年の過去10年の結果から傾向を分析していく。
地方馬はJRA勢と伍する力が必要
JRAが8勝を含む14連対と圧倒的な成績を残し、過去10年のうち5回は上位を独占している。地方馬は2勝で、2014年サミットストーン（船橋）は前走の白山大賞典でレコード決着の0秒1差2着。15年ハッピースプリント（大井）は2歳時に全日本2歳優駿でJpnIを制覇、ジャパンダートダービーでも2着に入るほどの実力馬だった。JRAの強豪と互角以上に渡り合った実績がある地方馬であれば、食い込む資格は十分といえる。［表1］
［表1］所属別成績（過去10年）
| 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
| JRA | 8 | 6 | 8 | 20 | 19.0% | 33.3% | 52.4% |
| 船橋 | 1 | 2 | 0 | 14 | 5.9% | 17.6% | 17.6% |
| 大井 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
| 浦和 | 0 | 1 | 1 | 17 | 0.0% | 5.3% | 10.5% |
| 川崎 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| その他地方 | 0 | 0 | 0 | 16 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
本命決着が大半だが、組み合わせ次第で好配当も
人気別成績を見てみると1番人気と3番人気の率が若干いいが、上位人気馬の成績に大きな差はない。1～5番人気のうちの3頭で馬券圏を占めたのは8回で、そのうちの6回は1～4番人気だった。6番人気以下は2、3着が各1回。過去10年を振り返ると、穴馬の台頭は望み薄という結果になっている。ただし、3連単で1万円以上の配当は5回飛び出しており、組み合わせ次第では上位人気馬同士の決着でも十分に万馬券を狙えるということを頭に入れておきたい。［表2］
［表2］単勝人気別成績（過去10年）
| 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
| 1番人気 | 2 | 3 | 2 | 3 | 20.0% | 50.0% | 70.0% |
| 2番人気 | 2 | 1 | 2 | 5 | 20.0% | 30.0% | 50.0% |
| 3番人気 | 3 | 4 | 1 | 2 | 30.0% | 70.0% | 80.0% |
| 4番人気 | 2 | 0 | 3 | 5 | 20.0% | 20.0% | 50.0% |
| 5番人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
| 6番人気以下 | 0 | 1 | 1 | 57 | 0.0% | 1.7% | 3.4% |
3、4歳の実績馬がV候補
5歳が勝ち切れておらず低調なことを除けば、若い世代のほうが活躍していることが分かる。3歳は8頭が参戦して2勝、2着2回。連対した4頭のうち3頭はジャパンダートダービーで連対歴があり、残り1頭の2018年2着グリム（JRA）は、レパードステークス→白山大賞典を連勝しての参戦だった。また4歳で連対した4頭に関しても17年マイネルバサラ（JRA）以外はダートグレード競走でV歴。実績十分の3、4歳馬が出てくれば争覇圏内と考えていいだろう。［表3］
［表3］年齢別成績（過去10年）
| 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
| 3歳 | 2 | 2 | 0 | 4 | 25.0% | 50.0% | 50.0% |
| 4歳 | 3 | 1 | 2 | 9 | 20.0% | 26.7% | 40.0% |
| 5歳 | 0 | 2 | 2 | 11 | 0.0% | 13.3% | 26.7% |
| 6歳 | 3 | 2 | 1 | 12 | 16.7% | 27.8% | 33.3% |
| 7歳 | 2 | 1 | 2 | 24 | 6.9% | 10.3% | 17.2% |
| 8歳以上 | 0 | 2 | 3 | 19 | 0.0% | 8.3% | 20.8% |
主要ステップは3レース
浦和記念で3着以内に好走した馬の臨戦過程を調べてみると、延べ30頭のうち21頭が、「白山大賞典」「JBCクラシック」「日本テレビ盃」からの参戦だった。白山大賞典組9頭のうち8頭が前走で3着以内。日本テレビ盃組は全ての馬が前走5着以内。ただしJBCクラシック組は最高が5着で、ほとんどが大きく敗れていた馬だった。このあたりを線引きにして馬券は組み立てたい。［表4］
［表4］3着以内馬の前走（過去10年）
| 1着 | 2着 | 3着 | |
| 白山大賞典 | 4 | 3 | 2 |
| JBCクラシック | 3 | 2 | 3 |
| 日本テレビ盃 | 1 | 1 | 2 |
| 上記以外 | 2 | 4 | 3 |
JRA所属で、ダートグレード競走において能力を示していた3、4歳馬が狙い目。白山大賞典、JBCクラシック、日本テレビ盃からの臨戦ならプラス材料。地方馬に関しては、JRAの強豪と互角に渡り合った経験があれば軽視は禁物。
（前田 恒）
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。
