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2019地方競馬
ジョッキーズチャンピオンシップ

各地のリーディングジョッキーが熱い戦いを繰り広げて地方競馬No.1ジョッキーを目指す『地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ』。

本年から各ステージ名称を、「チャレンジステージ」「ファーストステージ」「ファイナルステージ」と一新し、優勝者は8月24日(土)、25日(日)にJRA札幌競馬場で実施される『2019ワールドオールスタージョッキーズ』(国際騎手招待)の地方競馬代表候補騎手に選定されます。(準優勝者は地方競馬代表補欠候補騎手)

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レース名 実施日 競馬場
チャレンジステージ 5.21(火) 金沢
ファーストステージ 6.2(日) 盛岡
ファイナルステージ 6.20(木) 園田
  • ファイナルステージ

6.20 (木) 園田

吉村騎手が地元園田で連勝
 11位から逆転で世界の舞台へ

第1戦

第2戦

リポート動画

8月24、25日にJRA札幌競馬場で行われるワールドオールスタージョッキーズへ向けた最終決戦の地・園田競馬場にファーストステージ盛岡の上位12名が集結した。

ポイントトップは2016年の覇者・永森大智騎手(高知)で「気負わずに乗りたいです」と話した。一方、「今年こそ優勝を!と意気込んでいます」と気合いを見せたのは4位の森泰斗騎手(船橋)。全国リーディングに輝いたこともありながら、前身のスーパージョッキーズトライアル時代を含め初優勝を狙う。山本聡哉騎手(岩手)は「腰を痛めて大事をとって17、18日のレースを休みましたが、今日はなんだかいけそうです」と入念にストレッチ。その横で昨年の覇者・桑村真明騎手(北海道)が「園田は3回目くらいなんですが、向正面が膨らんでいるんです」とコースの印象を話した。矢野貴之騎手(大井)も「園田はあまり来ることがないので」と乗り慣れない騎手がいる中、「僕の庭ですから!」と地元の吉村智洋騎手(兵庫)はニヤリと笑った。

第1戦、ゲートが開くと外から先頭に立ったのは森騎手。その後ろに吉村騎手、内に真島大輔騎手(大井)、桑村騎手と続き、この4頭が先行グループを形成。少し離れて中団グループ、さらに離れて後方グループと馬群は3つに分かれた。3~4コーナーを迎え、手綱を持ったままの森騎手に対し、追いながら食らいついて行く吉村騎手。直線では昨年、大晦日まで全国リーディングを争った2人の叩き合いになり、リーディング争いと同じく半馬身、前に出た吉村騎手が勝利した。

「馬は頑張ってくれましたが、園田のトップにねじ伏せられたという感じですね」と森騎手。3着は2馬身半差で真島騎手で「少し出遅れましたが、上手く立ち回って終い(の脚)もしっかり使ってくれました」

第1戦を終えると、各騎手はレースの感想を話すよりも現在のポイントが気になる様子。森騎手は「いま1位ですかね?」と自身の順位を把握しており、「最後は勝って札幌に行きたいですね」と話した。暫定2位は佐藤友則騎手(笠松)と永森騎手が並んだ。佐藤騎手はファーストステージ2位通過で、第1戦を11番人気ながら4着に持ってくると「気楽に乗れたのがいいのかな!?」と笑った。永森騎手はじっくりポイント表を見て、計算。「吉村さんが次も勝ったら、厳しいですね」と第2戦で本命馬に騎乗する吉村騎手を警戒した。

重賞・園田FCスプリントを挟んで最終レースに行われた第2戦。1700メートル戦ながら、出走馬の中には距離初経験となる馬もいて、距離適性が1つのポイントともなった。

専門紙に重い印が並んだのは吉村騎手のロジキャロル。大井から転入2戦目で、前走は同距離2着。ゲートが開くと逃げの手に出た。それをマークするように2番手にぴたりと佐藤騎手が続いた。スローペースの中、ホームストレッチでは中団に構えていた森騎手が「我慢していても上位は難しいかな」と前に進出するも、1400メートルを中心に使われていた馬とあって、そこまで。3~4コーナーに差し掛かると同じく中団にいた永森騎手が先頭めがけて追い上げてきたが、「そのひと脚だけになってしまいました…」と直線では脚が上がった。

それらを尻目に、後続を3馬身離して吉村騎手が勝利。森騎手が2着だった場合のみ、吉村騎手の優勝は叶わないが、「ゴールの瞬間、すぐに2着を確認したら森さんじゃなかったので、優勝を確信しました」と吉村騎手。引き揚げてくると左手でガッツポーズをつくった。

ファーストステージ盛岡は13着、8着で「ファイナルステージに進めますか?」と心配する中、11位でギリギリ通過。2015年に藤田弘治騎手(金沢)がファーストステージ下位通過から逆転優勝した例を聞いても、「そんな荒技、なかなかできないでしょ」と盛岡では苦笑していたが、それが現実となった。昨年は初めての地元リーディングだけでなく、全国リーディングに輝き、2週間前には念願の兵庫ダービー初制覇も遂げた。「たまたま運がいいだけです」と謙遜するが、間違いなく“いま最も勢いのある騎手”の1人だろう。「世界の名手と乗れることは、とにかくワクワクしています。いろんなことを勉強してきたいです」と夏の世界戦へ目を輝かせた。

  • 取材・文
  • 大恵陽子
  • 写真
  • 早川範雄(いちかんぽ)

Comment

総合優勝 吉村智洋騎手(兵庫)

2戦目は後ろから来ているのはわかっていましたが、長くいい脚を使う馬なので3コーナーから離していきました。園田は僕の庭なので、「好き勝手はさせないぞ」という地元の意地がありました。昔からずっと夢見ていた舞台。世界の名手が揃う戦いは楽しみしかないです。

総合2位 永森大智騎手(高知)

2戦目は折り合い重視で進めて、ポジションも良かったです。馬も一生懸命走ってくれましたが、若干距離が長かったです。ファーストステージを1位で通過しましたが、結果的にはこんなものでしょう。

総合3位 森泰斗騎手(船橋)

まだ優勝のチャンスはあると思ってファイナルステージに来ました。逃げた1戦目は勝ちたかったですが、納得のいくレースでした。2戦目を前にポイントトップに立って、最後は勝って札幌に行きたかったですね。2戦目はこの馬にとっては距離が長かったです。