牡4 JRA 新谷功一厩舎 通算19戦5勝
父:ドレフォン
母:ダウンタウンブギ
母の父:アサクサキングス
未勝利卒業に10戦を要した遅咲きで、今年の5月から快進撃が始まった。日吉特別を差し切り勝ち、丹沢Sは発馬で後手を踏みながらも素晴らしい決め手を発揮して2連勝。スレイプニルSは前半から進みが悪く届かずの2着もかなりのハイレベル戦だった。3着馬ゼットリアンが名鉄杯2着、4着馬ピュアキアンがマリーンSを勝利、5着馬リチュアルが名古屋城S2着とのちに大活躍。そこで2着のこの馬にも注目が集まったマーキュリーC。同じ新谷功一厩舎のクラウンプライドが完全に勝ちパターンの競馬で直線先頭の場面。それを後方から一気の追い上げて差し切る衝撃的な勝利。完全に本格化の様相。久々だが重め感なく動きも力強い。右回り、小回りでも。
(競馬ブック・信根隆二)
牡4 高知 打越勇児厩舎 通算15戦9勝
父:コパノリッキー
母:イズミコマンダー
母の父:コマンダーインチーフ
前走の帝王賞9着が2023年12月のデビュー以来、15戦目にして初の着外。確かに残念ではあったが、あのハイレベルなメンバーのなかで13頭立ての単勝6番人気の支持を受けたのは流石であり、如何にファンがこの馬の実力を認めているかの証明と言えた。レース後、充電期間に充てられた夏場も順調に過ごせた模様で、念願のタイトル奪取を果たすべく秋の始動戦に選択されたのは3歳9月に「第9回西日本3歳優駿」(2000m)で後続に2秒以上もの大差をつけて圧勝を飾った金沢競馬場が舞台のこの白山大賞典。今回もJRA勢を中心に強豪揃いだが前走の帝王賞に比べると戦いやすい組み合わせなのは間違いない。今回こそは……の期待が高まるばかりだ。
(風間 恒一)
牡7 JRA 西園正都厩舎 通算39戦8勝
父:ホッコータルマエ
母:シニスタークイーン
母の父:シニスターミニスター
ダートグレード競走では上位の常連で、今年の佐賀記念で初めてタイトルを獲得。自分の形に持ち込めれば渋太い粘り腰を発揮できて大崩れがなく、併せて踏ん張れる根性も持ち合わせている。ここ2走は大敗を喫しているが、力の衰えというよりはいかにも厳しい展開が響いたものと捉えていいだろう。当競走は3年連続の出走で、マーキュリーCからの臨戦も同様。過去2回は2、4着で、逃げが叶った一昨年は連対を果たしている。調教は動かないため調子の良し悪しは判断しづらく、ハナか2番手で自分のタイミングで動けるかどうかが肝要なタイプ。出脚はそれほど速くないので今回も同型の存在は気になるところだが、展開の味方があれば巻き返しは可能。
(競馬ブック・森田昌樹)
牡5 JRA 四位洋文厩舎 通算13戦5勝
父:ホッコータルマエ
母:メイショウアリス
母の父:マンハッタンカフェ
成長を促しながら着実にステップアップ。5月のブリリアントSでオープン初勝利を飾ったあとはマーキュリーカップへ。好位から正攻法の競馬でクラウンプライドを追いかけながら見せ場十分の3着。苦しくなっても止まることなく、最後は再び差を詰めようとしていた。重賞初挑戦だった1月のプロキオンSと比べればグンと内容が良化。僅か半年の間で更に力をつけている。前回離されたカズタンジャーも相手にいるが、展開や馬場次第では際どい勝負になってもいいだろう。左回りに良績が多い馬だが、今は右回りでも問題ない。2100mの距離も望むところ。少し間隔は開いているが、調整も順調に進んでいる。揉まれると良くないタイプだけに、スムーズに立ち回りたい。
(競馬ブック・広瀬健太)
牡4 JRA 竹内正洋厩舎 通算17戦5勝
父:ホッコータルマエ
母:ピュアプレジャー
母の父:Tiznow
7月に函館でマリーンSを勝利。その後はKSトレーニングセンターへの放牧を挟んでの臨戦となる。「美浦でまるまる4週間の調教を出来るように計算して戻しました。なので、仕上がりに関しては問題ありません」と竹内正洋調教師は語る。前走はいつも通り逃げたものの、最終コーナーでは一度完全にかわされる競馬。しかし、そこから差し返して先頭でゴールイン。地力強化を思わせる走りぶりだった。「砂を被らなければ良い競馬にはなるはずなので、距離延長は歓迎です」と師は続ける。また、主戦の吉田豊騎手は「逃げたい馬だけど、スタートそのものは決して抜群に速いわけではありません」と言い「それだけに発馬が鍵になるでしょう」と続けた。
(平松 さとし)
牡4 岩手 伊藤和忍厩舎 通算19戦4勝
父:ビーチパトロール
母:サクラトップクイン
母の父:ジャングルポケット
サクラトップキッドは典型的なステイヤー。マーキュリーカップが2度目のダートグレード挑戦。カズタンジャーが豪快なまくりを決めたが、それに次ぐ上がり38秒5の脚を使って4着に健闘した。スピード決着では分が悪いが、スタミナ勝負はお任せ。真骨頂は昨年11月、岩手競馬の最長距離戦・北上川大賞典(水沢2500m)。1周目スタンド前でペースが落ちたところ、意表を突いて先頭。そのまま押し切って古馬を一蹴し、3歳馬初の優勝を果たした。「レインライト着用後、コンスタントに結果を出せるようになった。マーキュリーC後は遠野馬の里でしっかり乗り込んで状態はいい。相手は強いが、得意の長距離戦なので楽しみ」と伊藤和忍調教師。
(松尾 康司)
牝3 金沢 加藤和義厩舎 通算16戦7勝
父:ヘニーヒューズ
母:ビバエルフ
母の父:コロナドズクエスト
昨年8月に門別から移籍。初戦となった石川テレビ杯を逃げ切って、いきなりの重賞制覇。ネクストスター金沢ではテンに競り合った事が後に響いて2着。この頃から脚質転換を図るようになった。金沢ヤングチャンピオンはロスが大きい競馬で8着に敗れたが、その後は2連勝。最終戦4着で昨シーズンを終えた。今季初戦の準重賞を完勝して挑んだノトキリシマ賞はまたしても2着。この頃から元々あった気性の難しさが再燃してしまい、調教から外へ逃げる事が多くなった。それがレースで出てしまったのが北日本新聞杯。最初の4コーナーで外へ行ってしまいリズムを崩して大敗を喫した。ここから陣営はあらゆる工夫を凝らして立て直しを図る。その成果が表れたのが石川優駿。吉原寛人だから成し得た勝利かも知れないが、いつになく集中して走れて馬群を割ってきたレース内容には痺れた。その後は斤量を背負わされて厳しい競馬が続いたが、今回は50キロで出走でき、トップハンデとは6キロ差もあるのは大きい。近年3歳馬のチャレンジは増えてきているが、牝馬の挑戦は10年振り。当時よりレベルは上がっているだけに、どこまでやれるかに注目したい。
(中村 勇好)
注記
当ページは、9月25日現在の選定馬情報に基づき作成しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性があります。また、当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。