今年から春の女王決定戦に
2003年以降は2月または3月上旬に実施されていたが、今年から5月上旬の実施。1月から4月に移動した兵庫女王盃JpnIII(旧・TCK女王盃)を受けて、上半期の古馬牝馬の頂上決戦となった。昨年までのように、このレースで引退という馬が少なくなる反面、秋に実施されるJBCレディスクラシックJpnIに向けてという意味合いが大きくなった。日程が変わった影響はあるだろうが、過去10回の結果をもとに傾向をみていくことにしたい。
単勝1番人気は、7勝、2着2回、3着1回と好成績。2番人気も3着内率が60.0%と上々の成績を残している。しかし3番人気は勝利ゼロで、2着1回、3着が4回あるものの苦戦ぎみだ。一方、6番人気以下は5頭が3着以内。そのうち2017年3着のヴィータアレグリア、18年3着サルサディオーネ(ともにJRA所属で6番人気)以外の3頭は大井所属だった。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 7 | 2 | 1 | 0 | 70.0% | 90.0% | 100.0% |
2番人気 | 2 | 2 | 2 | 4 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
3番人気 | 0 | 1 | 4 | 5 | 0.0% | 10.0% | 50.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
5番人気 | 0 | 1 | 0 | 9 | 0.0% | 10.0% | 10.0% |
6番人気以下 | 0 | 3 | 2 | 64 | 0.0% | 4.3% | 7.2% |
2008年からJRA所属馬が15連勝中。過去10回でみると、JRA関東所属の勝利は19年のプリンシアコメータだけ。1着と3着はすべてJRAとなっているが、2着には大井所属馬が5回も入っているのが特徴的だ。[表2-1]
その大井所属で2着に入った5頭は前走か2走前にダートグレードで6着以内に入っていた。[表2-2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA関西 | 9 | 3 | 6 | 12 | 30.0% | 40.0% | 60.0% |
JRA関東 | 1 | 2 | 4 | 11 | 5.6% | 16.7% | 38.9% |
大井 | 0 | 5 | 0 | 15 | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
上記以外 | 0 | 0 | 0 | 51 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
年度 | 馬名 | 前走の人気・着順 | 2走前の人気・着順 |
17年 | リンダリンダ | TCK女王盃JpnIII(7人気・2着) | 東京シンデレラマイル(2人気・2着) |
19年 | ブランシェクール | TCK女王盃JpnIII(4人気・9着) | クイーン賞JpnIII(4人気・6着) |
20年 | ナムラメルシー | 大井B1・B2特別(7人気・10着) | TCK女王盃JpnIII(11人気・5着) |
21年 | サルサディオーネ | 報知グランプリカップ(1人気・5着) | クイーン賞JpnIII(3人気・1着) |
22年 | サルサディオーネ | 川崎記念JpnI(5人気・9着) | クイーン賞JpnIII(1人気・2着) |
5勝を含む6連対の5枠、1勝のみだが3着以内7回の4枠が好成績。[表1]とも関連するが、8番人気で2着に入った2019年ブランシェクール、20年ナムラメルシー(ともに大井)をはじめ、6番人気以下で馬券絡みした5頭中4頭が4枠か5枠に入っていた。なお5枠で1~2番人気に推された5頭すべてが勝利というデータもある。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1枠 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
2枠 | 1 | 0 | 1 | 8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
3枠 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
4枠 | 1 | 3 | 3 | 8 | 6.7% | 26.7% | 46.7% |
5枠 | 5 | 1 | 0 | 10 | 31.3% | 37.5% | 37.5% |
6枠 | 1 | 1 | 3 | 13 | 5.6% | 11.1% | 27.8% |
7枠 | 0 | 3 | 1 | 16 | 0.0% | 15.0% | 20.0% |
8枠 | 1 | 1 | 0 | 18 | 5.0% | 10.0% | 10.0% |
過去10回では、『前年の8~11月にダートグレードで連対』していた馬が、2017年を除いて1~2頭連対している。今年は実施時期が変わるだけに、この流れが継続するのかは未知数。ただ、頭に入れておいてもよさそうなデータとして紹介しておきたい。
JRAの関西所属で、単勝1番人気または2番人気。ダートグレードでの実績があるほうがベターだろう。最近4年の勝ち馬はすべて前走がTCK女王盃JpnIIIだったことを踏まえて、兵庫女王盃JpnIIIから参戦する馬に注目する手がありそうだ。
(文・浅野靖典)
1着
2着
3着
【注記】2012年は競走取り止め。
注記
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