データ分析 Data Analysis

JRA勢が強い真夏の1400mハンデ戦

過去21年でJRA所属馬が18勝と地方馬を圧倒。佐賀所属馬の勝利はないが、佐賀所属騎手はJRA馬に騎乗するかたちで倉富隆一郎騎手(2008年)、鮫島克也騎手(21年)の2名が勝利している。佐賀競馬場は今年移転開設50周年を迎えた節目の年だけに、佐賀所属の人馬にも注目しておきたい。ここでは12年~21年の過去10年から傾向を分析していく。

近年はJRA所属馬が圧倒

過去10年のうち9年でJRA馬が勝利しており、地方馬は18年のエイシンバランサー(兵庫)の1勝のみ。同馬を含め地方馬は6頭が3着以内に進出しているが、近3年は馬券絡みなし。JRA優勢の傾向はさらに強まっている。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 9 7 8 19 20.9% 37.2% 55.8%
兵庫 1 1 1 3 16.7% 33.3% 50.0%
愛知・笠松 0 2 0 7 0.0% 22.2% 22.2%
高知 0 0 1 7 0.0% 0.0% 12.5%
佐賀 0 0 0 45 0.0% 0.0% 0.0%

1~3番人気で計8勝

単勝1番人気4勝、2、3番人気各2勝で、上位人気が強い。なお、JRA所属のうちもっとも人気のない馬が勝ったのは20年サヴィ(4番人気)だけ。5番人気での勝利は前述兵庫のエイシンバランサーで、6番人気以下の勝利はない。ただし、第1回まで遡っても1→2→3番人気の順に決着したケースはなく、3連単の組み合わせには注意を払いたい。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 1 3 2 40.0% 50.0% 80.0%
2番人気 2 1 2 5 20.0% 30.0% 50.0%
3番人気 2 3 2 3 20.0% 50.0% 70.0%
4番人気 1 3 2 4 10.0% 40.0% 60.0%
5番人気 1 2 0 7 10.0% 30.0% 30.0%
6番人気以下 0 0 1 60 0.0% 0.0% 1.6%

7年連続で5歳か6歳が勝利

5歳、6歳がともに4勝を挙げ、他は4歳と8歳が各1勝。近7年は5歳と6歳が1年おきに勝利しており、順番どおりなら今年は6歳となる。過去10年では牝馬の勝ち馬が出ていないが、JRA馬に限って見ると、出走43頭中5頭のみと出走自体が少なく、19年にはヒザクリゲが2着に進出している。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 1 0 4 0.0% 20.0% 20.0%
4歳 1 3 1 2 14.3% 57.1% 71.4%
5歳 4 2 4 13 17.4% 26.1% 43.5%
6歳 4 1 3 19 14.8% 18.5% 29.6%
7歳 0 2 2 20 0.0% 8.3% 16.7%
8歳以上 1 1 0 23 4.0% 8.0% 8.0%

施行時期変動の影響は?

勝ち馬がダートグレード競走初勝利となるケースが12年から20年まで続いたが、21年はJRA馬4頭のうち3頭が重賞勝ち馬で、その3頭で3着までを占めた。しかし、9月1日開催と例年(主に8月中旬)より施行時期が繰り下げられており、レースの性質がJRA馬にとっては“春から夏に上昇してきた馬の重賞挑戦”から“重賞実績馬の秋初戦”に変化していた。今年は8月25日と前年より繰り上げられたが、出走馬の傾向が新興勢力中心に戻るか否かの見極めが必要だろう。

勝つのはこういう馬!

JRA馬が非常に強いレースで、その傾向は変わらないだろう。9月開催の21年を例外と見れば、20年以前と同様に直近で3勝クラスやオープン特別を勝ちあがってきた5~6歳馬に重賞初制覇を期待したくなる。過去10年で4~8枠の馬が9勝と中ほどから外の枠の馬に注目。内の1~3枠で唯一勝ったのは、21年ラプタスだが鞍上は地元の鮫島克也騎手。佐賀のジョッキーがJRA馬に騎乗したときは、枠は気にしなくて良さそうだ。

(上妻 輝行)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。