1. Presented by National Association of Racing
  2. 地方競馬のオンライン情報誌ウェブハロン
  3. ダートグレード競走を中心としたレースハイライトや、シリーズ競走等の特集、各種連載など盛りだくさんの情報をお届けします。

レーススケジュール・概要を開く

2019地方競馬
ジョッキーズチャンピオンシップ

各地のリーディングジョッキーが熱い戦いを繰り広げて地方競馬No.1ジョッキーを目指す『地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ』。

本年から各ステージ名称を、「チャレンジステージ」「ファーストステージ」「ファイナルステージ」と一新し、優勝者は8月24日(土)、25日(日)にJRA札幌競馬場で実施される『2019ワールドオールスタージョッキーズ』(国際騎手招待)の地方競馬代表候補騎手に選定されます。(準優勝者は地方競馬代表補欠候補騎手)

皆様のご支援、ご声援をお願いいたします。

NARサイト 特設サイトはこちら

レース名 実施日 競馬場
チャレンジステージ 5.21(火) 金沢
ファーストステージ 6.2(日) 盛岡
ファイナルステージ 6.20(木) 園田
  • チャレンジステージ

5.21 (火) 金沢

真島・赤岡騎手が勝利
 同ポイントで本戦出場

第1戦

第2戦

リポート動画

8月24日、25日にJRA札幌競馬場で実施される『2019ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)』の地方代表を選定する、2019地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップのチャレンジステージが金沢競馬場で行われた。昨年度の各競馬場での勝利数順位が2位の騎手に出場資格があるが、愛知2位の丸野勝虎騎手が負傷療養中のため3位村上弘樹騎手が出場することとなった。

今年は23歳から56歳まで、年の差33歳にわたる幅広い年代からジョッキーが集まった。「念願の初出場です!」と目を輝かせたのは5月10日に地方通算100勝を達成したばかりの保園翔也騎手(浦和)。デビュー4年目で、ヤングジョッキーズシリーズ経験者の出場はこれが初めてとなる。同じく初出場の村上弘樹騎手(愛知)が「これまでと変わらずやっている中で、チャンスが巡ってきたのでがんばりたいです」と話すと、同期の中島龍也騎手(金沢)がやってきて「僕らは(地方競馬)教養センターに入所前の専門学校から一緒だったよな」と思い出話に花が咲いた。張田昂騎手(船橋)は「めったにないチャンス」、町田直希騎手(川崎)は「全国の腕のある騎手が集まっていて楽しみ」と5名の初出場騎手はそれぞれの抱負を語った。

若手たちが「装鞍所ってどこだろう?もう行った方がいいのかな?」と互いに聞き合う一方で、ベテラン勢は慣れた様子でレースの準備を進めた。そんな中、「間に合うかな?」と村上忍騎手(岩手)が心配したのは服部茂史騎手(北海道)。悪天候により飛行機のダイヤが乱れ、到着が大幅に遅れていたのだ。全国から集うだけに起こり得るアクシデントではあるが、なんとかギリギリに到着。「1戦目の馬に跨ったら、『やっときたか?俺は気合十分だぞ!』みたいな感じでしたね(笑)」とジョーク混じりに安堵の表情を浮かべた。

第1戦の人気は割れ気味。その人気上位の1頭だった町田騎手の騎乗馬が発走直前に競走除外となり、真島騎手、村上忍騎手、服部騎手、張田騎手が単勝3~5倍台のオッズとなった。

好スタートを決めたのは服部騎手。外から田中学騎手(兵庫)が並びかけ、そのうしろには村上弘樹騎手が「みんなが言うほど内側は深くないのかも」とややインにコースを取った。馬群は凝縮して勝負どころへ。中団にいたはずの赤岡修次騎手(高知)がインコースを通って、4コーナーではあっという間に2番手集団まで上がってきていた。直線に向いてじわじわと伸びると、「スタートでトモを滑らせてしまって」と後方から外を伸びてきた村上忍騎手をクビ差凌いで勝利。1馬身半差の3着に逃げ粘ったのは服部騎手で、アタマ差4着は「昨年の悔しさを晴らしたかったんですが、直線でムチを落としてしまって……」と筒井勇介騎手(笠松)で、さらに3/4馬身差で村上弘樹騎手だった。

高知で期間限定騎乗経験もある地元の畑中信司騎手は「赤岡さん、3コーナーは内を通って直線は外に出すっていう高知らしい乗り方をしてきましたね」と話すと、別の地元騎手は「次のレースも赤岡さんが勝つんじゃない?力が上位の馬だよ」と言った。

第2戦は赤岡騎手と中島騎手が人気を分け合うかたち。好スタートを決めた中島騎手はすぐに控え、ダッシュを利かせた田中騎手と服部騎手がレースを引っ張った。赤岡騎手はグッと抑えながら5番手。外に中島騎手、すぐうしろに真島騎手がつけて3コーナーへ。伸びあぐねる赤岡騎手を交わして真島騎手が先行勢へ追い上げをかけると、4コーナーでは最内へ。不良馬場で真っ黒になった芦毛の馬体が躍動し、1着でゴールした。1馬身差2着には向正面でも先頭から20馬身以上後方にいた町田騎手が追い込み、さらに1馬身半差3着に中島騎手が粘った。アタマ差4着に鮫島克也騎手(佐賀)で、半馬身差5着は服部騎手。

4コーナーをロスなく回って6着を確保した赤岡騎手は戻ってくるなり「何着?本戦行ける?」とマスコミ陣に逆質問。「1戦目が着外(6着)だったのでダメかと思っていた」という真島騎手と同点38ポイント(規定により優勝は真島騎手)で6月2日盛岡競馬場にて行われるファーストステージへの出場権を獲得。

冬のオフシーズン中に馬場全面改修を行ったことで傾向がガラッと変わった金沢競馬場。昨年の圧倒的イン有利から一転、ラチ沿いを空けて走るようになった。優勝した真島騎手は「勝負どころで外に出せない感じでしたが、空いていた内でも大丈夫かなと思って」、2位赤岡騎手も「高知のように内ラチ沿いを空ける競馬場の乗り方をしました」と馬場攻略が光ったチャレンジステージだった。

1週間半後、いよいよ夏の札幌・世界戦に向けた本戦が盛岡で開幕。園田のファイナルステージまで目が離せない。

  • 取材・文
  • 大恵陽子
  • 写真
  • 早川範雄(いちかんぽ)

Comment

チャレンジステージ1位 真島大輔騎手(大井)

2戦目は人気の2頭を前に見ながらレースを進めました。4コーナーでは「勝つのでは!?」というくらい手応えがすごく良かったです。以前はJRAで乗りたい気持ちが強くて空回りしていましたが、ここ数年は気負うことなく乗れるようになりました。盛岡でも普段通り乗れればと思います。

チャレンジステージ2位 赤岡修次騎手(高知)

当日入りの予定でしたが、天気予報を見て前日のうちに関西まで移動。結果的に搭乗予定の飛行機が欠航になったのでよかったです。1戦目は内がギリギリ使えると思って通りました。直線は外に出すという高知と同じ乗り方をしました。本戦は3年ぶり。やっとこれからがWASJへの予選なので次もがんばります!