砂の名牝を目指して駆け上がれ!
実績と距離適性が重視される大井1800m戦。12年にハルサンサン(船橋)が制したのを最後に地方所属馬は9年連続でJRA馬に敗れている。ここでは、過去10年(12~21年)の結果から傾向を探っていく。
JRAが9勝、2着8回、3着9回と圧倒的な成績を収めており、過去10年で6回1~3着を独占。地方馬は劣勢を強いられている。地方馬で馬券に絡んだうちの3頭は大井所属で、もう1頭は船橋所属。19年の2着馬マルカンセンサー(大井)を除く3頭には1800m以上の重賞で3着以内の実績があった。他の地方勢は4着があるのみで、馬券圏内は1度もない。JRA馬を中心に、距離適性を示している大井所属馬が参戦すれば押さえてみてもいいかもしれない。[表1]
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
JRA | 9 | 8 | 9 | 24 | 18.0% | 34.0% | 52.0% |
船橋 | 1 | 0 | 0 | 7 | 12.5% | 12.5% | 12.5% |
大井 | 0 | 2 | 1 | 28 | 0.0% | 6.5% | 9.7% |
川崎 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
浦和 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
その他地方 | 0 | 0 | 0 | 19 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
4~6歳で9勝をマーク。特に4歳は勝率、連対率、3着内率のいずれも高水準。一見するとフレッシュな馬の活躍が目立つ印象だが、8歳以上のベテランがのべ6頭の出走で3度の馬券圏内と意地を見せている。そのうちの2頭はダートグレードでV歴があり、実績のある高齢馬が参戦してきた場合は軽視できない結果となっている。[表2]
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
4歳 | 5 | 4 | 2 | 21 | 15.6% | 28.1% | 34.4% |
5歳 | 2 | 2 | 5 | 23 | 6.3% | 12.5% | 28.1% |
6歳 | 2 | 2 | 1 | 23 | 7.1% | 14.3% | 17.9% |
7歳 | 1 | 0 | 1 | 15 | 5.9% | 5.9% | 11.8% |
8歳以上 | 0 | 2 | 1 | 3 | 0.0% | 33.3% | 50.0% |
馬番で見ると、9~14番が3着以内に10頭入っており、枠番では6~8枠に入った先行馬が8年で連対。連対を外した2年では、8頭立ての15年は7番が3着。19年は内を通った馬が有利な馬場状態で1→2→6番で決着しており、度外視していいだろう。1番と2番は前記した19年を除けば、2、3着が各1回のみと信頼度は低い。外枠からもまれずに先行できる馬が力を発揮していると判断して良さそうだ。[表3]
年 | 12年 | 13年 | 14年 | 15年 | 16年 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年 |
頭数 | 11頭 | 14頭 | 11頭 | 8頭 | 11頭 | 12頭 | 14頭 | 13頭 | 12頭 | 9頭 |
1着 | 6 | 10 | 8 | 5 | 7 | 7 | 12 | 1 | 12 | 4 |
2着 | 3 | 4 | 3 | 4 | 2 | 8 | 14 | 2 | 7 | 9 |
3着 | 1 | 5 | 11 | 7 | 9 | 9 | 11 | 6 | 9 | 3 |
※18年は15番競走除外
単勝人気では、1番人気は4勝、2着1回、3着3回、2番人気は3勝、2着2回、3着1回。地方馬が勝った12年と、19、20年を除けばいずれかが勝利を挙げている。ただし1、2番人気のワンツー決着は1度だけ。3、4番人気が勝ち切れていない反面、5、6、7番人気が1勝ずつで、6番人気以下の伏兵が6頭も馬券圏内に好走する奮闘を見せている。21年は1→3→4番人気で堅い決着となったが、17~20年は3連単が万馬券決着。ヒモ荒れに注意したい。[表4]
単勝人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1番人気 | 4 | 1 | 3 | 2 | 40.0% | 50.0% | 80.0% |
2番人気 | 3 | 2 | 1 | 4 | 30.0% | 50.0% | 60.0% |
3番人気 | 0 | 1 | 3 | 6 | 0.0% | 10.0% | 40.0% |
4番人気 | 0 | 2 | 1 | 7 | 0.0% | 20.0% | 30.0% |
5番人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 2 | 3 | 1 | 59 | 3.1% | 7.7% | 9.2% |
前年のJBCレディスクラシックJpnIに出走していた馬が5勝をマーク。頂点に立って参戦した馬はそのうち4頭おり、17、18年はVとはならなかったものの3着、4着に好走。19、21年はJpnIで6、3着に敗れた馬がこのレースで勝利を飾ったように、強豪にもまれてきた経験を生かして活躍する馬が多く、関連性は高い。JRA所属馬であれば重賞実績がない馬でも好走できる傾向にあり、近走安定感を示している馬や、前走を勝って勢いに乗っている馬には注意が必要だ。
JRA所属馬と考えて良さそうだ。中でも『前年のJBCレディスクラシックJpnIに参戦していた4~6歳で、6~8枠など外枠に入った先行馬』がいれば狙い目。また、『JRA2勝クラスや3勝クラスで安定感を見せていた伸び盛りの4、5歳』が13、17、18年で勝利。該当する馬が出てくるようなら実績では劣っていても押さえておいたほうが良さそうだ。
(前田 恒)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。