今年はJBCスプリントと同じ舞台
2022年のJBCは盛岡競馬場が舞台。今年のクラスターカップはまさに、同じ距離で行われるJBCスプリントJpnIを見据えた戦いになるだろう。20年の盛岡競馬場は速い時計が出るコンディションで、マテラスカイが良馬場でレコード勝ち。しかし21年は砂が深く、このレースとしては遅いタイムでの決着となった。今年も最初にチェックしておきたいのはダートコースのコンディション。その前に、12年~21年の過去10年の結果から傾向をみておくことにしたい。
成績を所属別にまとめてみると、圧倒的な成績を残しているのがJRAの関西馬。7勝、2着8回の好成績で、3着内率は50.0%となっている。JRAの関東馬は出走数が少ないが、2021年はリュウノユキナがJRAの関東所属として05年以来の勝利を挙げた。対する地方馬は苦戦傾向だが、上位人気に支持されていれば話は別。13年は笠松のラブミーチャンが1番人気の支持に応えて快勝し、17年は浦和のブルドッグボスが勝ち、2着が岩手のラブバレット。この年は4→3番人気の順だった。なお、岩手所属で3着以内に入った4回はすべて、ラブバレットによるもの。南関東の2度の3着以内も、ブルドッグボスによるものだ。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA栗東 | 7 | 8 | 5 | 20 | 17.5% | 37.5% | 50.0% |
JRA美浦 | 1 | 0 | 1 | 6 | 12.5% | 12.5% | 25.0% |
岩手 | 0 | 1 | 3 | 43 | 0.0% | 2.1% | 8.5% |
南関東 | 1 | 0 | 1 | 9 | 9.1% | 9.1% | 18.2% |
その他 | 1 | 1 | 0 | 28 | 3.3% | 6.7% | 6.7% |
実力の差があるメンバー構成になりがちで、過去10年の優勝馬はすべて、単勝4番人気以内。とくに1番人気の3着内率が80.0%と、高い数字になっている。2番人気と3番人気は互角といえる成績で、4番人気は3着内率が50.0%。それでも上位人気が割れることが多いのがこのレースの特徴で、過去10年で3連単が万馬券になったことはないものの、半数の5回で5000円以上。過去10年における3連単の最低配当は2019年で、2→3→1番人気の順で1880円だった。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 5 | 1 | 2 | 2 | 50.0% | 60.0% | 80.0% |
2番人気 | 2 | 2 | 2 | 4 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
3番人気 | 1 | 4 | 1 | 4 | 10.0% | 50.0% | 60.0% |
4番人気 | 2 | 1 | 2 | 5 | 20.0% | 30.0% | 50.0% |
5番人気 | 0 | 2 | 1 | 7 | 0.0% | 20.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 0 | 0 | 2 | 84 | 0.0% | 0.0% | 2.3% |
好成績を残しているのが、5勝を挙げている5歳と、4勝している6歳。4歳は1勝だけだが、3着内率は50.0%と上々の数字を残している。しかしそれ以外の世代は苦戦ぎみ。7歳が2着と3着が計3回、8歳以上が3着3回となっているが、勝利までには至っていない。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
3歳 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
4歳 | 1 | 3 | 3 | 7 | 7.1% | 28.6% | 50.0% |
5歳 | 5 | 2 | 2 | 19 | 17.9% | 25.0% | 32.1% |
6歳 | 4 | 3 | 1 | 12 | 20.0% | 35.0% | 40.0% |
7歳 | 0 | 2 | 1 | 24 | 0.0% | 7.4% | 11.1% |
8歳以上 | 0 | 0 | 3 | 42 | 0.0% | 0.0% | 6.7% |
クラスターカップはグレード別定重量という条件。52kgで勝利を挙げた2頭はいずれも牝馬で、直近3走以内に3勝クラスに出走していた。54kgで勝利した2頭はこのレースで重賞初勝利。55kgで勝利した3頭のうち2頭は、3歳以降にGIII/JpnIIIを1勝していた牡馬で、残る1頭は牝馬のラブミーチャンだ。そのラブミーチャンに代表されるように、負担重量の大きい馬が好走するケースがたびたび。2016年にはダノンレジェンドが60kgで勝利。13年はタイセイレジェンドが59kgで2着に入った。[表4]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
52㎏以下 | 2 | 1 | 0 | 15 | 11.1% | 16.7% | 16.7% |
53㎏ | 1 | 0 | 0 | 2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
54㎏ | 2 | 6 | 4 | 74 | 2.3% | 9.3% | 14.0% |
55㎏ | 3 | 1 | 4 | 10 | 16.7% | 22.2% | 44.4% |
56㎏ | 1 | 1 | 1 | 2 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
57㎏以上 | 1 | 1 | 1 | 3 | 16.7% | 33.3% | 50.0% |
単勝4番人気以内というのが最初の条件。臨戦過程はさまざまだが、直近3年は前走が北海道スプリントカップだった馬が勝利を挙げている。今年同レースを制したのはダンシングプリンス。現在は海外を含むGIII/JpnIIIを3連勝中で、負担重量は56kg。実際に出走するようなら、最有力といえる存在になるだろう。
(浅野 靖典)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。