データ分析 Data Analysis

年明けに移動した牝馬のハンデ戦

2004年以降11月下旬から12月の前半に行われてきたが、ダート路線の整備により、24年からは2月に実施されることになった。ただ、1800mの距離とハンデキャップ重量という条件は同じ。日程のほかに変わったのは、実施時期の関係で3歳以上が4歳以上になった点だけだ。今回のみ、前回のクイーン賞JpnIIIから2カ月半弱という日程になるだけに『前走がクイーン賞』という馬が登場する可能性が大。過去10回のデータをおさらいする。

上位人気馬が優勢

連対した延べ20頭のうち18頭が単勝4番人気以内。例外は2021年に6番人気で勝ったダイアナブライト(川崎)と、16年に5番人気で2着のタイニーダンサー(JRA)だけ。5番人気以下で3着に入った馬は4頭(15年ノットオーソリティ=船橋・5番人気、16年タイムビヨンド=北海道・8番人気、18年オルキスリアン=船橋・6番人気、20年サルサレイア=川崎・7番人気)で、いずれも負担重量が51㎏または52㎏だった。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 4 1 2 30.0% 70.0% 80.0%
2番人気 1 2 2 5 10.0% 30.0% 50.0%
3番人気 3 2 2 3 30.0% 50.0% 70.0%
4番人気 2 1 1 6 20.0% 30.0% 40.0%
5番人気 0 1 1 8 0.0% 10.0% 20.0%
6番人気以下 1 0 3 73 1.3% 1.3% 5.2%

JRAの関東馬が優勢

特徴的といえるのは、JRA関東馬が関西馬より好成績を挙げていること。延べ19頭の出走で9頭が連対している点は覚えておいてもいいだろう。JRA以外で勝ち星があるのは南関東。ダートグレードになった1997年以降、地方の最多勝は4勝の地元船橋だが11年クラーベセクレタを最後に勝ち馬が出ていない。近2回はJRAが3着以内を独占している。[表2]

[表2]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関東 5 4 2 8 26.3% 47.4% 57.9%
JRA関西 2 5 3 11 9.5% 33.3% 47.6%
大井 2 1 1 17 9.5% 14.3% 19.0%
川崎 1 0 1 4 16.7% 16.7% 33.3%
船橋 0 0 2 16 0.0% 0.0% 11.1%
浦和 0 0 0 5 0.0% 0.0% 0.0%
上記以外 0 0 1 36 0.0% 0.0% 2.7%

ハンデ53㎏以上が好成績

軽ハンデを味方につけて好走した馬は多いが、過去10回で見ると51㎏の成績はいまひとつ。2019年はクレイジーアクセル(大井)が52㎏で逃げ切ったが、全体的に見ると53㎏以上が好成績を残している。ただし、55㎏は8頭のうち4頭が勝利したものの2着と3着がゼロという、極端な成績になっている。[表3]
また、ハンデ戦ということで『○○.5㎏』という負担重量で出走するケースがある。該当馬は過去10回で4頭いて、56.5㎏で出走した3頭が3頭とも2着。57.5㎏で出走した1頭は3着に入った。今回も出走してきたら注目する手はあるだろう。

[表3]負担重量別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
51kg 0 0 2 66 0.0% 0.0% 2.9%
52kg 1 0 2 9 8.3% 8.3% 25.0%
53kg 2 0 2 9 15.4% 15.4% 30.8%
54kg 2 5 3 7 11.8% 41.2% 58.8%
55kg 4 0 0 4 50.0% 50.0% 50.0%
56~56.5kg 1 5 0 2 12.5% 75.0% 75.0%
57㎏以上 0 0 1 0 0.0% 0.0% 100.0%

最近はサンデーサイレンス系が優勢

過去10回で3着以内に入った馬の父を一覧表にしてみると、『サンデーサイレンス系の種牡馬』(表中※)の産駒が7年連続で1頭以上連対している。最近はダート中距離向きと言われる種牡馬が増えているだけに、サンデーサイレンス系の種牡馬の産駒の連対記録がどこまで伸びるのかという点が興味深いところだ。[表4]

[表4]3着以内馬の種牡馬一覧(過去10回)

1着 2着 3着
23年 シニスターミニスター ※キズナ Malibu Moon
22年 ※キズナ シニスターミニスター ※オルフェーヴル
21年 ※ディープインパクト ※ゴールドアリュール シンボリクリスエス
20年 ※ゴールドアリュール バトルプラン クロフネ
19年 ロージズインメイ ※スパイキュール パイロ
18年 ※ゴールドアリュール ※ゴールドアリュール キングカメハメハ
17年 ※スパイキュール ※ディープインパクト ※ステイゴールド
16年 バゴ サウスヴィグラス タイムパラドックス
15年 ※ハーツクライ バゴ スウェプトオーヴァーボード
14年 バゴ バゴ ボーナスフィーバー

注記:※はサンデーサイレンス系

勝つのはこういう馬!

ハンデ戦なので多くの馬にチャンスがあるが、勝利する可能性が高いのは単勝4番人気以内のJRA所属馬。負担重量は53~55㎏の範囲が有力だ。今年は前回(2023年11月)のクイーン賞JpnIIIで上位に入った馬が出走してきた場合、負担重量にどの程度の変化があるのかをチェックしたい。仮に56㎏以上を課されたとしたら、割り引いてもいいかもしれない。

(文・浅野靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。