データ分析 Data Analysis

2歳ダート王決定戦は世界へつながる舞台

“全日本(ぜんにっぽん)”のレース名のごとく国内のダート頂上決戦である2歳JpnI。ここでの好成績は、年明けのサウジアラビア、ドバイ、そしてアメリカへの道につながっている。今年も未来への扉を開こうと臨むダート界のスター候補が全国から集まってくることだろう。その一戦の傾向を、2012~21年の過去10年の結果からみていく。

上位人気馬が優勢

当レースがダートグレード競走になったのは1997年で、それ以降の25回のうち24回は単勝5番人気以内の支持を受けた馬が勝利。最近10年では1~3番人気が8勝を挙げている。ただし、1番人気が3着以内に入らなかった2回は、2019年が5→4→9番人気(3連単・28万5290円)、20年が2→6→8番人気(3連単・9万2610円)の順で入って高配当になった。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10年)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 1 2 2 50.0% 60.0% 80.0%
2番人気 1 3 0 6 10.0% 40.0% 40.0%
3番人気 2 2 1 5 20.0% 40.0% 50.0%
4番人気 0 1 1 8 0.0% 10.0% 20.0%
5番人気 2 1 1 6 20.0% 30.0% 40.0%
6~8番人気 0 2 3 25 0.0% 6.7% 16.7%
9番人気以下 0 0 2 52 0.0% 0.0% 3.7%

JRA所属馬が7勝

過去10年の3着内馬30頭のうち19頭はJRA所属。勝率、連対率、3着内率は、関東も関西も互角の数字になっている。一方、地方馬では北海道が29頭出走し、馬券絡みは2013年1着ハッピースプリントと、16年3着のローズジュレップで、いずれも田中淳司厩舎に所属。南関東も2勝、2着2回、3着5回と健闘しているが、大井の3着以内は21年3着のプライルード(11番人気)だけとなっている。[表2]

[表2]所属別成績(過去10年)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 4 4 2 17 14.8% 29.6% 37.0%
JRA関東 3 4 2 14 13.0% 30.4% 39.1%
北海道 1 0 1 27 3.4% 3.4% 6.9%
船橋 1 1 2 13 5.9% 11.8% 23.5%
川崎 1 0 0 10 9.1% 9.1% 9.1%
浦和 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
大井 0 0 1 7 0.0% 0.0% 12.5%
その他地方 0 0 0 9 0.0% 0.0% 0.0%

9~12番に入った馬に注目

馬番別の成績を、内から2頭ずつ区切ってまとめてみると7~8番、13~14番の成績がいまひとつ。なお9~12番から勝ち馬が5頭も出ている。1~2番人気が計10頭いたこともその要因だろうが、5番人気が1勝、6番人気以下で馬券絡みした7頭中3頭がこの枠から発走していたことは頭に入れておいてもいいだろう。[表3]

[表3]馬番別成績(過去10年)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1~2番 2 1 1 16 10.0% 15.0% 20.0%
3~4番 1 1 2 15 5.3% 10.5% 21.1%
5~6番 1 3 3 12 5.3% 21.1% 36.8%
7~8番 1 1 0 18 5.0% 10.0% 10.0%
9~10番 3 3 1 12 15.8% 31.6% 36.8%
11~12番 2 0 3 15 10.0% 10.0% 25.0%
13~14番 0 1 0 16 0.0% 5.9% 5.9%

注記:2015年4番、13年5番、17年10番は競走除外または出走取消

JRAの重賞以外から臨んだ馬が好相性

いわゆる“王道”といえるのが、前走がJBC2歳優駿(2019年までは北海道2歳優駿)と兵庫ジュニアグランプリというダートグレード競走。そこで好走して臨んでくる馬は多いが、JBC2歳優駿組は3着以内が5頭といまひとつ。兵庫ジュニアグランプリ組は、3着内が8頭となっている。もっとも好成績を残しているのはJRAの重賞以外から臨んだ馬。ちなみに11年連続で前走が1着だった馬が勝利を挙げている。[表4]

[表4]前走別成績(過去10年)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JBC(北海道)2歳優駿 2 2 1 20 8.0% 16.0% 20.0%
兵庫ジュニアGP 1 3 4 17 4.0% 16.0% 32.0%
エーデルワイス賞 1 0 0 1 50.0% 50.0% 50.0%
DG以外の地方重賞 2 1 2 37 4.8% 7.1% 11.9%
JRAの重賞以外 4 4 2 13 17.4% 34.8% 43.5%
地方の重賞以外 0 0 1 16 0.0% 0.0% 5.9%

地方馬にも要警戒

JRA馬に人気が集まる傾向はあるが、地方馬が好走することも多いのがこのレースの特徴。過去10年でJRAが3着以内を独占したことは、2014年と18年の2回しかない。そして、地方馬が3着以内に2頭入ったのは13年、19年、20年の3回。[表1]ように2~3着馬の数では8頭とJRAに食い下がっており今年も要警戒だ。

勝つのはこういう馬!

まず、前走で勝利していること。地方馬は、前走重賞で1着が必須となる。5番人気での勝利が2回あるが、単勝6.3倍と8.8倍。やはり上位人気が強い傾向だ。またJRA、地方を問わず、ここまでダートで無敗か3~4戦して1敗までの馬を狙いたい。

(浅野 靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。