上位に出世馬多数、全日本2歳優駿を見据えた戦い
過去23回でJRAが19勝、地方4勝。昨年の勝ち馬セキフウは、後にサウジダービーを2着、2着のコンバスチョンも続く全日本2歳優駿で2着と好走した。他にもテイエムサウスダン、デルマルーヴルなど、過去の上位馬には、後の活躍馬が名を連ねている。ここでは、過去10年の結果から傾向を探っていこう。
昨年は7枠→5枠→6枠、一昨年は1枠→2枠→6枠の決着。過去10年の3着内馬30頭の馬番を比較すると、1〜6番が14頭、7番〜12番が16頭と拮抗している。園田1400mは最初のコーナーまでの距離が長いコースレイアウトなので外枠有利と考えられがちだが、少なくとも、このレースについては内外互角と考えたい。[表1]
年 | 12年 | 13年 | 14年 | 15年 | 16年 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年 |
頭数 | 11頭 | 12頭 | 11頭 | 12頭 | 12頭 | 12頭 | 12頭 | 12頭 | 11頭 | 12頭 |
1着 | 4 | 11 | 1 | 4 | 3 | 8 | 12 | 7 | 1 | 10 |
2着 | 8 | 7 | 9 | 7 | 9 | 9 | 2 | 6 | 2 | 5 |
3着 | 11 | 4 | 3 | 1 | 11 | 4 | 5 | 9 | 7 | 8 |
注記:2020年の4番は出走取消
2016年には3連単30万馬券、2014年には3連単60万馬券が飛び出しているレースだが、直近5年で3度も3着内を1〜3番人気馬が独占している。残る2回も1番人気→4番人気→2番人気と2番人気→1番人気→5番人気という決着。つまり、ここ5年は、1番人気馬、2番人気馬が馬券内パーフェクトと期待に応えている。直近10年のデータだと6番人気以下の馬が4頭馬券に絡んでいるが、いずれも2016年以前のものであり、基本的には人気上位馬が信頼できるレース。[表2]
単勝人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1番人気 | 4 | 1 | 1 | 4 | 40.0% | 50.0% | 60.0% |
2番人気 | 2 | 3 | 3 | 2 | 20.0% | 50.0% | 80.0% |
3番人気 | 2 | 2 | 3 | 3 | 20.0% | 40.0% | 70.0% |
4番人気 | 0 | 2 | 1 | 7 | 0.0% | 20.0% | 30.0% |
5番人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 2 | 1 | 1 | 63 | 3.0% | 4.5% | 6.0% |
過去10年、牡馬が10勝。牝馬の勝利は2010年のリアライズノユメまで遡る。ただし、直近5年で牝馬は5頭馬券に絡んでおり、牝馬というだけで軽視は禁物。その5頭は全てJRAの所属で、7頭出走して5回馬券内というハイアベレージだ。一方、昨年3番人気で6着と人気を裏切ったヒストリックノヴァは大井の所属。地方の牝馬は過信禁物だ。[表3]
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
牡馬 | 10 | 8 | 5 | 58 | 12.3% | 22.2% | 28.4% |
牝馬 | 0 | 2 | 5 | 29 | 0.0% | 5.6% | 19.4% |
冒頭で書いた通り、過去23回で地方所属馬の優勝は4回。2005年のモエレソーブラッズ(北海道)、2009年のラブミーチャン(笠松)、2014年のジャジャウマナラシ(浦和)、2016年のローズジュレップ(北海道)が勝利を収めている。地元兵庫の馬はこれまで勝ったことがなく、2004年のレッドペガサスの2着が最高。直近10年では40頭が出走し、全て4着以下に敗れている。昨年はバウチェイサーが4着だった。[表4]
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
JRA | 8 | 9 | 5 | 24 | 17.4% | 37.0% | 47.8% |
北海道 | 1 | 1 | 3 | 8 | 7.7% | 15.4% | 38.5% |
浦和 | 1 | 0 | 0 | 5 | 16.7% | 16.7% | 16.7% |
愛知 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
大井 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 50.0% |
兵庫 | 0 | 0 | 0 | 40 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
笠松 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
高知 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
福山 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
過去10年で3着以内だった30頭中、7頭が前走でなでしこ賞を使用。2015年以降、7年連続でなでしこ賞の勝ち馬が出走し、7頭全てが3着以内に好走している。また、この時期のダートグレード競走で頭を悩ますのが、前走芝のレースを使ってきたJRA所属馬の扱い。2015年にはコウエイテンマ、オデュッセウスが2、3着と好走したが、それ以降は0-0-0-6と苦戦が続いている。ダートのスペシャリストが狙いを定めてくるようになり、芝からの転戦組が通用しにくくなっているのかもしれない。
過去10年の勝ち馬10頭中、8頭が前走でJRAの1勝クラスを勝利しての臨戦だった。残る2頭は2016年のローズジュレップがサッポロクラシックC2着、2014年のジャジャウマナラシがハイセイコー記念5着からのステップで、ともに地方馬。中央馬は1勝クラスを勝ち、勢いに乗った状態でここに出てきた馬が強い。なかでも、前述した通りなでしこ賞勝ち馬が10年で4勝を挙げており最右翼。ヤマボウシ賞やオキザリス賞を勝ってきた馬も侮れない。
(松山 崇)
1着
2着
3着
【注記】2010年は3着同着。
注記
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