JBCクラシックを目指すダートの一線級が集結
例年ハイレベルな争いが繰り広げられていることは、豪華な歴代の勝ち馬を見返すだけで一目瞭然。JRAからはこのレースを制した後にビッグタイトルを積み重ねた馬を多数輩出。地方馬は一時代を築いたアブクマポーロやフリオーソらが名を連ねる。今後のダート路線を占う意味でも必見のレースであることは間違いない。ここでは2012~21年の過去10年の結果から傾向を探っていく。
JRA馬が19連対、3着内率は65.0%と圧倒的な成績を収めている。近3年は地方馬が3着以内に健闘しているが、13年~18年にかけては6年連続でJRA勢が上位を独占していた。地方馬で3着以内に好走した4頭のうち2頭はジャパンダートダービーVの実績があり、20年3着のストライクイーグルは大井転入後、南関東グレードSI重賞を2勝。21年の覇者サルサディオーネはJpnIIIを3勝していた。JRAからトップレベルの馬が参戦してくるだけに、地方馬で互角に渡り合うためには、相応の実力が求められる。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA | 9 | 10 | 7 | 14 | 22.5% | 47.5% | 65.0% |
大井 | 1 | 0 | 2 | 5 | 12.5% | 12.5% | 37.5% |
船橋 | 0 | 0 | 1 | 21 | 0.0% | 0.0% | 4.5% |
川崎 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
浦和 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
その他地方 | 0 | 0 | 0 | 36 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6勝を挙げる1番人気の信頼度が高く、勝ち馬は5番人気以内からしか出ていない。1番人気以外で注目するべきは3番人気で、勝利こそ1回のみだが、連対率(70.0%)、3着内率(90.0%)では1番人気を上回っている。近2年は3連単が万馬券の決着となっているが、2012年から19年までの8年間は1~4番人気の決着。その間の3連単の最低配当は390円、高い配当でも4250円と平穏な傾向にあった。3年連続の波乱となるのか、以前のように堅い結果に戻るのか要チェック。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 6 | 0 | 2 | 2 | 60.0% | 60.0% | 80.0% |
2番人気 | 1 | 3 | 2 | 4 | 10.0% | 40.0% | 60.0% |
3番人気 | 1 | 6 | 2 | 1 | 10.0% | 70.0% | 90.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 2 | 6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
5番人気 | 1 | 0 | 1 | 8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 0 | 0 | 1 | 64 | 0.0% | 0.0% | 1.5% |
3~5歳が7勝をマークしているように、比較的若い年齢の馬が活躍する傾向。なかでも4歳と5歳は3着内率で50.0%以上と、高い確率で上位争いに食い込んでいる。各項目の率を見比べてみても3~5歳が軒並みいいのに対して、6歳以上になると数字は下降。迷った場合には、ベテラン勢より5歳以下をチョイスするのが妥当。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
3歳 | 1 | 0 | 0 | 2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
4歳 | 2 | 3 | 2 | 6 | 15.4% | 38.5% | 53.8% |
5歳 | 4 | 2 | 2 | 8 | 25.0% | 37.5% | 50.0% |
6歳 | 1 | 3 | 2 | 21 | 3.7% | 14.8% | 22.2% |
7歳 | 2 | 1 | 3 | 22 | 7.1% | 10.7% | 21.4% |
8歳 | 0 | 1 | 1 | 11 | 0.0% | 7.7% | 15.4% |
9歳以上 | 0 | 0 | 0 | 15 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
過去10年の勝ち馬を振り返ると2015年サウンドトゥルー、20年ロードブレスを除く8頭には重賞V歴があり、そのうちの5頭はGI/JpnIウイナーだった。また前走成績を見てみると前走1着馬は6頭。残り4頭のうち3頭は同年の帝王賞で5着以内に好走。14年クリソライトはマーキュリーカップ2着からの参戦だったが、3歳時にジャパンダートダービーを勝ったトップレベルの馬だった。格と勢いが勝利の条件となる。
GI/JpnIを制したダートの一線級が出走してくれば最有力。トップクラスの実力と近走の勢いが求められるレースで、ベテラン勢は割り引きが必要。前走を勝っているか、帝王賞で上位争いを演じているようならV候補として考えていい。
(前田 恒)
1着
2着
3着
【注記】馬インフルエンザ流行の影響により、南関東限定重賞となった2007年を除いたデータとなります。
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。