JpnIへ向けダート短距離馬が集結
ダート競走の体系整備により、今年からさきたま杯がJpnIに昇格。かしわ記念JpnI以降に明確な目標レースを作れなかったダートの短距離馬が、当レースから向かう可能性も出てくるだけに、今後は主要なステップとして確立してきそうだ。2023年こそJRAが3着以内を独占したが、近年は地方馬の活躍が目立っており、20年2着のサブノジュニア(大井)は同年に大井で行われたJBCスプリントJpnIで優勝。同年のNARグランプリ年度代表馬に選出された。ここでは14~23年の過去10回の傾向を探っていく。
9勝をマークするJRAが力を示す結果となっており、内訳を見てみると栗東が6勝、美浦は3勝。勝利数だけなら栗東が優勢に映るが、延べ38頭が出走している栗東に対して、美浦は延べ11頭と、勝率・連対率・3着内率ではリードしている。参戦してくるようなら美浦組は積極的に狙いたいところ。とはいえ近年は地方馬も健闘。2023年こそエアアルマス(川崎)の4着が最高着順だったが、18~22年にかけては5年連続で南関東勢が馬券圏内に好走していた。ちなみにキタサンミカヅキ(船橋)、サブノジュニア(大井)、キャンドルグラス(大井)は2年連続で3着以内に入っており、リピーター候補がいれば注意が必要になる。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA栗東 | 6 | 6 | 4 | 22 | 15.8% | 31.6% | 42.1% |
JRA美浦 | 3 | 1 | 2 | 5 | 27.3% | 36.4% | 54.5% |
南関東 | 1 | 3 | 4 | 73 | 1.2% | 4.9% | 9.9% |
地方他地区 | 0 | 0 | 0 | 9 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
上位4番人気までの上位争いが多く、首位候補は計9勝を挙げる1、3、4番人気。その傾向を踏まえると、勝利がない2番人気は相手に留めておくのも手。また、1~4番人気が1頭も連対しなかった年はなく、馬連複の3桁配当は7回。最高配当は6→4番人気での決着となった2018年の5220円で、その年の3連単は10万2430円。それが唯一の10万円オーバーとなっており、順当な結果に収まることが多い。同年Vのグレイスフルリープは、前走の黒船賞JpnIII・5着で人気を落としていたが、コリアスプリントGIや国内ダートグレード2勝の実績馬だった。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 5 | 1 | 2 | 2 | 50.0% | 60.0% | 80.0% |
2番人気 | 0 | 4 | 0 | 6 | 0.0% | 40.0% | 40.0% |
3番人気 | 2 | 1 | 2 | 5 | 20.0% | 30.0% | 50.0% |
4番人気 | 2 | 3 | 2 | 3 | 20.0% | 50.0% | 70.0% |
5番人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 1 | 0 | 3 | 85 | 1.1% | 1.1% | 4.5% |
ダート短距離は比較的、息の長い活躍馬が多いカテゴリー。[表3-1]の年齢別成績を見てみると4~6歳で計7勝を挙げているものの、8歳も好成績を残している。また、馬券絡みが多い上位4番人気までに絞った年齢別成績[表3-2]を分析してみると、4~6歳の勝率・連対率・3着内率も上がっているが、7歳以上が一気に跳ね上がっていることが分かる。高齢になっても人気を背負うベテラン勢がいれば、ここでも好走可能な力があると判断したい。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
4歳 | 2 | 2 | 2 | 13 | 10.5% | 21.1% | 31.6% |
5歳 | 3 | 0 | 0 | 14 | 17.6% | 17.6% | 17.6% |
6歳 | 2 | 2 | 4 | 12 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
7歳 | 0 | 2 | 3 | 23 | 0.0% | 7.1% | 17.9% |
8歳 | 2 | 4 | 0 | 23 | 6.9% | 20.7% | 20.7% |
9歳以上 | 1 | 0 | 1 | 24 | 3.8% | 3.8% | 7.7% |
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
4歳 | 2 | 2 | 1 | 5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
5歳 | 3 | 0 | 0 | 3 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
6歳 | 2 | 1 | 2 | 2 | 28.6% | 42.9% | 71.4% |
7歳 | 0 | 2 | 2 | 2 | 0.0% | 33.3% | 66.7% |
8歳 | 1 | 4 | 0 | 3 | 12.5% | 62.5% | 62.5% |
9歳以上 | 1 | 0 | 1 | 1 | 33.3% | 33.3% | 66.7% |
JRAに関しては、積極的に前でレースを運ぶスピードを近走で見せていた馬が有利。前走か2走前で、3コーナー先頭もしくは逃げ切りを決めていたJRA馬は【3-3-4-4】と、高いパフォーマンスを示してきた。前記した該当馬がいなかった年は3回。そのうちの2回はハナを主張した馬がタイトルを手にした。ただ、南関東の3着以内馬は前に行く馬ではない点がポイントで、決め手を生かしてきた馬が大半。2022年3着のギシギシ(大井)だけが例外で、地方馬を狙うとしたら末脚に長けている馬と覚えておきたい。
JRAが優勢で、なかでも栗東を中心に据えるのがベター。基本的には順当な結果が多く、計9勝をマークする1、3、4番人気がV候補になる。上位人気に推されたベテラン勢も侮れない存在で、年齢だけで判断することはできない。JRAは近2走で、3コーナー先頭、もしくは逃げ切りを決めていたようなスピードを生かす馬がいれば好走する確率は高い。ただし、地方馬の場合は末脚を生かす馬が狙い目になる。
(文・スポーツ報知・浅子祐貴)
1着
2着
3着
【注記】ダートグレード競走に格付けされた2009年からのデータとなります。
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。