ダートの強者が次のステップに向けて激突
東京大賞典から約1カ月後ということもあり、引き続きダートの強豪が顔をそろえる。3連覇を達成したホッコータルマエや2020、22年の勝ち馬チュウワウィザードはドバイへ向けて海を渡った。ここからフェブラリーステークスに参戦する馬も多く、今後のダート路線を見据える注目の一戦。24年からは4月移行が決定しており、この時期の川崎記念は今回で見納めとなる。ここでは2013~2022年の過去10年から傾向を探る。
2011年フリオーソ以来の地方馬Vを飾った21年のカジノフォンテンをはじめ、20年ヒカリオーソと、22年エルデュクラージュが2着に健闘。ここ3年は地方馬が連対と意地を見せているが、JRAが9勝を含む17連対と、圧倒的な成績を残していることは一目瞭然。過去10年のうち6年がJRA勢によるワンツースリー決着だったことを踏まえても、まずはJRAを中心に考えるのが無難だ。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA | 9 | 8 | 9 | 30 | 16.1% | 30.4% | 46.4% |
船橋 | 1 | 1 | 1 | 9 | 8.3% | 16.7% | 25.0% |
川崎 | 0 | 1 | 0 | 9 | 0.0% | 10.0% | 10.0% |
大井 | 0 | 0 | 0 | 13 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
浦和 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
その他地方 | 0 | 0 | 0 | 18 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1番人気は6勝を挙げてのパーフェクト連対と群を抜いた成績。ダートグレード競走の中でも1番人気の信頼度が極めて高いレースとなっている。次いで好走が多いのが3番人気で3着内率は90.0%。3連勝式の馬券であれば押さえておいて損はない。伏兵に目を向けてみると6番人気以下の好走は4頭で、うち3頭は地方馬。2015年3着のサミットストーンは浦和記念1着→東京大賞典3着からの参戦。20年2着のヒカリオーソは南関東SI重賞を2勝、22年2着のエルデュクラージュはダイオライト記念で2着に好走した実績があった。力は示しているものの低評価に留まる地方馬に波乱の目がある。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 6 | 4 | 0 | 0 | 60.0% | 100.0% | 100.0% |
2番人気 | 1 | 1 | 2 | 6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
3番人気 | 1 | 2 | 6 | 1 | 10.0% | 30.0% | 90.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気 | 1 | 0 | 0 | 9 | 10.0% | 10.0% | 10.0% |
6番人気以下 | 0 | 2 | 2 | 61 | 0.0% | 3.1% | 6.2% |
3着内馬の前走一覧が[表3]。東京大賞典組の相性が良く、連対は12頭を数え、3着内に範囲を拡大しても14頭が該当する。もう少し詳しく調べてみると、東京大賞典で3着以内に好走して、川崎記念に参戦してきた馬は延べ13頭。18年サウンドトゥルーを除く、12頭がここでも馬券に絡む活躍を見せた。このことからも東京大賞典で好走していた馬の評価を下げることは危険(ほか、東京大賞典4、12着から各1頭馬券絡み)。また勝ち馬延べ10頭の前走着順を見てみると、8頭が前走で連対しており、勢いも重要な要素の一つ。前走で連対を外していたにもかかわらず、ここで勝利を収めた18年ケイティブレイブ、20年チュウワウィザードは、前年にJpnIを勝っていたほどの実力馬だった。前走の連対馬、前年にビッグタイトルを手にした馬も首位候補になる。
1着 | 2着 | 3着 | |
東京大賞典 | 6 | 6 | 2 |
チャンピオンズC | 2 | 1 | 1 |
名古屋GP | 1 | 0 | 4 |
JRA3勝クラス | 1 | 0 | 1 |
報知オールスターC | 0 | 2 | 0 |
JRA芝重賞 | 0 | 1 | 0 |
みやこS | 0 | 0 | 1 |
浦和記念 | 0 | 0 | 1 |
リピーターが多いのも特徴でホッコータルマエは3連覇、チュウワウィザードは20、22年で2勝。サウンドトゥルーとケイティブレイブは2年連続で連対を果たし、17年の覇者オールブラッシュは19年にも3着に入った。小回りへの対応力に加えて2100mの距離適性が問われるだけに、好走歴がある馬が出てきた場合には注意を払いたい。また、枠番別成績を見てみると連対率、3着内率においては内外で極端な差は見られないが、勝利数は5~8枠で7勝。該当頭数に違いはあるものの、買い目に困った際には外枠の馬という考えを持っておくのもいいかもしれない。[表4]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1枠 | 1 | 2 | 1 | 6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
2枠 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
3枠 | 2 | 0 | 2 | 6 | 20.0% | 20.0% | 40.0% |
4枠 | 0 | 1 | 3 | 8 | 0.0% | 8.3% | 33.3% |
5枠 | 2 | 0 | 1 | 12 | 13.3% | 13.3% | 20.0% |
6枠 | 2 | 0 | 0 | 16 | 11.1% | 11.1% | 11.1% |
7枠 | 1 | 3 | 2 | 14 | 5.0% | 20.0% | 30.0% |
8枠 | 2 | 3 | 0 | 15 | 10.0% | 25.0% | 25.0% |
東京大賞典で上位争いをしていた馬や、前走連対馬、前年にGI/JpnI勝ちがある実力馬が順当にV圏内。その中でも1番人気に推されているようなら、信頼度は一気に上がる。過去にこのレースで好走したことがある馬は買い目から外せない存在。力があるにもかかわらず評価を落としているような地方馬に波乱を期待する手もある。
(前田 恒)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。