強豪牝馬が集結するJBCレディスクラシックの前哨戦
Road to JBCとして1着馬にはJBCレディスクラシックへの優先出走権が与えられる。本レースの勝ち馬はJBCレディスクラシックでも当然人気になるが、2011・12年（第1・2回）を連覇したミラクルレジェンド、13年のメーデイアを最後に、本レースからJBCレディスクラシックを連勝する馬は出ていない。ここでは12年～21年まで過去10年のデータをもとに傾向を探る。
やや外枠有利
大井1800mは、羽田盃や東京プリンセス賞など重賞が多く行われている舞台で、外回りコースが使用される。フルゲート（16頭）になったのは過去10年で2度しかないなかで10回中8回（のべ12頭）で二桁馬番が馬券にからみ、特に20年は二桁馬番が独占。一方で1～3番は5頭しか馬券がらみがなく、やや外枠有利といえる。［表1］
［表1］3着以内馬の馬番（過去10年）
| 年 | 12年 | 13年 | 14年 | 15年 | 16年 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年 |
| 頭数 | 13頭 | 13頭 | 10頭 | 14頭 | 14頭 | 16頭 | 14頭 | 12頭 | 16頭 | 10頭 |
| 1着 | 7 | 8 | 6 | 12 | 3 | 15 | 9 | 2 | 10 | 8 |
| 2着 | 13 | 11 | 3 | 4 | 8・11 | 5 | 12 | 10 | 12 | 3 |
| 3着 | 8 | 1 | 4 | 10 | 10 | 7 | 8 | 13 | 6 |
注記：12年6番は出走取消、16年は2着同着
上位人気馬中心も、連下には人気薄も
1番人気馬の連対率は80％と安定しており、優勝馬はすべて4番人気以内。一方で4番人気以内での決着はちょうど半分の5回。2、3着には6番人気以下の馬が5頭入っており、軸は上位人気馬でよさそうだが、年によっては伏兵の好走で波乱になっている。［表2］
［表2］単勝人気別成績（過去10年）
| 単勝人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
| 1番人気 | 5 | 3 | 0 | 2 | 50.0% | 80.0% | 80.0% |
| 2番人気 | 2 | 2 | 2 | 4 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
| 3番人気 | 2 | 3 | 1 | 4 | 20.0% | 50.0% | 60.0% |
| 4番人気 | 1 | 0 | 3 | 6 | 10.0% | 10.0% | 40.0% |
| 5番人気 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
| 6番人気以下 | 0 | 3 | 2 | 77 | 0.0% | 3.7% | 6.1% |
注記：16年は2着同着
活躍の中心は4・5歳馬
5歳馬は出走頭数も多いが5勝、2着6回と、各世代の中で最も高確率で馬券に絡んでいる。次いで4歳馬が3勝、2着3回。6歳以上馬は勝率だけでなく3着内率も下がるので、中心は4・5歳馬。［表3］
［表3］年齢別成績（過去10年）
| 年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
| 3歳 | 1 | 0 | 3 | 10 | 7.1% | 7.1% | 28.6% |
| 4歳 | 3 | 3 | 2 | 28 | 8.3% | 16.7% | 22.2% |
| 5歳 | 5 | 6 | 3 | 35 | 10.2% | 22.4% | 28.6% |
| 6歳 | 1 | 2 | 0 | 21 | 4.2% | 12.5% | 12.5% |
| 7歳 | 0 | 0 | 1 | 8 | 0.0% | 0.0% | 11.1% |
注記：16年は2着同着
JRA馬が中心
優勝馬は全てJRA馬で、3着内馬全体で見ても30頭中27頭がJRA馬だった。地方馬は苦戦傾向にあるが、16年2着（同着）トーコーヴィーナス（兵庫）が9番人気、18年2着ブランシェクール（大井）が6番人気、同3着アルティマウェポン（北海道）が13番人気と、地方馬が馬券にからむと波乱となる。［表4］
［表4］所属別成績（過去10年）
| 所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
| JRA | 10 | 9 | 8 | 22 | 20.4% | 38.8% | 55.1% |
| 大井 | 0 | 1 | 0 | 30 | 0.0% | 3.2% | 3.2% |
| 船橋 | 0 | 0 | 0 | 9 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 川崎 | 0 | 0 | 0 | 8 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 浦和 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| その他地方 | 0 | 1 | 1 | 29 | 0.0% | 3.2% | 6.5% |
注記：16年は2着同着
差し馬が活躍
4コーナー先頭で1着となった馬は13年のメーデイアと、21年のレーヌブランシュのみで、2、3着馬まで見ても16年2着（同着）のトーコーヴィーナスだけ。逃げや早め先頭は相当に力がないと難しい。一方、4コーナーで4番手以下だった馬の優勝が5回あり、直線の長い外回りコースを使用することもあって差し馬の台頭に注意を払いたい。
4番人気以内で4・5歳のJRA馬が中心。大井の長い直線で末脚勝負の馬には有利。
（栗田 勇人）
1着
2着
3着
【注記】ダートグレード競走に格付けされた2013年からのデータとなります。2016年は2着同着。
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。
