特集
2018ジョッキーズチャンピオンシップ 第1ステージ
Jockeys' Championship 2018
JRAで実施されている「ワールドオールスタージョッキーズ」に出場する地方競馬代表騎手の選定競走として実施してきた「スーパージョッキーズトライアル(SJT)」ですが、これまでのトライアルという枠を飛び越え、各地のリーディングジョッキーが熱い戦いを繰り広げて地方競馬No.1ジョッキーを目指す競走の一つとし、2018年より、同シリーズへの出場騎手選定方法も新たに、その名称も『地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ』に一新して実施いたします。
各ステージは昨年に引き続き、「ワイルドカード」「第1ステージ」「第2ステージ」が実施され、優勝者は8月25日(土)、26日(日)にJRA札幌競馬場で実施される『2018ワールドオールスタージョッキーズ』(国際騎手招待)の地方競馬代表候補騎手に選定されます。(準優勝者は地方競馬代表補欠候補騎手)
皆様のご支援、ご声援をお願いいたします。
※下の“タブ”をクリックするとご覧になりたいレースの記事に切り替わります。
第1ステージ6月3日(日)
盛岡競馬場
ポイント表
リポート動画
桑村騎手は5年前の悔しさを胸に 初出場繁田騎手は2位で地元浦和へ
各競馬場の勝利数1位騎手に、ワイルドカード上位2名を加えた14名によって争われる第1ステージ。落馬負傷の影響で森泰斗騎手(船橋)が欠場となり、規定によってポイント対象外として地元の山本政聡騎手に騎乗変更。札幌競馬場で行われるワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)に向けては13名で争われることとなった。
ワイルドカードを通過してきた吉原寛人騎手(金沢)、そして山口勲騎手(佐賀)、藤田弘治騎手(金沢)、永森大智騎手(高知)の4名が、旧ワールドスーパージョッキーズシリーズ時代を含め、WASJに出場したことのあるメンバーだ。
迎えた第1戦はダート1600メートル戦。最終的に単勝1番人気は桑村真明騎手(北海道)だったが、専門紙にずらりと◎が並んでいたのは高知から転入後4連勝中のブライアントピースに騎乗する繁田健一騎手(浦和)で、連勝系のオッズではこちらが中心となっていた。
その繁田騎手が逃げて、直線でも先頭。2番手で食い下がったのがポイント対象外の山本政聡騎手で、1着30ポイントが宙に浮いてしまうかという場面もあったが、繁田騎手がクビ差で振り切ってのゴールとなった。
前2頭からは離されたものの3着に入った吉原騎手は、騎乗馬の決定で“グループB”の馬だっただけに、「上出来の3着だと思います」と満足の表情。単勝では1番人気だった桑村騎手が4着。向正面では離れた最後方を追走しながら5着まで追い上げた藤田騎手は、「砂をかぶったら最後方まで下がってしまいました。それでも直線で大外に出したら伸びてくれました」とのことだった。
第2戦は、地方競馬では盛岡にしかない芝コースの1700メートル戦。このシリーズに限らず、盛岡の芝が舞台となる騎手交流戦ではよくあることだが、芝経験に乏しい馬も少なくなく、馬の能力比較が難しい。それを反映してか単勝1番人気の山口騎手でもオッズは4.0倍で、単勝一桁台が6頭と人気は割れた。
単騎で逃げた吉原騎手が直線でも先頭だったが、やや離れた2番手から直線でとらえた桑村騎手が後続を振り切っての勝利。中団うしろから徐々に位置取りを上げてきた1番人気の山口騎手が人気にこたえる形で2着に入り、5番手を追走していた矢野貴之騎手(大井)が3着。直線半ばで失速した吉原騎手(9着)のノミネーションは、レース中に鼻出血を発症していたとのことだった。
第1ステージを終えて暫定1位となったのは、4着、1着の桑村騎手……といえば、本シリーズ初出場だった2013年に(当時はスーパージョッキーズトライアル)、わずか1ポイント差で優勝を逃した経験があった(優勝は川原正一騎手・兵庫)。「あのときは無欲だったので1ポイント差ということも気づいてなかったので、今回は(WASJに)行けるような意識をもってがんばります」と期待を語った。
2位は、第1戦を制し、第2戦では6着だった繁田騎手。「(第2戦は)早めに行かせたらバタバタになるかと思って出たなりで行ったんですけど、結果的に(勝った)桑村は前にいたので、もう一列前でもよかったかな」と悔しそう。繁田騎手といえば浦和のトップジョッキーとして長く活躍しているが、じつはこのシリーズには初出場。これまで南関東は4場総合の成績で出場騎手が選定されていたため、開催日数が少ない浦和はどうしても不利になる。それが今年は南関東も競馬場ごとの勝利数での選定となったため出場できた。とはいえ繁田騎手は、佐々木竹見カップ・ジョッキーズグランプリでは3度もの優勝経験がある。「騎手交流戦は、いい馬に当たるというか、なんかうまくいっちゃうんですよ。だからもしかして……」と期待を持って迎える第2ステージの舞台は地元の浦和だ。
7着、2着で3位となったのは、今回の出場騎手では最年長、48歳の山口騎手だった。
一方、森騎手が欠場となったため、残念ながら第2ステージに進めなかったもうひとりは、2戦とも10着以下の永森騎手だった。
WASJの地方代表騎手が決まる第2ステージは1カ月半ののち、7月18日に浦和競馬場で行われる。
取材・文:斎藤修
写真:佐藤到(いちかんぽ)
コメント
(北海道)
1戦目の馬は、もっといい競馬ができたし、もう少し上の着順を狙えたと思うので、そこが心残りです。2戦目は渋い印象の馬だったので、積極的に乗りました。トップ通過して気持ちにも余裕がありますし、浦和は特殊なコースですが、(WASJは)地元の北海道なので、優勝目指してがんばります。
繁田健一騎手
(浦和)
すごく気持ちのいい競馬場なので、乗っていて感動しました。夏場は体調があまりよくないので、体と相談しながらにはなるんですが、チャンスはあると思うので、(WASJに)行ければという気持ちで、地元の第2ステージには、ベストのパフォーマンスが発揮できるように臨みたいと思います。
山口勲騎手
(佐賀)
(第2戦は)だいぶ外をまわらされて、それでも馬ががんばってくれて、4コーナーの感じでは、いけると思ったんですが、意外と前が止まらなかったです。3位に入っているとは思いませんでした。次が勝負なので、(WASJ)に行けるように、またがんばります。