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特集

レディスヴィクトリーラウンド2018

LADIES VICTORY ROUND 2018
 各ラウンドにおいて2競走実施し、女性騎手のみをポイントの対象として、ラウンド優勝者に表彰を行うとともに、3ラウンド総合優勝者を最終戦名古屋ラウンドにおいて表彰いたします。
 佐賀ラウンドに先がけ、ばんえい帯広において、ばんえいエキシビションレースとして、竹ケ原茉耶騎手(ばんえい所属)、下村瑠衣元騎手、鈴木麻優元騎手との共演イベントを行います。
 競走実施日にお客様向けに各種イベントを実施するとともに、鈴木麻優元騎手がLVR2018公式アンバサダーとして、各競馬場に来場いたします。
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1st Round 佐賀ラウンド

10月7日(日) 佐賀競馬場

第1戦

木之前 葵(愛知)

スカーレットベスト

競走成績MOVIE

第2戦

岡村 健司(佐賀)

ダノンイーグル

競走成績MOVIE
ポイント表

リポート動画

第1戦制した木之前騎手が1位 6着、2着の宮下騎手が2位

 今年度は宮下瞳騎手(愛知)、木之前葵騎手(愛知)、別府真衣騎手(高知)の3名で争われるレディスヴィクトリーラウンド(LVR)。開幕に先駆けて行なわれた9月3日ばんえいエキシビションレース(帯広)での鈴木麻優元騎手と下村瑠衣元騎手に、特別参加の竹ケ原茉耶騎手(ばんえい)というのは、昨年と変わらぬ顔ぶれだったが、10月7日の佐賀ラウンドでは「3人で寂しい」という声が参加した女性騎手から聞こえてきた。
 LVR公式アンバサダーの鈴木元騎手が「みんなで力を合わせて頑張ってください」とエールを送ると、地方競馬における女性騎手最多勝記録を更新中の宮下騎手は「魅力あるレースを見せます」と笑った。また先9月17日、地方通算700勝を達成した別府騎手はその4日前に宮川実騎手(高知)と入籍。「幸せです。LVR3連覇を目指して頑張ります」と話すと、騎手同士の夫婦としても先輩にあたる宮下騎手から「レース中は夫婦であることを忘れて、家庭では競馬を忘れるようにするのが円満の秘訣」とアドバイスを受けた。木之前騎手は競馬場に着いた頃からいつも以上にはつらつとした笑顔。「今日は調子がいいので、やれそうな気がします。今年はLVRで勝ちたいです」と、未勝利だった昨年のリベンジを誓った。
 地元の男性騎手7名を加えて行なわれた佐賀ラウンド。第1戦(1400メートル)は2戦続けて2着の馬に騎乗する宮下騎手と別府騎手が単勝1、2番人気を分け合った。宮下騎手は「佐賀は内側をどのくらい空けて走ればいいか難しいですが、思い切って馬場の真ん中を通って逃げようかな」というプラン。ゲートが開くと女性騎手3名ともが好スタートの中、別府騎手が出ムチを入れてダッシュをつけた。「2番手を取りに行こうとしたら、想像以上に速かったです」とそのままハナへ。宮下騎手は「砂を被らなければいいかな」と、逃げ馬の外2番手に切り替えた。一方、木之前騎手は「スタートを出たけど周りの方が速くて、終いを重視しました」と控えた。
 向正面では「ずっとフワフワしていて、外から馬が来た時にも反応がなくて……」と宮下騎手は手応えが怪しくなる。一方、3~4コーナーで内から差し脚を伸ばしたのは木之前騎手。「岡村健司騎手がそこを通っていたので」と距離ロスを抑えて直線へ向くと、逃げ粘る別府騎手とゴール前で外から伸びてきた岡村騎手との叩き合いを制して勝利した。「久しぶりにLVRで勝てて嬉しいです」というこの勝利で木之前騎手は地方通算300勝に王手をかけた。アタマ差2着は岡村騎手で、そこからハナ差で別府騎手が3着、宮下騎手は6着だった。
 続く2戦目も1400メートル戦。ここでも単勝1番人気は1.7倍で宮下騎手。騎乗するフォークローバーは笠松A級から佐賀に転入後2連勝中で、5番手に位置取った。「抜け出すと遊ぶと聞いていたので、じっくり行こうと思いました。それに、周りを見たら女子がいなかったので、『ここで前に行ってもなぁ』と思って」と、別府騎手と木之前騎手を意識。また別府騎手も馬群を見る形でレースを進めながら「どこまで(宮下)瞳さんに追いつけるかな」と考えていた。
 一方、木之前騎手は「1戦目はそんなことなかったのですが、1コーナーくらいから砂で前が見えづらくなってしまって」と焦っていた。勝負どころから宮下騎手は「前が団子状態で進路に迷った」といい、直線入口では前の2頭の間を突いた。そこから脚を伸ばしたが、岡村騎手に3/4馬身届かず2着。「直線は外に出そうかとも思ったのですが……そしたら結果が変わっていたかなぁ!?」と肩を落とした。木之前騎手はここでもコーナーで内を通って5着。別府騎手はゴール前、差し脚を伸ばすも6着で「3人しかいない分、女性騎手に先着できるかどうかで大きく変わりますよね」と女子限定ポイントを意識していた。
 2戦を終えて佐賀ラウンドトップ通過は1、5着の木之前騎手で50ポイント。2位の宮下騎手とは15ポイント差だが「1着をとれば逆転される差なので、この後の高知、名古屋もがんばりたいです」と話した。昨年、一昨年と最終戦勝利で総合優勝した別府騎手は3位で、「何が起こるか分からないのがLVRのいいところ。地元の高知では巻き返します」と意気込んだ。次回の高知ラウンドは10月28日。少人数にはなったが、熱戦が繰り広げられている。
取材・文:大恵陽子
写真:国分智(いちかんぽ)

インタビュー

佐賀ラウンド1位
木之前葵騎手(愛知)
差しが決まっているレースがあったので、そういうレースをしようと思っていました。1戦目は必死に追っていてゴール板がどこか分かりませんでしたが、馬が強かったです。2戦目は経験不足でうまく乗っていれば勝てたかな、と反省です。早く300勝を決めたいですし、LVR高知と名古屋もがんばりたいです。