出走馬は北海道とJRAが例年中心の短距離戦
過去にはサウスヴィグラス、アグネスジェダイ、セレスハント(いずれもJRA)が連覇を達成しており、勝ち馬にはスピード自慢が名を連ねる。過去10年の結果から傾向を分析していく。
馬番別では、10~14番が5勝と外枠の勝利が最も多い。1~5番の内枠も4勝と肉薄しており、内と外の首位争いという構図。対して、6~9番の中枠は1勝、2着5回、3着3回と勝ち切れていないことがうかがえる。3着以内の好走率に大きな差はないが、単勝や連単系の馬券を買うなら内か外が狙い目だ。[表1]
年 | 11年 | 12年 | 13年 | 14年 | 15年 | 16年 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年 |
頭数 | 13頭 | 13頭 | 14頭 | 14頭 | 14頭 | 13頭 | 16頭 | 16頭 | 16頭 | 14頭 |
1着 | 1 | 10 | 1 | 14 | 8 | 11 | 3 | 3 | 12 | 13 |
2着 | 13 | 2 | 8 | 7 | 6 | 8 | 14 | 5 | 16 | 9 |
3着 | 8 | 9 | 11 | 2 | 5 | 5 | 9 | 10 | 3 | 12 |
注記:12年は12番が出走取消、20年は2番が出走取消し2着同着
1番人気がオール3着以内で勝率40%、連対率70%と安定感抜群。3番人気も4勝の活躍で3着内率は70%。2番人気は15年シゲルカガ(JRA)の1勝のみだが、馬券圏内は7回とこちらも堅実で、半数の5回が1~3番人気の決着だった。ここ2年は、北海道所属のメイショウアイアンが低評価を覆して2、1着と大健闘を見せたが、4番人気以下は成績が大幅に下がっており、基本的には上位人気3頭を中心に考えるのがセオリーとなっている。[表2]
単勝人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1番人気 | 4 | 3 | 3 | 0 | 40.0% | 70.0% | 100.0% |
2番人気 | 1 | 5 | 1 | 3 | 10.0% | 60.0% | 70.0% |
3番人気 | 4 | 1 | 2 | 3 | 40.0% | 50.0% | 70.0% |
4番人気 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
5番人気 | 0 | 1 | 2 | 7 | 0.0% | 10.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 1 | 1 | 0 | 91 | 1.1% | 2.2% | 2.2% |
注記:20年は2着同着
勝利数は6歳が最多の4勝で、6歳以上のベテランが7勝と意地を見せている。出走頭数は少ないが3歳に馬券絡みはなく、4歳は1、2着が各1回。5歳が2勝と年齢を重ねて成績が上昇傾向にある。ちなみに、4、5歳で勝利を挙げた3頭のうち2頭はダートグレード競走で2着歴があり、重賞初制覇のめどが立っていた。[表3]
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
3歳 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
4歳 | 1 | 1 | 0 | 7 | 11.1% | 22.2% | 22.2% |
5歳 | 2 | 3 | 2 | 21 | 7.1% | 17.9% | 25.0% |
6歳 | 4 | 5 | 0 | 25 | 11.8% | 26.5% | 26.5% |
7歳 | 1 | 1 | 3 | 15 | 5.0% | 10.0% | 25.0% |
8歳以上 | 2 | 1 | 4 | 41 | 4.2% | 6.3% | 14.6% |
注記:20年は2着同着
グレード別定戦で、GI・1着馬に3kg、GII・1着馬に2kg、GIII・1着馬に1kgが増量される(GにはJpnも含む。2歳時の成績は除く)。メンバー中で最も重い重量を背負った馬は3着が最高と明らかに苦戦傾向。ちなみにGI勝ち馬は、16年スプリンターズステークスGI優勝馬のスノードラゴン(JRA)が16~18年に3年連続で3着に好走したのみ。12~14年のサマーウインド(JRA)、15年タイセイレジェンド(JRA)、18年ニシケンモノノフ(JRA)はいずれもJBCスプリントJpnIを制した実績がありながら馬券圏外に沈んでいるように、GI勝ちの実績があっても結果に直結しない。過去10回のうち8回で56kgか57kgでの勝利。ただし19年の勝ち馬は牝馬で54kgのヤマニンアンプリメ(JRA)。実績では劣っていても軽視できない。[表4]
負担重量 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
59kg | 0 | 0 | 3 | 5 | 0.0% | 0.0% | 37.5% |
58kg | 1 | 0 | 0 | 3 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
57kg | 3 | 2 | 5 | 3 | 23.1% | 38.5% | 76.9% |
56kg | 5 | 9 | 1 | 84 | 5.1% | 14.1% | 15.2% |
55kg | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.0% | 0.0% | 0,0% |
54kg | 1 | 0 | 0 | 14 | 6.7% | 6.7% | 6.7% |
53kg以下 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
注記:20年は2着同着
名古屋のかきつばた記念JpnIIIが主要なステップレースとなっており、3勝をマークして2、3着が各2回。前走に限らず、同年の東京スプリントJpnIIIを使っていた馬も好成績で、4勝を含む11回の馬券圏があった。また、天王山ステークス(京都1200m)、千葉ステークス(中山1200m)からの参戦馬が各1勝を挙げており、ここをステップに挑んできた馬はチェックしたい。他にもセレスハント(JRA)が連覇を含む3回、スノードラゴン(JRA)は4回の馬券絡みと、リピーターの好走が多い点にも注意が必要だ。
『内枠もしくは外枠に入った上位人気馬』で良さそうだ。その上で『6歳以上の古豪に加えて、同年のかきつばた記念JpnIIIや、東京スプリントJpnIIIを使っていた臨戦過程』ならV有力と言えるだろう。リピーターが多い点から適性の差が出ており、過去にこのレースで好走した実績がある馬にも注意を払いたい。
(前田 恒)
1着
2着
3着
【注記】2020年は2着同着。
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。