データ分析 Data Analysis

賞金1億円をかけたチャンピオンディスタンスでの争い

競馬場持ち回りのJBCで、盛岡開催は2002年、14年に続く3度目。クラシックの1着賞金は大井での10年以来となる1億円に増額された。02年アドマイヤドン、14年コパノリッキーは、翌年大井のJBCも勝って連覇達成。23年も大井での開催が予定されており、今年の勝ち馬は来年も現役なら注目となりそうだ。ここでは中央開催だった18年を除く11年~21年の過去10回の結果から傾向を探っていく。

JRAがほぼ上位を独占

地方馬が馬券に絡んだのは、2021年1着ミューチャリー(船橋)と19年3着センチュリオン(浦和)のみ。その他の8回はJRAが上位を独占している。JRAでも関西8勝、関東1勝だが、連対率と3着内率ではほぼ互角。なお、JRA関東の馬券絡みは、1勝が17年・大井、2着、3着も大井か川崎と東日本の競馬場で開催されたとき。過去2回の盛岡では、14年はJRA関東からの参戦がなかったが、02年にはプリエミネンスが2着で、今年は出走馬がいれば関西馬に割って入るチャンスが見込めそうだ。[表1]

[表1]所属別成績(地方開催時の過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 8 8 7 23 17.4% 34.8% 50.0%
JRA関東 1 2 2 5 10.0% 30.0% 50.0%
南関東 1 0 1 13 6.7% 6.7% 13.3%
その他 0 0 0 63 0.0% 0.0% 0.0%

ほぼ5番人気以内で決着

JRAの出走頭数は最多が7頭(2017年、20年)、最少が4頭(11年)で、平均では5.6頭。3着以内馬30頭中27頭が5番人気以内という数字は、上位人気のJRA勢が結果を出していることを表す。なお、地方馬で馬券に絡んだ2頭はともに6番人気。17年3着ミツバの7番人気が3着以内馬のもっとも低い単勝人気だが、この年は前述のとおりJRAから7頭出走していた。基本的に1~3番人気が強いが、人気3頭で決まったのは3回。JRA勢の決着でも、組み合わせ次第では3連単2万円台(12年、17年)くらいの配当は見込める。ただ最高配当は6→2→3番人気で決まった21年の4万5150円で、あまり高額配当は期待できない。[表2]

[表2]単勝人気別成績(地方開催時の過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 1 2 3 40.0% 50.0% 70.0%
2番人気 1 5 1 3 10.0% 60.0% 70.0%
3番人気 2 3 3 2 20.0% 50.0% 80.0%
4番人気 1 1 0 8 10.0% 20.0% 20.0%
5番人気 1 0 2 7 10.0% 10.0% 30.0%
6番人気 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
7番人気以下 0 0 1 73 0.0% 0.0% 1.4%

JRAの6、7歳が好成績

勝ち馬は出走頭数が多い4~7歳から出ている。JRA馬に限れば、連対率と3着内率では、(3-1-6-4)の6歳、(1-3-0-1)の7歳が好成績だ。5歳の2勝のうち1勝は2021年ミューチャリー(船橋)。[表3]

[表3]年齢別成績(地方開催時の過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 0 0 6 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 4 3 0 20 14.8% 25.9% 25.9%
5歳 2 3 2 17 8.3% 20.8% 29.2%
6歳 3 1 6 17 11.1% 14.8% 37.0%
7歳 1 3 1 20 4.0% 16.0% 20.0%
8歳以上 0 0 1 24 0.0% 0.0% 4.0%

近年は帝王賞組が主力

3着以内馬30頭の前走は、日本テレビ盃JpnIIと帝王賞JpnIが10頭ずつ。特に過去3回で3着以内に入ったJRA馬7頭はすべて帝王賞JpnIからぶっつけで臨んでおり、近年の主流となっている。2019年3着、21年1着の地方馬は、それぞれ前走が埼玉新聞栄冠賞、白山大賞典JpnIIIだった。なお、前走マイルチャンピオンシップ南部杯JpnIの3着以内馬は過去10回で5頭出走し1勝、2着2回だが、16年を最後に参戦がない。[表4]

[表4]3着以内馬の前走(地方開催時の過去10回)

1着 2着 3着
日本テレビ盃 4 4 2
帝王賞 3 3 4
マイルCS南部杯 1 2 0
白山大賞典 1 0 1
その他 1 1 3

勝つのはこういう馬!

2002年、14年に盛岡で行われたJBCクラシックは、ともに1~3番人気の3頭で決着。盛岡2000mは直線の坂を2度越えるタフなコースのため地力の差が出やすく、人気は信頼できる。同距離のマーキュリーカップJpnIIIをはじめ盛岡の経験は必須ではないが、同じ左回りのJRA東京・フェブラリーステークスGIや、JRA中京・チャンピンズカップGIで勝ち負けしていれば心強い。近年の傾向からは前走帝王賞JpnI組が狙い。

(栗田 勇人)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。