ウエブハロン2017 レディスヴィクトリーラウンド タイトル

 各ラウンドにおいて2競走実施し、女性騎手のみをポイントの対象として、ラウンド表彰(1位~3位)を行うとともに、4ラウンド総合優勝者を最終戦佐賀ラウンドにおいて表彰いたします。
 今回は第1ラウンドに先がけ、ばんえい帯広において、ばんえいエキシビションレースとして、竹ケ原茉耶騎手(ばんえい所属)との共演イベントを行います。
 競走実施日にお客様向けに各種イベントを実施するとともに、5競馬場をめぐるLVRスタンプラリーも併せて実施する予定です。イベント詳細については、決定次第特設サイト内で発表いたします。

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【リポート動画】

2戦ともに女性騎手が勝利 3着・1着の別府騎手が1位

 台風22号が東日本を通過するのはいつごろなのか。
 盛岡競馬場で行われるレディスヴィクトリーラウンドにあたっては、それがまず心配材料だった。その台風は徐々にスピードを上げ、レース当日には北海道の東方沖に移動していた。しかしその影響で、宮下瞳騎手(愛知)と木之前葵騎手(愛知)が搭乗するはずだった飛行機は出発直前に欠航してしまった。そのため両騎手は小牧空港から名古屋駅に移動して、東海道新幹線と東北新幹線を乗り継いで盛岡に到着。当日の前半戦にあった木之前騎手の騎乗予定馬は、すべて騎手変更となった。
 台風は過ぎ去っても台風一過の青空とはならず、競馬場は北からの冷たくて強い風に覆われた。その状況では、紹介式の舞台を囲んだ人数が多くなかったのは仕方ないことかもしれない。それでもファンからは熱い声援が飛び、怪我で療養中の鈴木麻優騎手からは書面でメッセージが届けられた。
 2017年現在、地方競馬の平地競走で騎手免許を所持している女性は6名いるが、佐賀の岩永千明騎手も落馬によるケガで長期療養中。そのため今年のうちに行われる盛岡ラウンドと名古屋ラウンドには4名が出場すると発表された。したがって、盛岡では男性騎手6名を加えた10頭立てで実施されることになった。
 その男性騎手の選びかたは、盛岡の場合は年齢が若い順。ということで、女性騎手と戦うのは鈴木祐、小林凌、木村直輝、菅原辰徳、山本聡哉、高橋悠里の6名である。
 そのラインナップを見た別府真衣騎手(高知)は「なんでリーディングが入っているんですか」と苦笑い。それでも4名の騎手は慣れないコース、初めてのコンビでも最善を尽くす騎乗を見せた。
 第1戦はダート1200メートル。単勝の上位人気は宮下騎手のアテストと別府騎手のコパノチャールズが3倍台で、その2頭に鈴木祐騎手の馬を加えた3頭が5倍以下。あとは10倍以上となっていたが、ゲートが開くと外枠の人気薄2頭が先手を取った。宮下騎手は3番手につけたが、その後ろはほとんど一団になった。しかし上り坂の手前でその2頭は失速。代わって宮下騎手が先頭に立ち、そのまま押し切って第1戦を制した。2着には好位のインコースを回った山本聡哉騎手が入り、後方から外を回って伸びてきた別府騎手がゴール寸前で3着に上がった。
 検量室に戻ってきた宮下騎手は「馬が強かったですよ」と笑顔。昨年の盛岡ラウンドは5着と7着で、これが盛岡での初勝利となった。
 3着に敗れた別府騎手は、そのレース内容について考え込んでいる様子。下村瑠衣騎手(高知)は「左回りは違和感がありますね」と話し、木之前騎手も「先月、船橋で乗りましたが、なんかイマイチです」と苦笑いをしていた。このあたりはもしかしたら、左回りで競馬が開催されている韓国で短期免許を取得したことがある、宮下騎手と別府騎手にアドバンテージがあったのかもしれない。
 しかし第2戦は各騎手にとって未知の舞台である芝コース。別府騎手と宮下騎手はJRAの芝で騎乗経験があり、木之前騎手は英国で勝利を挙げたことがある。それでも4名とも盛岡の芝は初めてだ。
 「盛岡の芝は雨が降るとすべるから気を付けろと言われました」と別府騎手。木之前騎手も期待より不安のほうが大きいという顔をしていた。単勝1番人気は、芝コースで実績がある馬に騎乗する木之前騎手。2番人気の下村騎手は、前走が芝で逃げて2着だった馬。3番人気は高橋悠里騎手で、芝で5勝している馬だった。
 しかし木之前騎手と高橋騎手は10頭立ての9番と10番。この日のコンディションで外枠というのは厳しかったようだ。反対に下村騎手は3番枠をいかして先手策を取り、最後まで経済コースを通って押し切りにかかった。
 そこに強襲をかけたのが別府騎手。盛岡では芝ダートともに3着以内がゼロという馬に後方から差し脚を発揮させ、先頭に届いたところがゴール。下村騎手はアタマ差で2着だった。
 このシリーズは「女子限定ポイント」と「入着ポイント」の合計で、ラウンドごとに順位が決められる。その結果、女子限定ポイントが9、入着ポイントが6で計15ポイントを獲得した別府騎手が1位。女子限定ポイントが7で入着ポイントが5だった宮下騎手が2位。下村騎手は女子限定ポイントが6、入着ポイントが3で第3位となった。
 木之前騎手は盛岡では結果を残せなかったが「2戦とも難しい競馬でした。次は地元の名古屋なので、また頑張ります」と話した。次の戦いは11月16日だから2週間と少々。右回りで行われる次の舞台では、また違った結果になることだろう。
 

取材・文:浅野靖典
写真:佐藤到(いちかんぽ)
第1ラウンド優勝
別府真衣騎手
(高知)
2戦目の馬はスタートしても進んでいかなかったので、無理しないで後ろからにしました。でもゴーサインを出したら一気に行き出したのですが、走るのをやめようとすることがあると聞いていたのでムチを使わずに声を使って追いました。普段と逆回りということで難しい面がありましたが、勝ててよかったです。
第1ラウンド2位
宮下瞳騎手
(愛知)
1戦目はすごく乗りやすい馬で、先行してほしいという指示のとおり、スムーズに走らせることができました。ひとつ勝つことができたのはよかったのですが、2戦目の馬は流れについていくことができませんでした。でも次は地元での開催なので、いい成績を残したいと思います。
第1ラウンド3位
下村瑠衣騎手
(高知)
(青森から)家族が来ていましたが、悔しいですね。指示どおりに逃げられましたが、もっとうまく乗れれば勝てたと思います。結果には納得していませんが、クヨクヨしても仕方がないので、また頑張ります。でも無事に終われてホッとしています。昨年の盛岡では馬場入場のときに落馬してしまいましたから。